プロレス初心者の予備校『有田と週刊プロレスと』シーズン3が完結
『有田と週刊プロレスと』はプロレス初心者の予備校のような番組であり、ベテランファンまでが楽しめる究極のエンターテインメントだ。
2019年1月2日0時にAmazonプライムビデオで配信された『有田と週刊プロレスと(有プロ)』シーズン3・#25の主役はIQレスラーの桜庭和志選手。
新日本プロレス出身のアントニオ猪木さんや佐山聡さん、前田日明さん、高田延彦さんたちプロレスラーが目指した一つの終着点について、有田哲平さんが教鞭を打つ。その口上はいつも以上に熱が入っていたように思う。
また、ゲストのビビる大木さんもチュートリアルの福田充徳さんと並ぶほどのアシスト役を務め、倉持明日香さんもビジュアル面で華の役割と視聴者と有田さんを重要な役割を担い続けた。
各団体のプロレスラー紡いだ星々の歴史を丁寧に語り続けるくりぃむしちゅーの有田さんは僕が高校生の時からやっぱりヒーローだ。
『有田と週刊プロレスと』シーズン4への期待はあるものの、まずは大円団を迎えた番組に対し、しっかりとしたお礼を伝えつつ、シーズン3が終わった所感を書き留めておきたい。
2人の猛者が魅せた可能性
『有田と週刊プロレスと』のシーズン3も様々なゲストが登場した。
陣内智則さん、田村亮さん、福田充徳さん、東京03豊本さん、小峠英二 さん、岡田圭右さん、ビビる大木さん。
一流芸人さんたちはやはり、相槌や間の取り方などのバランスが番組を視聴していてとても気持ちいい。
ゲストによってはプロレス知識の有無はあるものの、どちらの方が聞いても楽しめる話術を展開する有田哲平さんにはもう「いや、まいったね」という言葉しか出てこない。
ここからは僕が印象に残った2人のゲストについて書いていく。ちなみにチュートリアル福田さんは殿堂入りとさせて欲しい。
東京03豊本さんという掟破り
シーズン3では初の取り組みとして、有田さんがゲストの席に腰を掛け、話を聴く側に回るという新企画が生まれた。
そこで教師役を務めたのが東京03豊本さんだった。ドラゴンゲートとウィングについて教鞭を振るったわけだが、この2回も究極に面白かった。
番組初となるドラゴンゲートとウイングの特集。これまでの歴史とは別軸にあった物語にも当然ドラマがあり、涙があり笑いがあった。
有田さんが聴く側に回るというスタンスはシーズン4以降でも実施して欲しい。また、倉持明日香さんによる大日本プロレス回も楽しみにしたい。
ビビる大木さんという推進力
ビビる大木さんがこの番組にゲスト出演を果たす際に特別な光を発している気がする。
『有田と週刊プロレスと』に対するイチ視聴者としての愛情がヒシヒシと伝わってくるのだ。彼の口から出た言葉はエンタメに対する触れ合い方として、感銘を受けるものである。
「勉強したい」
そう、プロレスを含むエンタメは勉強してもっと楽しくなるものなのだ。
今もビビる大木さんのお当番回を見ているわけだが、有田さんとベストマッチしている印象を受ける。
福田さんの魅力は傾聴力にある。有田さんの話を引き出し、必要以上に前に出ることなく話を回転させる。そのバランス力が番組にベストマッチしていた。だからこそ授業がスイングする。
一方で、大木さんは知識がある状態からスタートしている。彼にとって『有田と週刊プロレスと』はプロレスの復習なのだ。だからこそ、質問の内容が濃い。プロレスファンが素朴に思ったことを最高のタイミングで挟んでくる。
当時の感情を思い出して爆発させる。そういった一挙手一投足が、ファン目線として素晴らしいのだ。
また、度々倉持明日香さんに同意を求めるコメントも堪らない。
「もっちー分かってる!?」この一言は魔法のようだ。何度も番組を見直してもこのカットで笑ってしまう。
iPhoneのように便利で使いやすく、刺さる一言。いや、分かりにくいのでiPhoneの例えはやっぱり止めておこう。
#25で終わりの始まりを呼び込むカンペを心から読みたくないという表情は、僕たち視聴者とリンクしていた。
「終わって欲しくない」
この気持ちが強く、強く伝わってきた。
倉持明日香さんの進化
シーズン3を迎え、倉持明日香さんがさらに魅力を増してきたように思う。
新コーナー「もっち〜ずroom」は番組のアイスブレイクとして、最高の時間を演出していた。
僕個人として一番好きだったのはクイズのコーナー。有田さんが正解した後に発する「100点!!!」は耳馴染みがとてもいい。
「正解」、「当たり」など回答を褒める例はあるが、是非そういった仕事をしていたり、マネジメントをしている方は「100点」を活用してみて欲しい。
きっといつもと違うリアクションが返ってくるはずだ。
スタッフの方々の努力に感動
惜しまれつつもラストを迎えた『有田と週刊プロレスと』シーズン3。
番組を制作するだけでなく、発信することにもスタッフの方々が注力する変化があったように思う。
Twitterではファンと積極的にコミュニケーションを取り、YouTubeで無料の予告動画を公開。また、各媒体でも当日に記事が公開されるなど宣伝活動の結果より一層番組が広がってきたような印象を受けた。
願うことならNJPW FUN宛にもプレスリリースをお送りいただきたいと思う。
多くのファンを魅了するコンテンツが同番組にはある。ここからはどう発信し、届けるのかが肝になってくる。
イベント、他のSNSなどリアルとWebの双方に注力することで、番組、ひいてはプロレスがさらに盛り上がる気がする。
リアルイベントとBlu-ray化
最後に僕の『有田と週刊プロレスと』に対する希望を書いていきたい。
まずはリアルのイベント。予算はクラウドファンディングで集めることを推奨する。ステッカーやパンフレット、イベント後のお見送り回を返礼に据えるだけで、一定以上の会場は埋まるし、マネタイズもできると思う。
次にAmazon限定受注販売の番組Blu-rayの発売だ。ディレクターズカット版が見たくてしょうがない。Blu-ray特典として、くりぃむしちゅー の上田晋也さんにご登場いただき、2人が昭和プロレスを熱く語る30分があればある程度の金額までなら出せる自信がある。
そして、『有田と週刊プロレスと』のムック本発売だ。有田さん、倉持さんとプロレスラーやプロレス関係者との対談企画。福田さん、ビビる大木さんのコラム、ファンからのメッセージ紹介など、永久保存版となる書籍になるのは間違いない。
良質なコンテンツは更なる発展を産む可能性を秘めている。
素敵な番組だからこそ長く続くことを心から祈っている。
この番組があったからこそ、僕はプロレスを知ることができた。番組に対して非常に強い感謝の気持ちがあるのだ。
『有田と週刊プロレスと』シーズン3は歴代シリーズと同じく最高の番組だった。
シーズン4はあるのか?ないのか?その答えを「焦らず」待ちたいと思う。