田口隆祐が石森太二に挑戦表明!ジュニアの門番が再び修羅と化すか?
田口隆祐選手がIWGPジュニア王者である石森太二選手に挑戦表明を行った。
髙橋ヒロム選手が凱旋帰国を果たして以来となる第69代IWGPジュニアベビー級チャンピオンの挑戦表明。田口隆祐選手は再び、新日本プロレスジュニアの門番として再び修羅と化すのか?
2019年のイッテンヨン『レッスルキングダム13』は全挑戦者が勝利を掴み、ベルトが移動する結果となった。
その第0試合に真壁刀義選手、矢野通選手とエントリーし、『NEVER無差別級チャンピオン』への挑戦権を掴み取ったのが田口隆祐選手である。
対するチャンピオンチームは“グッドガイ”タマ・トンガ選手、タンガ・ロア選手、石森太二選手の『バレットクラブ』。
GODの強さと石森太二選手のスピードが合わさったこのチームは圧倒的な完成度を見せていた。
だが、『GBH』の2人に新日本プロレスを代表する名(迷?)監督が揃えば鬼に金棒。敏腕プロデューサーに潤沢な予算である。
ここからは因縁が生まれた『NEVER無差別級選手権試合』を振り返りつつ、2月11日の『THE NEW BEGINNING in OSAKA』で激突する田口隆祐選手と石森太二選手のタイトルマッチについて考えてみたい。
監督とプロデューサーと人気タレント
『NEVER無差別級選手権試合』は開始早々、タグチジャパンワールドに片足を踏み入れつつも、圧倒的な個性を出す矢野通選手の個性が光った。
「田口!サイン!タグチ!サイン!」
とタグチジャパン名物のサインを自ら要求。かつては鬼の寮長として恐れられていた矢野通先輩にも果敢にサインを出すタグチ監督。
実況席からは出身大学の駅伝順位によって態度を変えると報じられており、東海大学出身の田口隆祐選手は見事マウンティングを取ることに成功していた(?)。
矢野通選手と真壁刀義選手の連携も光りつつ、徐々に『BULLET CLUB』を追い詰めていく。だが、ここでサプライズが発生。
我らが高橋裕二郎選手とチェーズ・オーエンズ選手が試合に乱入。そのまま『BULLET CLUB』がベルトを防衛する運びとなった。
ここで、お尻をいや肌を合わせることによってあることに気付いたのが田口隆祐選手だった。
もしも、この2人の介入がなかったら?僕は、監督とプロデューサーと人気タレントがベルトを戴冠していたのではないか?と思っている。
最強とも言える『鈴木軍』の3人(鈴木みのる選手、ランス・アーチャー選手、デイビーボーイ・スミスJr.選手)を退けてこの舞台に上がってきたチームである。
もしも、次があれば必ず光明が差すに違いない。※今後も新日本本隊とCHAOSの越境タッグを継続するようなので、その点は改めて記事にしたいと思う。
新日本ジュニアの裏門番
タグチジャパンの監督として、いつも新日本マットに豊かな時間を生み出している田口隆祐選手。
その本当の魅力が発揮された瞬間を目の当たりにしたのは、髙橋ヒロム選手との一戦だった。
KUSHIDA選手から『IWGPジュニアヘビー急ベルト』を一発で奪取し、永遠のライバルであるドラゴン・リー選手を退けた髙橋ヒロム選手の前に立ち塞がったのは、かって自身を新日本プロレスへと導いてくれた恩人である田口隆祐選手だった。
「僕、(髙橋広夢のこと)いいと思いますよ」
このメッセージが無ければ現在の髙橋ヒロム選手は存在しなかった(髙橋ヒロム選手だけに合格するまで入門テストを受けると思うので、絶対とは言い切れないが)のかもしれないのだ。
あの頃の田口隆祐と試合したい
ヤングライオン・髙橋広夢がリングサイドで見つめていたのは、強く逞しく、テクニシャンでクレバーな田口隆祐選手だった。
プリンス・デヴィント選手とのAPOLLO55は彼にとって光輝いていたに違いない。
だが、過去最長の海外遠征から凱旋帰国してみると、尊敬しと羨望の眼差しを向けていた名レスラーは第69代IWGPジュニアヘビー級王者に輝いたことから、お尻おじさんになっていた。
「あの頃の田口隆祐を出してこい」
そう言い放つ若き王者に対し、田口隆祐選手は前哨戦からアンクルホールドをかけ続けた。
そして、迎えた大一番。2人の試合は激しく盛り上がる好勝負となった。
試合の終盤以降に田口隆祐選手が覚醒。真壁刀義選手をもって「あんなにキレた田口見たことねぇ」と言わしめるほどの鬼気迫る表情が顕になった。
田口隆祐選手の入場曲名をご存知だろうか。
そう、「MASTER OF DROPKICK」である。今ではほぼ見ることは叶わないが、高く美しいドロップキックから彼の2つ名はドロップキック・マスターだったのだ。
ヒップアタックではなく、ドロップキックを髙橋ヒロム選手に見舞う田口隆祐選手。
ジャベの達人であるミラノコレクションA.T.さんも思わず叫ぶほどのグラウンドテクニック。面白いお尻おじさんは怒ったらマジで怖い。
惜しくも試合は髙橋ヒロム選手に軍配が上がったが、この日の田口隆祐選手の魅力は圧倒的なものがあった。
ハエ呼ばわりしている現王者へ
現在、石森太二選手はギンバエマスクをあやかり、田口隆祐選手を「ハエと挑発している。カワウソに続いてはハエ。仕舞いには田口隆祐選手が行っているパックまで真似するなど、次々と石森太二選手の新しい魅力が溢れてきている気がする。
新日本屈指のテクニシャン田口隆祐選手とジュニア屈指のパワーファイターである石森太二選手が激突した時、どんな化学反応が起こるのだろうか。
そして、髙橋ヒロム選手との一戦で見せた「修羅」と化した田口隆祐選手を見ることはできるのだろうか。
KUSHIDA選手が世界を目指した今、新日本プロレスジュニアの門番として2年ぶりの本気を出してもいい時期である。
監督・田口隆祐も素晴らしいが本気で勝ちを掴もうとする田口隆祐も魅力的だ。
中々肌をあわせて来なかった2人はどんな試合を魅せるのだろうか。これからが楽しみである。