ファンカスティカマニア2019開幕!風神・雷神が新日本プロレスに降臨!
ファンカスティカマニア2019が開幕した。メキシコCMLLのスペルエストレージャたちが織りなすフェイスタに新日本プロレスのリングとしては初となる風神・雷神が降臨した。
また別の試合ではあのナマハゲ選手が初来日を果たすなど、プロレスはしっかりと予習をしてから見ると楽しさも2倍いや10倍になるものだなと、実感した瞬間である。
2019年1月9日に新日本プロレス公式スマホサイトで公開された元井美貴さんの『NJPW PRESENTS CMLL FANTASTICA MANIA 2019』徹底解説を読んでみると、来日した20選手中。11選手がベルトを戴冠していことが分かった。年に一度の祭典に期待が高まるのも仕方ないだろう。
待ちきれない気持ちを抑えつつ、当日の試合を見てみるとまさに圧巻という内容だった。
マスクの下に隠れていても分かるほどのグアポ(イケメン)。バキバキに仕上がった身体も相まって。これはメキシコで圧倒的な支持を受けていることも頷ける。
では、本題に入ろう。
2018年は風神・雷神のマスクを被って入場したYOH選手、SHO選手はなぜ、マスクを被ったまま試合に臨んだのだろうか。
ルチャルールの醍醐味
『ファンカスティカマニア2019』はルチャルールでの試合が執り行われている。
通常の新日本プロレスが行なっている試合と細かな点で違いはあるだろうが、最も大きな違いは出場選手の試合権利が目まぐるしく変わる点にあると思う。
自分がタッグチームを組んでいる選手がリング外に出たタイミングで、リングインした選手に試合権利が移るというもの。
改めてこのルールはルチャリブレに最適化されたものだと感じた。
理由は簡単でスピーディーかつ見ている側が飽きさせない展開を生み出すことができるためだ。
例えば、場外に向けてトペスイシーダを放つ。両選手リングの外でダウン。その間、タックパートナーは待機や鼓舞するしかない(攻撃に行くケースも実際は多いが)。
だが、タッチ無しで試合権利が動くことでスピーディーな試合に打って変わる。
次々と華やかな選手が舞うルチャは、リングの上の芸術だ。
メキシカンドリームを掴んだ、スペルエストレージャたちの戦いは美しいか激しいのである。
そんな華やかなルチャの世界で活躍した日本人タッグチームがある。風神・雷神だ。
今回、何故風神・雷神はマスクを被ったまま試合に臨んだのだろうか。
風神・雷神が新日本に降臨した日
「風神です。雷神です。(2人揃って)神様です」
小松洋平(YOH)選手と田中翔(SHO)選手は共に大きな期待を背負ったヤングライオンだった。
現在、海野翔太選手や成田蓮選手が棚橋弘至選手や真壁刀義選手、獣神サンダー・ライガー選手らとテレビに露出するケースがあるが、この先駆けが小松洋平選手と田中翔選手だったのだ。
特に小松洋平選手は持ち前のユーモアで大きな人気を博していた。ただ、彼には夢があったのだ。
マスクマンになりたい
風神、YOHこと小松洋平選手は元来マスクマン志望だった。
「大学を卒業したらプロレスラーになることを認める」
その約束を守り、大学卒業後に新日本プロレスの入門テストを受験するも、書類審査でNG。
プロレスラーになりたい気持ちはあるし、なれる環境にもなったにも関わらず、全くいい風は吹いて来ない。
そんな中チャンスを掴むため、プロレスラー養成所へと入った。結果としてはこの選択は正解であり、次の入門テストで合格を掴みとったのだ。
「マスクマンになりたい」
リバプールの風となった男に憧れ、風の神になりTENPURA BOYSにもなった小松洋平選手は、現在『ロッポンギ3K』のYOH選手として活躍している。
そんな彼がいよいよマスクマンとして新日本プロレスのリングを踏んだのだ。
風神・雷神としての試合
この日、風神・雷神はメキシコ遠征時代と比較して大きな変化があった。
前述した通り、マスクを被って入場はするものの、試合自体は素顔で行なっていた。
だが、今回の一戦は全てマスクを着用したまま試合を行ったのだ。だが、ファイトスタイルは普段の『ロッポンギ3K』のSHO選手とYOH選手のままだった。
マスクを被ってもブレない。この姿勢も嫌いではないが、せっかくの機会だけにいい意味で挑戦するいや、プロレスをいい意味で遊んでみるのもいいかもしれない。
吹っ切るキッカケに
ヤングライオン時代から小松洋平選手は、大きな期待を受けていた。甘いマスクにユニークなキャラクター性。華やかさ。その全てが新日本プロレスジュニアに新しい風を運んでくれるはずだ、と。
だが、彼は見えない大きな壁にぶつかっている。
『ロッポンギ3K』として2度『IWGPジュニアタッグベルト』を戴冠したが、未だ防衛回数は0回。『スーパージュニア・タッグトーナメント』、『スーパージュニア・タッグリーグ』を制しているにも関わらず、だ。
勢いで勝つことはできても、王者としては実績が付いて来ない。
そして、隣にいるパートナーである雷神ことSHO選手は『ベスト・オブ・ザ・スーパージュニア』でシングルプレイヤーとしての花が芽生え、鷹木信悟選手というライバルも生まれた。
あの頃は小松洋平の方が評価は上だったが、凱旋帰国以降、逆転されつつある状況になっているのだ。
僕は思う。
小松洋平選手がマスクマンにならなかった、いや、ならなかったのはイケメンが原因であるためだ。
マスクであの「甘いマスク」を隠すのは勿体ない。誰しもがそう思うだろう。僕もそう思っている。
だが、何かを変えるため。そのキッカケとして、マスクを被ってみるのはどうだろうか。
そのための第1段階として今回、風神・雷神が新日本プロレスのリングに降臨したのかもしれない。
髙橋ヒロム選手が時折、カマイタチ時代のマスクを被るように、いいアクセントを作るのもいいだろう。
まぁ、中途半端な覚悟では新日本プロレス マスクマンの門番BUSHI選手が黙ってはいないだろうが。
風神・雷神は『ファンカスティカマニア2019』でどんな活躍を見せるのか。
YOH選手、いや風神選手、雷神選手がいい風を吹かせ、ファンを痺れさせるNEXTステージはまだまだこれからだ。