内藤哲也がプロレス大賞授賞式で見せた宣伝力が素晴らしい

内藤哲也がプロレス大賞授賞式で見せた宣伝力が素晴らしい。

新日本プロレスひいては日本のプロレス団体で、同じことをする人、できる人、許される人が一体どれほどいるのだろうか。

彼は唯一、チャンピオンであるにも関わらずベルトを持って登場しない。2017年と同じく『IWGPインターコンチネンタルベルト』が自らの手中にあるにも関わらず、だ。

ベルトの代わりに持っていたのは、2年連続で『ロス・インゴベルナブレス・デ・ハポン』のキャップだ。

やっぱり彼は面白い。

『ロス・インゴベルナブレス・デ・ハポン』ブームがブームで終わらないことにも納得である。

2019年1月16日、東京スポーツ社制定の「2018年度プロレス大賞授賞式」が行われた。

新日本プロレスからは棚橋弘至選手がMVP、オカダ・カズチカ選手とケニー・オメガ選手がベストバウトをそれぞれ受賞。

そして、内藤哲也選手は2016年、2017年と続いていたMVPは逃したものの、技能賞を受賞した。

この日の注目はケニー・オメガ選手のコメントに集まっただろう。何しろイッテンヨン『レッスルキングダム13』以来、はじめて公の場に姿を現したのだ。

彼は今後について言葉を残した。だが、未だ新日本プロレスの公式から発表があった訳ではない。

憶測で物事を語れるのは当日、あの場所にいたマスコミだけである。

誰がいつ記事を読むのか分からない。変に一喜一憂してもしょうがない。ということで、僕は公式から声明が出るまで一切取り上げる気はない。

では、本題に入ろう。

当日の模様がTwitterでアップされる中、改めて写真を見てみて素直に感心した話にである。

 

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各マスコミが記事を書く日

基本的にプロレスの記事は東京スポーツが“独占”している。

そのため、何かよほどの出来事でもない限り他のマスコミが取り上げることは少ない。

メイ社長を筆頭にビジネス方面で媒体に露出するのもそのためである。

どんな形であれまず、プロレスに興味を持ってもらうこと。

接点作りほど大切なことはないのだ。

小さな、小さな接点がいつしか認知に変わり、どこかのタイミングで興味になる。

そこで言えば、日刊スポーツやスポーツ報知などが大々的に取り上げる「プロレス大賞の授賞式」は大きなチャンスでもある。

そして、雑誌と違いWebなので写真などは残り続けるわけだ。

いつか興味を持ったファンがググったら今日、この日の写真を見ることになる。

 

内藤哲也の宣伝力

では、ここで問題。

「2018年度プロレス大賞授賞式」に登壇した選手たちを写真を見て名前を答えてみよ。

推し団体なら分かる。全員分かる。色々な回答が出るだろう。

では、「所属している団体名、ではなくユニットを答えよ」と言われるとどうだろう。ちょっと難しくなる。

全員の写真を見ると1人だけ答えを持っている選手がいるではないか。

そう、内藤哲也選手のみベルトではなく『ロス・インゴベルナブレス・デ・ハポン』のロゴが入ったキャップを持参してきた。

「俺はベルトを超えた存在だ」

この言葉を豪語した自負も確かにあると思う。

ただし、わざわざ式典にキャップを持って写真を撮られるところまで頭が回る人はそういないだろう。

企業で例えればスーツで行く授賞式に自社のロゴが入った何かしらのグッズを壇上に上がるようなものだ。

Tシャツなどカジュアルな場なら分かるが、礼装を指定されても持参する。

改めて書くと、新日本プロレスの本社で行う記者会見ではないのだ、この会合は。

だがらこそチャンピオンは全員ベルトを持参するのである。

 

悪目立ちする勇気

新日本プロレスの棚橋弘至選手は『IWGPヘビー級ベルト』、プロレスリング・ノアの清宮海斗選手は『GHCヘビー級ベルト』を持参した。

そして、他の選手たちがトロフィーを綺麗に見せる中、『IWGPインターコンチネンタル王者』内藤哲也選手はトロフィーにキャップを引っ掛けて集合写真の撮影に臨んでいる。

“制御不能”と言っても、外でお行儀が悪いと思われるのはある意味でマイナスの行為である。

だが、これも内藤哲也選手の宣伝作戦なのである。

たまたま非プロレスファンがこの写真を見た時にどう思うだろうか。

「なんでこの人キャップ持ってるの?」

「なんかお行儀悪くない?」

「調べてみたら新日本プロレスで一番人気らしい」

3つ目はちょっと飛躍したが、概ね目が一定時間止まればこう思うだろう。

最近、内藤哲也選手はゼロか100かとよく語っている。

中途半端が一番良くない、と。

お行儀よく写真に映るならタキシードを用意して、髪もビチっと決める必要がある。

技能賞で気合い入りまくりは彼の美学に反するだろう。

であれば、いつも通りの内藤哲也で授賞式に臨み、いつも通り『ロス・インゴベルナブレス・デ・ハポン』を宣伝するのが一番である。

また、プロレスラーの顔と名前が一致しない層にでもユニットのロゴはリーチすることができる。

「あのロゴどこかで見たことあるかも」

最初の刷り込みが重要なのである。

まあ、2018年は赤ロゴ、2019年は白ロゴとキャップももちろん最新版を持参している抜け目のなさだ。

今後、何か宣伝する機会がある方は内藤哲也選手を観察してみると何かの参考になるかもしれない。

全員が全員こうなるとややこしくなるが、こういった悪目立ちする勇気は大切な一歩につながるのかもしれない。

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