高橋裕二郎とデビッド・フィンレーがいない新日本プロレスの春は寂しい
高橋裕二郎とデビッド・フィンレーがいない新日本プロレスの春は寂しい。
改めて、今回の一件で身に染みた一抹の不安と新日本プロレスの体制、変化について考えてみたい。
新日本プロレス春の祭典「ニュージャパンカップ(NEW JAPAN CUP)2019」。
これまでと異なり、トーナメント優勝者に与えられるのは、「IWGPヘビー級王座」への挑戦権のみ。これにより、現シングル王者たちの参戦が可能になった。
「IWGPインターコンチネンタル王者」内藤哲也選手。「IWGP USヘビー級王者」ジュース・ロビンソン選手。「NEVER無差別級王者」ウィル・オスプレイ選手。
シングルプレイヤーとして既に結果を残しているこの3選手の動向や発言に注目せざるおえないだろう。
ただし、「ニュージャパンカップ2019」について気掛かりな点があることも事実としてある。
まずは、トーナメント表を見た瞬間に浮かんだ疑問である。
「バレットクラブ」高橋裕二郎選手の名前がない。
絶対におかしい!!!と思っていた矢先、新日本プロレスが高橋裕二郎選手の欠場を発表した。
欠場についてのお知らせには「目」という言葉があった。
以前のインタビューで柴田勝頼選手が「ものが二重に見えていた」と語るように、プロレスラーは常に怪我や負傷と背中合わせのリスクを負ってリングに立っている。
だからこそ、日常的なケアに限らず休暇が重要だとも僕は思っている次第だ。
そして、今回デビッド・フィンレーが肩の負傷により欠場することが発表された。
僕はアンラッキーという言葉では済まされないほどに、今回の欠場を残念に感じていた。
LIFE BLOODが生んだ飛躍
2019年1月、デビット・フィンレー選手はジュース・ロビンソン選手と共にROHで新ユニット「LIFE BLOOD」の結成した。
それまで僕の中でデビット・フィンレー選手と言えば、お父様が凄い。ジェイ・ホワイト選手とジュース・ロビンソン選手にベルトとという意味で一歩先を越されてしまったというもの。
ポテンシャルは高い分、何かトリガーがあれば覚醒すると思っていた。
それが「LIFE BLOOD」だった。
結成から約1ヶ月半という期間にも関わらず久しぶりに新日本プロレスマットで魅せた試合は別人か?と思うほどだった。
身体も絞っており、「LIFE BLOOD」に懸ける気持ちがヒシヒシと伝わってきた。
そんな矢先の負傷である。とても残念で仕方がない。
うん。辛い、悔しい。アメリカでの成長をシングルでも見られると思っただけにとても残念である。
悲しみの東京ピンプス
オカダ・カズチカ選手VSAJスタイルズ選手の「IWGPヘビー級選手権試合」で「CHAOS」を裏切った高橋裕二郎選手。
その時に生まれた言葉が「裏切りの東京ピンプス」である。
2019年の「ニュージャパンカップ」は高橋裕二郎選手にとって非常に意味のあるトーナメントだった。
2年連続でジュース・ロビンソン選手に敗退。この事実は、高橋裕二郎選手をこよなく愛する僕にとっては1000のナイフが胸を刺すが如く、奥歯を噛みしめる出来事であった。
その後のジュース・ロビンソン選手と棚橋弘至選手の試合は凄かったので、満足はしていますが。
「バレットクラブ」へと帰還し、いよいよこれから高橋裕二郎選手の春が訪れる。
そう思って「ニュージャパンカップ」の対戦カードを見てみると、どこを探しても名前がない。
新日本プロレスの箱推し(SHO選手はゴリ推し)のNJWPFUNではあるが、高橋裕二郎選手のエントリーが無いとなれば話は別である。
年に数度しか無い貴重なシングルマッチの機会を奪わないで欲しい。ジュース・ロビンソン選手にリベンジする機会を与えてほしい。
「IWGP USヘビー級」初の日本人王者は「バレットクラブ」初の日本人メンバーにこそ相応しい。
だが、高橋裕二郎選手は目を負傷していた。歴戦のダメージはどこに現れるのか分からない。
直接的にあの試合が原因でという感じはなかった。おそらく長年蓄積されたダメージが表面化した結果なのではないだろうか。
ダメージは休息を取ることで緩和されるものでもある。しっかりと休んで元気でニヤニヤしている高橋裕二郎選手の姿を楽しみにしている。
その時の復帰戦こそはマイアミ・シャイン、ピンプジュースからの東京ピンプスというフルコンボを見たいものだ。
怪我との付き合い方
内藤哲也選手や棚橋弘至選手が以前に「プロレスラーはどこかしら怪我をしている」と語っていた。
ハードコンタクトなジャンルであるため当然といえば突然なのだが、多少の我慢がつきものの職業なのかもしれない。
2017以降、新日本プロレスは長期欠場に至る選手が例年と比較して急増していたように思う。
特定の選手名は書いたりはしないが、今でも復帰を果たしていない選手はいる。
当たり前のようにリングにいることは、当たり前ではないのである。
だがらこそ1試合、1試合に対してもっと応援していきたいと思った。
高橋裕二郎選手とデビット・フィンレー選手のいない「ニュージャパンカップ2019」は寂しい。
寂しいからこそ、もっと楽しもうと思う。