新日本プロレスの多角的な課金導線が面白い

2018年10月頃から新日本プロレス公式スマホサイトが面白い。

特に年末から2019年に掛けては各ページの改修や導線の作り方の変化が顕著になった。

例えば、これまで会員限定だったレスラーのインタビュー記事は序盤が一般公開されるようになったし、遷移するリンクも分かりやすくなった。

時折開催されていたプレゼント企画は毎月になり、キャリア決済以外でも課金できるようになった。

また、ユーザー課金に加えて、Google AdSenseの貼り方も工夫されるようになっている。

これは明らかに外部パートナーに発注を始めたか、採用ページに出していた社内SE、あるいは人材エージェント経由でディレクターorデザイナーを採用した可能性が高い。

DDTはサイバーエージェントの資本が入って以降、Webページがとてもリッチになった。

そもそも団体に興味がなければ、Webページを見ることはない。UIが洗練されているか否かについては、極論コンテンツが魅力的であれば大きな変化はないわけだが、回遊率などを考えれば最先端の仕様にしてマイナスはない。

新日本プロレスは世界2位の団体である。

ここから更にユーザー数の拡大を図るのであれば、Webに関しても整える必要があると言えるだろう。

新日本プロレスの多角的な課金導線が面白い。今回は新日本プロレス公式スマホの魅力や改善点について考えてみたい。

f:id:yukikawano5963:20190304010912p:plain

課金モデルの充実化

僕が新日本プロレスにハマってからユニークだと思った一番の点はとにかくWebに関して課金導線が多いことである。

まずは新日本プロレスワールド、次に公式ファンクラブ、最後に公式スマホサイトだ。

新日本プロレスワールドについては説明不要だろう。

最新の試合やこれまでの軌跡をストリーミングで再生ができる。

配信システムにウリザを使用しているため(悪い意味ではない)、解決できない点(追加開発のコスト)やこれまでに登録したタグの見直しには膨大な予算が掛かる。

これは一例だが、ミラノコレクションA.T.さんとミラノ先生という独立したタグが存在していたり、選手の氏名の間にスペースがあったりして、検索の際に引っかからないこともある。

これはユーザーが他のサービスでもいいよ?と思っている場合には改善すべき点だが、新日本プロレスワールドについては当てはまらない。何故ならば、外部で配信していない独自コンテンツに特化しているため、ユーザーの浮気先(他ジャンルや他の団体のストリーミングサービスを除く)がないためである。

独自コンテンツを自社で抱えている強みはここにあるのだ。

新日本プロレスにはまっている限り退会する理由がないし、多少UXに見直す点があったとしても、コンテンツ力だけで勝つことができるのだ。

 

ファンクラブ

ここからがユニークな点だ。ファンクラブと公式スマホサイトの会員が独立している。

データベースで連携もしていないだろうし、双方に入っているのか、それともどちらかだけなのか?という分析は目を瞑っている印象がある。

住み分けはシンプルだ。

ファンクラブはチケットを優先的に購入でき、会報が届く。

新日本プロレス公式スマホサイトは試合やバックステージの速報。所属レスラーの日記、独自インタビュー、寄稿によるコラム記事、今後のスケジュールなどである。

付け加えるのであれば、闘魂ショップもある。

個人情報を様々な角度から収集しているため、データベースで何かあった時にコストが掛かりそうだ。

少し話が逸れた。

一般的に考えればファンクラブ限定コンテンツとして、Webのインタビュー記事は公開してもいい気がしている。

ファンクラブの年会費はレギュラーで5150円。月額に換算すれば、429円と決して高い金額ではない。

ただし、自分が行ける範囲でのチケットと会報だけで、315円で加入できる新日本プロレス公式スマホと同じだけバリューを出しているのかと考えると、難色を示す方もいるだろう。

統合の難しさ

新日本プロレスワールド、ファンクラブ、公式スマホサイト。

全て加入していると月額換算で1744円の出費が起こる。

試合の動画が見れて、チケットが取れて、インタビューが読める。実質無料でしょ!という見方もあるが、一般的なサービスで考えればかなり高額の部類には入るのだ。

新日本プロレスの売上が過去最大を記録した裏側にはここの数字が大きいと僕は睨んでいる。

以前はチケット代、グッズ代、ファンクラブ会費だったところに、ワールドと公式スマホサイト会員の月額が乗ってくる。

サブスクリプションモデルの収益性については、以前にも記事にしたが、新日本プロレスはこの点でのビジネス展開が非常に面白い。

ハマれば複数のサービスに登録するだろうし、興味が冷めれば全て退会する。

ただし、プロレスは沼でありそう簡単に離れることができない魅力があるのだ。

 

Webでも最高を目指して

僕は新日本プロレスを楽しむための必要経費として、新日本プロレスワールドと公式スマホサイトに登録している。

これは、一社に対して毎月払っているお金としては最大になる。

AmazonやNetflix、Apple Music。様々な課金サービスが存在するが、ここまで予算を割いているものはない。だからこそ思うわけだ。

数字を分析して、ユーザーが閲覧するであろうコンテンツ制作により一層邁進して欲しい、と。

例えばGK金沢さんのコラム。一つの記事だけでお金を払ってもいいと思えるほどのクオリティだ。

一方で、閲覧していないコンテンツもある。これは終了して他に予算を配分して欲しいという話ではない。

数字と照らし合わせてクオリティを上げて欲しいというメッセージだ。

新日本プロレスというプラットフォーム場で配信しているメッセージは全て価値がある。

ただし、興味関心に至らないものも中にはあるというのも事実としてある。

幸いWebは顕著に数字として現れる。この点を改善し、より一層面白いコンテンツを配信することができれば、新日本プロレスはこれまで以上の成長曲線を描くだろう。

ここまで書いたが、僕はこれからも新日本プロレスを応援し続ける。

だって、どんなに選手が離脱しても新しく紡がれていく物語にはワクワクしているのだから。

→人気プロレスブログはここからチェック!

→NJPW FUNのTwitterフォローはこちら