新日本プロレスの新卒採用会社説明会が素晴らしかった3つの点

新日本プロレスが2020年度新卒採用会社説明会を後楽園ホールで開催した。

夢を見る側から、魅せる側へ。新日本プロレスに入社する意義を分かりやすく伝えるキャッチコピーが胸を打つイベントは午前11時からスタートした。

主要コンテンツは大きく3つ。

ハロルド・ジョージ・メイ社長による会社説明プレゼン。棚橋弘至選手が語った「社会で求められる人物像」。

最後に新卒採用会社説明会を記念したスペシャルな試合である。

僕はYouTube Liveでこのイベントを拝見していた、非常に面白いと思っていた。

あんまり言うとでもないが、僕は人事担当として、新卒採用の経験を経て、採用市場で年間ご飯を食べてきた人間である。

採用する側も採用を支援する側も経験し、現在もそういった仕事を依頼されている。

そうした経験から企業の採用活動という軸で、新日本プロレスが行った新卒採用会社説明会について考えてみたい。

まずは、メイ社長が行ったスピーチからだ。トリリンガルという範疇を超えた流暢な日本語で今の新日本プロレスの魅力をじっくり語っていた。

新日本プロレスの新卒採用会社説明会が素晴らしかった3つの点を紐解いてみる。

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敏腕社長の名スピーチ

コカコーラ・ジャパンやタカラトミーで豪腕を振るってきたハロルド・ジョージ・メイ社長。今回の会社説明会でもその手腕を発揮していた。

正直、僕がメイ社長が出てくるだろうとは予想していた。ただ、これは決して当たり前の光景ではない。

人事責任者やボードメンバーではなく、現在のCEOが“転職者目線”で新日本プロレスの魅力を語ったのである。

今でこそ創設者との距離があるものの、新日本プロレスは歴史と伝統ある企業だ。

会社が生まれたキッカケや理念は当時と今で大きく変わっている。であれば、今の新日本プロレス株式会社が伝えるべき魅力とは何なのか。

この点にフォーカスしつつ、メイ社長は聴き取りやすいスピードと話し口調で一人ひとりに語りかけた。

オフィスが目黒駅直結。雨に濡れずに出勤できる。朝は少し遅めの10時スタート。

総合職採用であるため、配属後のポジションは未定。であれば、立地や諸条件は会社が持つブランドや給料の次に大切な項目である。

そして、何よりも時間を割きつつ、繰り返し話していたのが2つの点だ。

まずは、業界のオピニオンリーダーであり、新しいことを求められ、新しいことをする会社であるということ。

次に、グローバルでありダイバーシティな職場であるということだ。

旧態依然とした体質ではく、新しいことを生み出す環境が新日本プロレスにはあるということ。

これから仲間に加わる若者に期待するのは、業界や固定観念に縛られた小さいアイデアではない。新しく、ユーザーが喜び、利益が生み出せるサービスを実行する能力だ。

だからこそ、繰り返し社員は新しいことができる点を主張してきた。また、今回の新卒採用は卒業後3年以内就業経験がない方も含まれる。

ここで狙っているのは海外の大学に行っていた帰国子女層だろう。

新日本プロレスの新卒採用戦略に抜かりはない。ターゲットは明確であり、必要な人物像もシンプル。

新しいことがしたい人。新しいことができる人は。

未来の新日本プロレスにどんな社員が加わるのか楽しみだ。

 

なぜ、エース・棚橋弘至だったのか

大学生には大学生卒業生を。ということで、立命館大学卒の棚橋弘至選手をスピーカーに抜擢してきた。

これまでいくつもの書籍を出してきた棚橋弘至選手。噛んだ?ことを含めて。彼らしいスピーチだったように思う。

彼は「生まれた時から疲れたことがない」と語った。そして、こういったことを言う人の方が頼られる存在になれると言い放った。

確かにそうなのだ。

某元・プロレスラーが団体のスカウトを受けつつ、企業の面接を受けた際、40代の社員がガッカリ肩を落としながら電車に揺られている姿を見たという。

そこで、自分もこうなりたくないと思い、プロレスラーの道を決意したらしい。

棚橋弘至選手を除いて、人間とは疲れるものである。それはそうだ。疲労感なんて常に付きまとっている。

だが、「疲れてません」と語り笑顔で挨拶する。

これだけで他人に与える心象は素晴らしいものになるのではないだろうか。

少なくとも僕は爽やかな笑顔でいつも元気そうな人を見たら羨ましいと思うし、自分も襟を正さねばと思う。

なぜ、新日本プロレスは棚橋弘至選手をスピーカーに抜擢したのか。答えは簡単である。

あなたたちが一緒に仕事をするプロレスラーとはどんな存在で、どんな思いで試合をしているのかを伝える。

そして、改めて新日本プロレスが欲しい人物像を明確化させる。

エースとは団体の顔、つまり社員の顔である。辛い時に踏ん張れる。周りにいい影響を与えられる。

そんな人材が欲しいというメッセージを棚橋弘至選手を通じて伝えたわけだ。

あの日、長州力さんが大学三年生の棚橋弘至青年にアドバイスを贈ったことで、生まれたこの日の説得力。何事も最後までやり遂げることが大切なのだ。

 

最高の2試合

新日本プロレスの新卒採用説明会がYouTubeでもライブ配信されるということで、僕は友人の人事担当者に共有してみた。

URLを開いた友人は「なんだこれ!?」とビックリしていた。

新卒採用説明会が後楽園ホール。リングの上で試合までしている。これは一体なんなのだ、と。

だが、驚いた一方で学びも沢山あったらしい。まずは、自社の商品・サービスを明確に伝えることができること。

次にタイムシフトを通じて説明会が一回で済む点である。

新日本プロレスが利益を出すためには、「いい試合」が必要不可欠だ。

では、未来のスターや現在のスターの試合について伝えるのは最もすべきことだろう。

正直、エル・デスペラード選手、金丸義信選手、TAKAみちのく選手とSHO選手、YOH選手、ロッキー・ロメロ選手の名前がコールされた時には驚いた。

ロッポンギ3Kは、現IWGPジュニアヘビー級チャンピオンである。そんな彼らが新日本プロレスの新卒採用会社説明会に登場した。この意味は余りにも深い。

「鈴木軍」のラフファイトに手を焼きつつも、最後はSHO選手、YOH選手、ロッキー・ロメロ選手のコンビネーションで勝利を掴んだ。

国籍も年齢も関係ない。勿論性別も関係ない。それぞれがチームのことを考え、理解することで、大きなことを成し遂げられる。大切な成功哲学をメインイベントを通じて伝えたように思う。

まさに新日本プロレスの新卒採用会社説明会にいい風が吹いた。

新日本プロレスはマイナビにて新卒採用を行なっている。今しかできない体験ができる会社でキャリアをスタートできるのは、非常に贅沢な経験になるだろう。

ぜひ、エントリーシートを提出してみて欲しい。

最後に。

もしも、「ロス・インゴベルナブレス・デ・ハポン」内藤哲也選手がリングの上に立ち、これから社会に出る若者たちに言葉を贈るとしたらどんなメッセージになったのだろう。

プロフェッショナル仕事の流儀にプロレスラーとして初めて出演した内藤哲也選手。怪我や会場での支持など、いくつもの苦難を乗り越えた内藤哲也選手は何を伝えたのだろう。

新日本プロレスは新しいことをする人間を求めていると語った。

こういった場に内藤哲也選手を引っ張り、「一歩踏み出す勇気」、「変わることの大切さ」を語って欲しいと手を挙げる新卒社員が台頭してきても面白いと僕は思った。

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