SANADAがイチロー元選手をオマージュした理由

SANADAは「ニュージャパンカップ2019」を制すことができるか?

新日本プロレスファンが今もっとも気になっているのは「ロス・インゴベルナブレス・デ・ハポン」の伊達男による春の制覇だろう。

一回戦で「ニュージャパンカップ」三度優勝の“春男”後藤洋央紀選手を破り、二回戦で宿敵・鈴木みのる選手を倒した。

そして、三回戦ではテクニシャン・コルト・カバナ選手を破り準決勝へと駒を進めた。

そして、棚橋弘至選手を打ち破り、待ち受けるのはオカダ・カズチカ選手である。

完全無欠の「IWGPヘビー級王者」として、防衛ロードを突き進んでいたオカダ・カズチカ選手をギリギリまで追い詰めた印象のある SANADA選手。

身体能力とテクニックを武器にする SANADA選手が、明らかに展開を考えながら試合を優勢に進めていた「IWGPヘビー級選手権試合」は記憶に新しい。

そんな2人が春の頂上で激突する。

一体どちらが勝利を掴むのか。圧倒的な好勝負が行われる前に、 SANADA選手VS棚橋弘至選手を振り返ってみたい。

また、SANADAがイチロー元選手をオマージュした理由についても考察してみる。

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棚橋弘至の底の深さ

棚橋弘至選手は底が知れない。長岡は SANADA選手がはじめて告白をした土地であり、「I LOVE NAGAOKA」Tシャツが販売されるほどの土地だ。

そこで自分への歓声を求めようとしても流石に無理がある。それを承知で会場のファンに対し、歓声を求めた。

この棚橋弘至選手を見ていて、僕は矢野通選手との抗争を思い出していた。

矢野通選手初となる「IWGPヘビー級選手権試合」だ。

あの日、棚橋弘至選手はコスチュームを黒に染め、顔にもペイントをして姿を現した。

「キラー棚橋」というフレーズを代名詞にヒールに徹する。悪には悪で立ち向かう。そんな表現を見せた。

ベビーフェイスでいながら二面性を持つ棚橋弘至選手だからこそ、 SANADA選手を徹底的にベビーフェイスとして引き立てる試合ができたのだと思う。

SANADA選手はベビーフェイスでもヒールでもない「ロス・インゴベルナブレス・デ・ハポン」に身を置いているが、ラフファイトをほとんど行わない。

ビジュアルとクールな佇まいというだけでその本質はベビーフェイスにある。

そんな彼の個性を棚橋弘至選手はとことん際立たせた。

武藤敬司選手の付き人という共通のバックボーンを持ち、同じ技を使用する2人。

一見すると対立構造が見えにくくもある。そこに対し、自身がヒールとなることで、 試合を明確化させたのだ。

改めて考えると髪型もいつものポニーテールとは少し違う。

ビジュアルからもメッセージを発信するのが棚橋弘至選手だ。

「今日の棚橋は一味違うよ」

そんなメッセージを髪型からも表現していたのだから素晴らしい。

また、頭から落とす技もまったく無かった。新日本プロレスのエースと天才の共演は派手な技がなくても盛り上げることを証明した。

 

流行ってるやつ

SANADA選手は棚橋弘至選手を撃破した後「流行ってることをやっていいか?」と語りスマホのライトを点灯させた。

スマホのライトとはすなわちカメラのストロボを意味する。そして、「でも、やっぱりが嫌い」だと前置きし、改めて長岡への愛を語った。

そして、バックステージでは「俺からのギフト」とだけ残しロッカールームへと姿を消した。

これはまさに、世界中から惜しまれつつも引退した、「シアトル・マリナーズ」イチロー元選手の記者会見をセルリアンブルーのマットでオマージュした形だろう。

なぜSANADA選手はイチロー元から選手を意識したのだろうか。その答えはイチロー元選手がプロ初のホームランを打ったのが「新潟県長岡市の野球場」である『長岡市悠久山野球場』だからだ。

SANADA選手が中学時代に籍を置いていたのは野球部。ただ、話題性があるからという意味だけで、あんなパフォーマンスをSANADA選手がするのかと言えば答えはNOだろう。

彼なりのリスペクト。彼なりの愛情表現。彼にしかできないもう一つの告白があったように思う。

 

新日本プロレスの春は誰の手に

改めて「ニュージャパンカップ2019」の決勝戦はオカダ・カズチカ選手VS SANADA選手に決定した。

同学年で新日本プロレスからプロレスラーのキャリアをはじめていない2人が運命のリングで相見える。

1人は新日本プロレスの入門テストを落選し、全日本プロレスへ。もう1人は中学を卒業後、メキシコへと旅立ちウルティモ・ドラゴンに見出され、新日本プロレスの入門テストを受けずにヤング・ライオンとなった。

出自の違う2人が運命的に新日本プロレスで出会い、激突する。

オカダ・カズチカ選手は棚橋弘至選手と金VS愛を行い、内藤哲也選手と金VS夢という構図を作ってきた。

現在では過去最大の業績を叩き出している新日本プロレスにおいて、金の雨を降らせたオカダ・カズチカ選手の功績は余りにも大きい。

ただ、そこに待ったを掛けるのが、全国各地で「日本で一番好き」だと語るプレイボーイだというのだから面白いではないか。

金VS好意。文字にするとお金が好きみたいで違和感があるが、 SANADA選手の胸中にあるのはLOVEである。

ある意味で第二次金VS愛の戦争とも言えるだろう。

オカダ・カズチカ選手は「CHAOS」のメンバーを超え決勝にやってきた。

SANADA選手は一回戦で後藤洋央紀選手。三回戦で矢野通選手を破ったコルト・カバナ選手を撃破し、決勝へと駒を進めた。

ここで SANADA選手が勝利を掴めばある意味で「CHAOS」を全員倒したという見方もできなくはない。

だからこそオカダ・カズチカ選手は負けるわけにはいかないのだ。

SANADA選手が新日本プロレスの勢力図を書き換えるか。オカダ・カズチカ選手がジェイ・ホワイト選手の待つ頂への切符を手に入れるのか。

決戦の日は今日。まさにSee You Tomorrowである。

長岡に青春ハリケーンが巻き起こるか。今から楽しみである。

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