新日学園内藤哲也物語の感想を3つのポイントで解説してみる

「HIGHER AND HIGHER! 新日学園内藤哲也物語」が2019年3月28日に発売となった。

新日本プロレスのレスラーたちが多数登場する本作品は、「ファクションーと呼ばれるストーリーテーリングを行なっており、非常に読んでいて面白い。

新日本プロレスの主役である内藤哲也選手を中軸に、事実(ファクト)として存在した会話やエピソードを学園という舞台(フィクション)にアレンジすることで、新しい発見が生まれている。

「HIGHER AND HIGHER! 新日学園内藤哲也物語」の作者は広く。さん。『プ女子百景』でご存知の方も多いかもしれない。

また、新日本プロレスが監修にも入っている。

本作品の魅力は今、新日本プロレスに興味を持った方が読んだ時に漫画として楽しく歴史を学べる点がある。

名称や退団した選手の名前こそ伏せられているものの、ほぼ史実がベースにあるため内藤哲也選手は天下へと上り詰める流れが分かる。

また、これまでの新日本プロレスや内藤哲也選手を応援してきたファンが読んでもここであの選手が登場するな?だったり、知らなかった発見もあったりする。

ファンに長いも短いもない。どちらの方でも勿論、プロレスにまだ興味がない方が読んでも楽しめる一冊が出来上がったのだ。

ここからは若干のネタバレを含みつつ、「HIGHER AND HIGHER! 新日学園内藤哲也物語」の感想を3つのポイントで解説してみたい。

そもそもお話は史実がベースにあるが、作品も真っさらな気持ちで楽しみたい!という方はここで残念ながらお別れとなる。それでも大丈夫という方、もう読んだよ!という方はお付き合いを。それではいってみよう。

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ストーリーのおさらい

舞台は新日学園。

「ロス・インゴベルナブレス・デ・ハポン」“制御不能なカリスマ”内藤哲也選手が入学し、棚橋弘至選手と激突し、オカダ・カズチカ選手が“レインメーカー”として、現れメキシコへと飛ぶ。

現在はこれまでの雰囲気から一新した内藤哲也選手が新日学園を制御不能にかき回すという展開になっている。

これまでWebで掲載されていたが、単行本化に伴い大半のエピソードが削除されてしまった。

残念なことではあるが、もう一度読みたいと思った方は書籍に手を伸ばすと思うのでいい戦略だと思う。

大まかなストーリーは書いた通りだが、細かなサブエピソードも勿論盛り込まれている。

「ロス・インゴベルナブレス・デ・ハポン」に加入した2人のヤングライオンの過去だったり、内藤哲也選手と以前タッグを組んでいたあの選手だったり。

ガッツリと描いているわけではないが、1シーンに重みがある。そんな構成が実に素晴らしいのだ。

ここからは「HIGHER AND HIGHER! 新日学園内藤哲也物語」の楽しみ方を僕なりに紹介したい。

 

【1】キャラデザがいい

広く。さんが描いた新日本プロレスのレスラーたちのキャラクターデザインが素晴らしい。

特徴を抑えつつ、大胆にデフォルメされたキャラクターは名前を名乗らずとも誰か分かるほどに洗練されている。

作中で後藤洋央紀選手と柴田勝頼選手が登場するシーンがあるのだが、どう見ても内藤哲也選手の1つ上の学年には見えない。むしろ高校生にも見えない。

魁!!男塾で体感した「いやいやいや」という気持ちが浮かびつつ、単純なカッコよさもあるため、非常に見応えがある。

またEVIL選手や髙橋ヒロム選手のヤングライオン時代にも注目だ。頼りなさそうな雰囲気で登場した彼らが再登場を果たす時にどんな姿で現れるのか(第1話で登場しているが)。

そして、度々登場する飯伏幸太選手。優しい雰囲気を醸し出しつつも、ニヒルな表情を浮かべる様がなんともキャラクターを抑えている印象わ受けた。

また、棚橋弘至選手が非常にかっこよくヒーローとして描かれているのも印象的だ。逆にオカダ・カズチカ選手は時代的にヒールとしての魅力を発揮している。

ちなみに、Web版ではちょうど「ロス・インゴベルナブレス・デ・ハポン」編がスタートしたところ。これからメンバーが次々と現れるため、ぜひチェックいただきたい。

【2】実際の試合が見たくなる

「HIGHER AND HIGHER! 新日学園内藤哲也物語」では、ホールやドームという単語が飛び出しつつ、実際に行われた試合が再現されている。

内藤哲也選手がブーイングを浴びた試合や棚橋弘至選手、オカダ・カズチカ選手との決戦など色濃く描かれているため、実際の試合がもう一度見たくなる。

そんなあなたには「新日本プロレスワールド」がオススメだ。

僕は新日本プロレスの回し者でもPR記事でもないため、ここらで宣伝は止めておくが、激闘を改めて見たいと思うキッカケになると思っている。

 

【3】短時間で楽しめる

漫画は素晴らしい。活字や文献を漁っているとあっという間に時間がなくなってしまうが、漫画であれば短時間でインプットができる。

この一冊だけで内藤哲也選手が新日本プロレスに加入した経緯やその裏側に存在した葛藤などが分かるのだ。

ここは非常に大きな点だと思う。

漫画で楽しむ新日本プロレス

「HIGHER AND HIGHER! 新日学園内藤哲也物語」は新日本プロレスファンであれば当然、ファンじゃなくても楽しめる作品になっている。

今回発売された1巻には「HIGHER AND HIGHER! “運命”の10月10日」や書き下ろし漫画「新日学園DAYS」などの漫画が収録されている。

前者はシリアスに後者はコミカル。どちらも楽しめる展開となっていた。

また、内藤哲也選手のインタビューが収録されていたが、こちらも読み応えバッチリだ。

本作の感想だけでなく、あの技についてまで語っていたからビックリだ。

僕はKindle版を購入したのだが、書籍版であれば人に貸すこともできるなと少し後悔した。

これから購入される方は布教の意味を込めて両方買うことをオススメしたい。

いや、矢野通選手風に言えば「1000冊買え!」と言ったところだろうか。

是非、チェックして欲しい本作は好評発売中だ。

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