海野翔太と成田蓮。新日本プロレスの未来に向けた2人の対比

海野翔太選手が「ニュージャパンカップ2019」にエントリー。まだ早いという思いとは裏腹にある種の期待を持ってしまう僕がいた。

僕が心から愛する高橋裕二郎選手。彼のいない新日本プロレスは非常に寂しく、何か一つ物足りない感覚もある。

そんな日常に大きな期待を抱かせたのが海野翔太選手だった。

過去から現在に至るまで、新日本プロレスにおいて海外遠征は重要な意味を持つ。

川人拓来選手、現グレート・オー・カーン選手が海外遠征に旅立った今、次は海野翔太選手だという機運が高まっていた。

だが、大番狂わせが起こるチャンスが訪れた。もしも、一回戦で激突する新日本プロレスのエース・棚橋弘至選手に勝利を納めることができれば、今後の運命は大きく変わる。

また、棚橋弘至選手は「ニュージャパンカップ」とすこぶる相性が悪い。2018年こそ準決勝へ駒を進めたものの、一回戦負けも珍しくない。

もしもここで、海野翔太選手が勝利することがあれば、海外遠征をすっ飛ばしてヤングライオンを卒業する可能性すらある。

吉田綾斗選手が新日本プロレスとの距離を取った今、個人として価値を高めるには今しかないのである。

そして、もう1人の主役である成田蓮選手も前座戦線を戦う中で存在感を高めていった。

「オレを『ベスト・オブ・ザ・スーパージュニア』に出してくれ」

同期である海野翔太選手に空けられた溝。この溝を埋めるためにもがき苦しみ、光を放つ姿があった。

f:id:yukikawano5963:20190328110436p:plain

棚橋弘至との贅沢な一回戦

「ニュージャパンカップ2019」での棚橋弘至選手と海野翔太選手の試合は好勝負に終わった。

よく目にする光景である数分以内に終わる先輩の可愛がりでもなく、絶対に勝てない勝負だと感じることもない。

「ひょっとしたら勝っちゃう可能性もゼロじゃないかも」

そんな雰囲気の流れる試合になったのである。闘志に対してスカすことなく、がっつりと付き合う。

海の向こうを目指したKUSHIDA選手は新日本プロレスラストマッチで、ようやく棚橋弘至選手と対角線に立つことができた。

そう考えれば若手のこの時期に今の棚橋弘至選手と戦うことができるだんて、なんて素晴らしいことなのだろうか。

ヤングライオン全員がジェラシーを抱くのも無理はないのである。

 

どうなる海外遠征

真っ赤な炎が背中に見える海野翔太選手だが、いよいよ海外遠征の時期が迫ってきたという見方もある。

個人的な意見としては、もうどこのタイミングで行ってもおかしくない。

川人拓来選手は「ベスト・オブ・ザ・スーパージュニア」の最終日、グレート・オー・カーン選手もその直後に渡英しているため、残すところあと数ヶ月と言ったところだろうか。

ただし、こういった見方もある。棚橋弘至選手のように海外遠征には行かないのではないか、と。

現在、海野翔太選手は新日本プロレスのヤングライオンにおいて破格の扱いを受けている。

新日本本隊から「ロス・インゴブレナブレス・デ・ハポン」、「バレットクラブ 」、「鈴木軍」と対戦相手が毎試合のように変わる。

また、オカダ・カズチカ選手と棚橋弘至選手と同じコーナーにも立った。

飛び級も飛び級という扱いであり、新日本プロレスとしては彼の力量を図っているという感じもする。

例えば「G1クライマックス」に初エントリー。1試合目に姿を現わすと、コスチュームが黒パンツではなくなっている。また、髪も染めている。

こんな展開も期待できるのではないだろうか。昨年と比較して最低でも2名の枠が「G1クライマックス」には空いている。

「ニュージャパンカップ」とは異なり、第3世代の数名が夏の最強戦士決定戦から引退を宣言しているため、新しいチカラに期待せざるを得ないのだ。

共に「ワールドタッグリーグ」へ出場した吉田綾斗選手はおそらく新日本プロレスと距離を置いた。

ここからは1人で新日本プロレスの頂点を目指す必要もあるし、彼とのライバルストーリーも消えたわけだ。

では、もう1人の主役はどうか。青い炎が燃えている成田蓮選手である。

スーパージュニアに出場できるか?

成田蓮選手の今後を占う上て大きな局面となるのが、「ベスト・オブ・ザ・スーパージュニア」へのエントリーだろう。

先ほど海野翔太選手について海外遠征がない可能性があると書いたが、成田蓮選手に関しては海外遠征は必須である。

その背景には、彼の持つ特異性があると言えるだろう。

ヤングライオンとは何か。真壁刀義選手は「気持ちを見せること」だと語った。ロープワークや技すら必要ない。とにかくファイティングスピリッツを見せるのが新日本プロレスのヤングライオンだ、と。

海野翔太選手、辻陽太選手、上村優太選手。この3人に共通しているのはいわゆるヤングライオンのイメージにピッタリだということだ。

心から叫ぶ、闘志を見せる。シンプルに今、自分ができることを表現している。

だが、成田蓮選手は何かが違う。

まず、元々の性格もあってか気持ちが前に出にくい。そして、“成田スペシャル”と呼ばれるフロントスープレックスへのこだわりを見せている。

従来のヤングライオンとは違った道を歩んでいるにも関わらず、試合には継続して出場しているし、リングの上では活躍しているのだ。

特異な存在だと思わないか。そう、海野翔太選手と対局に位置するかのような育ち方をしている気がしてならない。

髙橋ヒロム選手はヤングライオン時代全てを演じていたと後に語った。

であれば、海外で全てを変えた成田蓮選手が一歩前を歩んだ同期に向けて挑戦していく物語が紡がれても面白いのではないだらうか。

ルパンブルーのようなクールでキャラ。自信満々にスーツで入場。スープレックスと関節技、打撃で攻め立てるスタイルに変貌を遂げると更に面白い気がしている。

イギリス、アメリカ辺りでの海外遠征を期待したいところだ。

 

スター候補と躍動

2019年、新日本プロレスは激動の一年になるだろう。「IWGPヘビー級王座」には“ガイジン”レスラーとしての最年少であるジェイ・ホワイト選手が輝いているわけで。

そもそもイッテンヨン「レッスルキングダム13」ではすべてのベルトが動いたのだから、この一年は何が起きても不思議ではないと言えるのだ。

そんな激動の天気が続く中、ヤングライオンたちは激しいスコールを浴びてすくすくと成長を遂げているわけだ。

今から彼らをチェックして、成長したなぁと楽しむもよし。未来ですごい選手だ!と楽しむもよし。

新日本プロレスの未来は2つの炎で熱く、熱く照らされ続けるはすだ。

→人気プロレスブログはここからチェック!

→NJPW FUNのTwitterフォローはこちら