後藤洋央紀がいよいよ新日本プロレスの頂点へと上り詰める

オカダ・カズチカ選手が第69代「IWGPヘビー級王座」に返り咲いたことで幕を閉じた新日本プロレスのMSG「G1 SUPERCARD」。

ジェイ・ホワイト選手との因縁に決着がつき、新チャンピオンとして、再び追われる川となったオカダ・カズチカ選手だが、ある種の課題がつきまとう。

全32選手がエントリーした「ニュージャパンカップ」を制したどり着いた新日本プロレスのテッペン。2016年から2018年に掛けてV12を達成し、次のライバルが不在という見方もある。

最初のチャレンジャーは「ニュージャパンカップ」の決勝戦で雌雄を決したSANADA選手。これは例年、「ニュージャパンカップ」の準優勝者が「IWGPヘビー級王座」に挑戦していた実績があるため、ある種のジンクスだと言えるだろう。

と、思っていたら今後の対戦カードが発表された。「レスリング火の国 2019」4月29日熊本・グランメッセ熊本、後藤洋央紀選手VSジェイ・ホワイト選手のスペシャルシングルマッチである。

各タイトルマッチがメインイベントを飾る中、あまりにも新鮮で期待しか持てない対戦カードだ。

この試合を制した者が、次のIWGPヘビー級チャンピオンに挑戦する。そんな期待がしてならないのだ。 

後藤洋央紀がいよいよ新日本プロレスの頂点へと上り詰める。いよいよ「時は来た」。

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荒武者の時代

ここからは後藤洋央紀選手がブレード・ランナーを切り返し、出せば決まる百発百中、問答無用、天下無敵の「後藤式」でジェイ・ホワイト選手を破ったという前提で話を進めたい。

オカダ・カズチカ選手とSANADA選手の「IWGPヘビー級選手権試合」の勝者がどちらでも後藤洋央紀選手にとっては因縁があるのである。

SANADA選手は今回の「ニュージャパンカップ」で春男を沈めた。オカダ・カズチカ選手に至っては同じ「CHAOS」になって以降、因縁めいた物はなくなったが、後藤洋央紀選手が新日本本隊に籍を置いていた時は常にベルトを懸けた死闘を繰り広げてきた。

本音だけ言えば、オカダ・カズチカ選手から後藤洋央紀選手が「IWGPをヘビー級ベルト」を奪取することに深い意味があるように思う。

ただし、直近の防衛記録を見ていると、オカダ・カズチカ選手に不利な結果が出ているのだ。

 

続く防衛0

2019年以降「IWGPヘビー級ベルト」を戴冠した棚橋弘至選手とジェイ・ホワイト選手は共に、一度も防衛できずベルトを手放す結果となっている。

1987年に初代「IWGPヘビー級王座」に輝いたアントニオ猪木さんの歴史から紐解くと、防衛数ゼロが2度続いたのは一度しかない。

第4代〜6代ビックバン・ベイダー、サルマン・ハシミコフ、長州力。1989年から90年という時代だ。

つまり、今回オカダ・カズチカ選手が破れることがあれば、30年ぶりの記録となる。

ちなみに防衛数0が2回で止まった歴史はない。

令和に突入するこの時代。歴史は繰り返すという言葉があるが、ひょっとするとひょっとする可能性もあるのである。

 

覚醒の荒武者

ここ数ヶ月、後藤洋央紀選手の戦い方は大きく変わった。2018年終盤に長年寄り添った「NEVER無差別級ベルト」を手放したあの日以前と以降で纏っている雰囲気が変わっている。

特に飯伏幸太選手との試合が顕著だった。持ち前のパワーを前面に押し出す試合からグラウンドを軸に飯伏幸太選手をじわじわと追い詰めていく。

以前から後藤洋央紀選手に辛口なコメントを残残していた山崎和夫さんをもって「今日の後藤は違う」と言わしめたのだ。

それ以前から回天や後藤式など、多くの技も解禁しはじめるなど、何かを残す機運が感じられるのだ。

SANADA選手は「ニュージャパンカップ」の一回戦で勝利した後藤洋央紀選手に対して、「組むことも面白いかもしれない」と語っている。

田口隆祐選手から田口ジャパンのオファーを受けても全くリアクションしなかった。そんな男の胸に浮かんだ景色は一体どんなものだったのだろうか。

 

令和の新日本プロレス

「CHAOS」と新日本本隊が近付いたことで、新日本プロレスの景色は大きく変わった。

真壁刀義選手と矢野通選手が手を組んで「IWGPタッグ選手権試合」に挑むなど、ほんの数年前からすれば全く想像もできなかったはずだ。

ともすれば、後藤洋央紀選手の「IWGPヘビー級戦線」への返り咲きを期待するなというのは、野暮な話だろう。最後に挑戦したのは2016年2月11日。3年以上もIWGPから遠ざかっていたのだ。

そろそろ我々の後藤洋央紀選手がIWGPヘビー級ベルトを巻いてもいい頃合いだろう。

格を上げ続けてきた

後藤洋央紀選手はワイルドなビジュアル、パワフルなファイトスタイル、細かなテクニック、独創的なオリジナル技。三拍子ならぬ四拍子が揃った選手だ。

後藤洋央紀選手は対戦相手の格を上げ続けてきた。

オカダ・カズチカ選手、内藤哲也選手、柴田勝頼選手、EVIL選手、SANADA選手、飯伏幸太選手、何よりもケニー・オメガ選手。

新日本プロレスのトップレスラーは全員後藤洋央紀選手を通じて、自分の力を発揮し階段を登ってきた。

IWGPに足りない最後のピース。この一欠片もが「CHAOS」と新日本本隊が近付いたことで誕生したのだ。

「CHAOS」に行ったことで夢となった「セコンド柴田勝頼選手」である。

もしも、次のIWGPヘビーに後藤洋央紀選手が挑戦する際、花道にタオルを巻いた柴田勝頼選手が共に出てきたらどうなるだろう。

大爆発からのベルト戴冠となれば、昭和、平成、令和を股にかけたストーリーが生まれるのだ。

後藤洋央紀選手は柴田勝頼選手が新日本プロレスに復帰した際、早いタイミングでの試合を希望しなかった。

じっくりとじっくりとタイミングを見計らっていた。そして、柴田勝頼選手が欠場に至って以降、2人のツーショットは表に出ていない。

今回のニューヨークでアップされた写真についても、柴田勝頼選手は棚橋弘至選手、飯伏幸太選手、後藤洋央紀選手は中邑真輔選手とYOSHI-HASHI選手と撮影したものをアップしていた。

高校時代からの盟友が並び立つタイミングをじっくりと熟成させている気がしてならないのである。

次に涙腺をぶち壊すほどの感動を産むのは、後藤洋央紀選手なのかもしれない。

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