飯伏幸太が新日本プロレス入団を発表!白の王者として「滾狂」宣言!
飯伏幸太が新日本プロレス入団を発表!神を超えるための決断に大歓声が巻き起こった。
中邑真輔選手の滾る、自身の狂うを足した造語「滾狂」がTwitter上で飛び出すなど、白の王者は完全に流れに乗ったように見える。
うん、この機会に「ゴールデン☆スター」から「滾狂の逸星」へニックネームを変えてみてもいいかもしれない。
造語だらけの言葉も飯伏幸太選手らしいと言えば飯伏幸太選手らしい。
では、運命の一戦を振り返ろう。
2019年4月20日に開催された「SENGOKU LORD in NAGOYA」。メインイベントは「IWGPインターコンチネンタル選手権試合」飯伏幸太選手VSザック・セイバーJr.選手だ。
「カミゴェ」と「カミガリ」。神に近づき、神を越えようとする飯伏幸太選手か。それとも、2018年の「ニュージャパンカップ」、2019年のMSG「G1 SUPERCARD」で神を狩り続けたザック・セイバーJr.選手との一戦は見所満載の好勝負となった。
一戦の流れを振り返りつつ、飯伏幸太選手が掲げたマニフェストに感動した理由について考えてみたい。
改めて考えれば飯伏幸太選手とザック・セイバーJr.選手の因縁は深い。
神と崇める棚橋弘至選手が大事な局面で2度敗れ、自身も「ニュージャパンカップ」で2連敗を喫している。
何かの閃きがあったのか、それともベルトを目立たせるためなのか。飯伏幸太選手は入場時にTシャツを着用せず、臨戦態勢で試合に臨んできた。
徹底した対策
2018年、内藤哲也選手がザック・セイバーJr.選手にリベンジを果たした際、明らかな対策を投じてきた。
徹底したロープ際での攻防。そして、打撃。相手の長所を消すことで圧倒的な強さを発揮するザック・セイバーJr.選手だけに、ペースを握らせないことが最も大切なのだ。
今回の飯伏幸太選手も序盤から打撃をメインに試合を組み立てる。ザック・セイバーJr.選手が掴めないよう、ハイやミドルではなく、ローキックを中心に組み立ててきた。
序盤、ザック・セイバーJr.選手にとって嫌な展開が続いた。
組めばロープエスケープ。間合いを開ければローキック。中々ペースを掴めない展開の中で、「鈴木軍」らしく場外戦で無理やり主導権を握ろうとしてきた。
関節技だけでなく首攻め。だが、飯伏幸太選手も黙っていない。徹底した攻撃の間にボディブローを見舞う。
一撃一撃が重い。ザック・セイバーJr.選手の動きが局地的に止まる。この後も徹底して打撃を見舞い続ける。
飯伏幸太選手は空中戦ではなく、地上戦でザック・セイバーJr.選手にダメージを蓄積させていく。
ハーフボストンクラブ
アキレス腱固めとハーフボストンクラブのハイブリッド技を魅せると、ザック・セイバーJr.選手に主導権が移る。
飯伏幸太選手が反撃すると、またリング外へエスケープ。
よくよく考えるとこの試合、ザック・セイバーJr.選手は場外へのエスケープが非常に多い。打撃のダメージが余程大きいのだろう。
そして、ザック・セイバーJr.選手に大チャンスが訪れた。飯伏幸太選手が遂に飛び技を解禁すると、関節技へ移行。じわじわとダメージを与えていく。なんとか飯伏幸太選手はエスケープ。危機を脱すると、飯伏幸太選手の時間がやってきた。
丸め込みあい
これまでザック・セイバーJr.選手に敗れた選手の大半は、ロープエスケープができない場所で戦っていることが多かった。
この日の飯伏幸太選手はできるだけロープの近場で戦い、打撃を中軸に持ってくるという普段とは異なる戦法を取ってきた。
ファンタッスティクな飛び技を含めて、魅せるプロレスが飯伏幸太選手の真骨頂。
狂気こそ彼の本流
そして、飯伏幸太選手がキレた。レフリーの制止を受けつつも、足は攻め続けている。ヒールレスラーのムーブも余裕でこなす。これが飯伏幸太選手の醍醐味だ。
そして、張り手の応酬へ。相手が一発打てば2発から3発撃つ。
打撃でペースを掴むと、シットダウン式のラストライドが決める。だが、すぐさまザック・ドライバーが炸裂。
一撃必殺の技が決まるもザック・セイバーJr.はカバーに行けない。
ここからは膝を付け合わせてのエルボー合戦へ。飯伏幸太選手は左腕を背中へ回し、ノーガードで撃ち合い続ける。
ロープ越しのオーバーヘッドキックからボマイェを狙うも、ヒラリと身をかわされた。
ヨーロピアンクラッチホールドをカウント2で返すと、「カミゴェ」の体制へ。
飛びつき式の関節技を切り返すと、もう一度「カミゴェ」へ。英国の匠から3カウントを奪った。
現れた内藤哲也
今回テーマがない。テーマを探すと発言していた内藤哲也選手が試合後のリングに現れた。
「思っていることは口に出さなきゃ、誰にも何も伝わらない」
なぜ、内藤哲也選手は興味がないと言い続けてきた「IWGPインターコンチネンタルベルト」へ挑戦を表明したのか。
その答えはまた別の機会に書いてみたい。
中邑真輔を彷彿とさせる
飯伏幸太選手は「IWGPインターコンチネンタルベルト」を新日本プロレスの象徴である「IWGPヘビー級ベルト」と同等、それ以上の価値にするとバックルームで宣言した。
試合の興奮冷めやらぬ中で飛び出したメッセージに正直感動を覚えた。
「ベルトの価値を上げる」とは多くのレスラーが発している言葉だが、飯伏幸太選手は少々毛色が異なる気がしている。
心から大切な宝物。その価値を多くの人々に届けたいという気概が感じられるのだ。
中邑真輔選手は「IWGPインターコンチネンタルベルト」をのデザインを罵り一新させた。そして、楽しいオモチャとして自由な試合を魅せた。
その結果、イッテンヨン「レッスルキングダム」でメインとセミファイナルをひっくり返すまでに至ったのだ。
その伝説へと挑むことを明示した飯伏幸太選手。まずは、内藤哲也選手のリマッチ。
そして、目指すのは「IWGPインターコンチネンタルベルト」=飯伏幸太というブランド。
そして、「IWGPインターコンチネンタルベルト」が新日本プロレス“最高”のベルトであることを証明することだ。
“新日本プロレス”所属レスラー飯伏幸太選手の新しい旅がはじまった。