新日本プロレス令和初のタイトルマッチでタイチは「NEVER」を取り戻せるか?
新日本プロレス令和初のタイトルマッチでタイチは「NEVER」を取り戻せるか?
いよいよ平成が終わり、令和がはじまるカウントダウンがスタートした。
現在、新日本プロレスは「レスリングどんたく」シリーズの真っ只中。
「NEVER無差別級選手権試合」で王者チーム真壁刀義選手&矢野通選手&田口隆祐選手がチャレンジャーチームを退け、見事防衛を飾った。
後楽園ホールの三連戦が終わり、戦いの舞台は西へと移動する。
僕の出身地でもある福岡へ向けて、新日本プロレスの戦いは更に熱を帯びていく展開となるのだ。
「IWGPヘビー」を中心に激しい戦いが待ち構える中、僕はあることに気付いた。
平成から令和に変わる5月、最初のタイトルマッチはどの試合になるだろうのだろうと。
その答えは「濵かつ Presents レスリングどんたく 2019」のセミファイナルにあった。
「NEVER無差別級選手権試合」王者ジェフ・コブ選手VSタイチ選手である。
ROHの状況を追えていない僕にとって、ジェフ・コブ選手は全くの未知数。ヘビー級転向以降、シングルマッチが全て好勝負のタイチ選手となれば、期待するなという方が無理な話だ。
今回はタイチ選手について書いてみたい。新日本プロレスに「鈴木軍」の構成員として戻って以降、ジワジワと価値を高め人気レスラーとなった彼の魅力について考えてみたい。
ここまで心を惹きつけられるとは
僕は正直、タイチ選手に強い興味関心を持っていなかった。
「鈴木軍」の一員。世界一性格が小ズルい男。「IWGPジュニアタッグ」のベルトは巻いているものの、イマイチ乗り切れていなかった。
今思えばどれだけ浅はかにプロレスを見ていたかが分かる。
だって今はこんなにもタイチ選手を応援している自分がいるのだから。
最初にタイチ選手へ興味を持ったのはいつだろう。
確か2017年の「ベスト・オブ・ザ・スーパージュニア25」記者会見で髙橋ヒロム選手と絡んだ時だろう。
風船を持参した髙橋ヒロム選手に対して、挑発的なポーズを取り、風船を破裂させようとフットスタンプを見舞うタイチ選手。
だが、風船をいきなり割るのは中々難しいものだ。
数回試しても風船が割れないことを確認すると、「頑丈だなぁ」とポツリ。
今思えばこの瞬間からタイチ選手のファンになっていたのかもしれない。
タイチ選手と髙橋ヒロム選手の因縁は深い。「小僧」と罵り、ヤングライオン時代にボコボコにしていた過去をストレートに話す。
リーグ戦の直接対決でも、黒パンツを巡る展開が目を引き続けた。
ここからタイチ選手は以前の自分の立ち位置を活かしつつ、新しい対立関係を提示しはじめたのだ。
髙橋ヒロム選手は髙橋広夢選手時代の話。内藤哲也選手とはメキシコ遠征。
本間朋晃選手とは全日本プロレス時代。そして、田口隆祐選手、後藤洋央紀選手とは同じ歳として。様々な角度から話題を振りまくタイチ選手。よくよく考えれば、内藤哲也選手がスターダムに駆け上がった時とよく似ているのだ。
最近の内藤哲也
内藤哲也選手が制御不能となり、新日本プロレスの頂点に上り詰めたサクセスストーリーは誰が聞いても感動の物語だ。
挫折と失敗を経て、やっと見つけた自分の居場所と仲間。そして、子供の頃から願っていた栄光の象徴。念願の「IWGPヘビー級ベルト」に手が届き、ユニットの人気は大爆発した。
だが、そんな内藤哲也選手も窮地に立たされている。
後天的な制御不能である内藤哲也選手に対して、先天的な制御不能である飯伏幸太選手が立ちはだかったためだ。
現在、飯伏幸太選手を支持する声は大きい。その理由は明確で内藤哲也選手の主張が以前よりも弱くなっているためだ。
当時はファンが本当は心て思っていることを代弁していた。現在は自身の主張がメインになってきている。
それでは、ベルトを愛し価値を上げたいという輝きに勝てないのである。
今の新日本プロレスの課題は何か。この点を突くことで、内藤哲也選手はスターダムに上り詰めた。その道を今歩んでいるのはタイチ選手である。
聖帝時代の到来
タイチ選手は定番のやさぐれ方でジェフ・コブ選手をなじり、ライガー選手にも飛び火する言葉を残し続けた。
本人は否定するだろうが、ファンの声を確かに代弁している。
今の「NEVER無差別級チャンピオン」はジェフ・コブ選手である。
ただMSG以降でベルトの価値を上げるようなアクションがあったかと言われれば疑問だ。
僕はあの試合以降、彼についての情報を一切知らない。つまり、届いていないのだ。こんな毎日毎日ブログを書いている僕に届かないということは、発信していたとしても弱いということになる。
令和時代のチャンピオンは更なる存在感を発揮しなければならないと僕は思っている。
そろそろ5Gの波が到来する。動画やIoT、AI。様々なテクノロジーが身近になる時代で必要なのは、強さと発信力だ。
まさにタイチ選手と言っても過言ではない。
令和初のシングル王者。そして、ベルトを手にした時に指名するのは誰なのか。
これからも「NEVER無差別級王者」は話題を提供してくれるに違いない。