新日本プロレスを見て、悔しいという気持ちを取り戻した

新日本プロレスを見て、悔しいという気持ちを取り戻した。

日常生活を送っていると、嬉しいや楽しいという気持ちを浮かべることは多々ある。

また、エンターテイメントに触れ、感動したり涙を流すことも珍しくない。

ただ、「悔しい」という気持ちはなかなか経験することができない。

失敗しても次頑張ろうと切り替えるし、そこまでの責任を負っている状況もあまりない。

そんな僕に「悔しい」気持ちを与えたのが、“混沌の荒武者”後藤洋央紀選手と真壁刀義選手&矢野通選手だった。

僕は新日本プロレスの箱推しだが、今回ばかりは長年団体を牽引してきた3人に日の目が当たって欲しいと思っていた。

特に後藤洋央紀選手のために制作された煽りPVでは、後藤洋央紀選手らしい深みのある言葉が並んだ。

諦めることを諦めた。

自分だけは自分に失望しない。

例え負けたとしても自分が認めなければ、それは負けじゃない。

いよいよ、後藤洋央紀選手が新日本プロレスで天下を取る日が来る。

持ち前のパワーに円熟味のあるテクニックと間の取り方。その全てがベストマッチとなった後藤洋央紀選手ならば「IWGPヘビー級ベルト」を戴冠できるだろう。

一方で、真壁刀義選手も矢野通選手もそう。10年ぶりのタッグ結成劇。

大人らしく抱き合ったり、お涙頂戴みたいな展開はなし。組む価値があるからもう一度組む。

歳を重ねるとあの時見えなかったものが見えてくる。

今だからこそ見せられるプロレスがある。

僕は大きな期待を持ちつつ、現場に向かう途中で試合を見ていた。「新日本プロレスワールド」は本当に便利である。

そして、2人が敗れ。後藤洋央紀選手が負けたことを知った。

あまりにもショック。言葉が出ない。だが、あの時の感情もプロレスがくれたものなのだと思いったのだ。

f:id:yukikawano5963:20190502082345p:plain

諦めることを諦めた

後藤洋央紀選手がジェイ・ホワイト選手との前哨戦を繰り広げる中で、多くの名言が飛び出したのは前述した通りだ。

棚橋弘至選手、中邑真輔選手、真壁刀義選手。この3人と肩を並べ新日本プロレスの新時代四天王と呼ばれていた後藤洋央紀選手だが、唯一「IWGPヘビー級ベルト」に手が届いていない。

そう、後藤洋央紀選手のみ新日本プロレスの象徴に手が届いていないのだ。

パワフルなファイトスタイルにオリジナリティのある技の数々。ビジュアルよく、メキシコ遠征以降は新日本プロレスのトップ戦線に食い込んだ。

棚橋弘至選手と後藤洋央紀選手の一戦は棚橋弘至選手が新日本プロレスが復活の兆しを見せた試合と評価するほどに意味がある試合となっている。

オカダ・カズチカ選手に敗れ続け「恥男」とまで呼ばれた。

「ロス・インゴベルナブレス・デ・ハポン」を結成した内藤哲也選手と「ニュージャパンカップ」で決勝戦を争った。

「G1クライマックス」でも優勝を経験済み。2016年は繰り上がりで決勝戦に進出するもケニー・オメガ選手に敗れた。

また、2018年の年末は飯伏幸太選手と激突し、「NEVER無差別級」のベルトを失い、イッテンヨンで第0試合に回った。

なぜか、大一番で勝てない。

なぜ、後藤洋央紀選手は勝つことができないのか。

今回のジェイ・ホワイト選手との一戦もそうだ。

 

僕は今度こそ勝つと思っていた。だが、勝てなかった。

正直、メチャクチャ悔しかった。3カウントが鳴った時に言葉が出ないほどに。

「こんなに報われないっておかしいだろ!」

心の底からそう思った。

だが、翌日の試合で後藤洋央紀選手は改めてジェイ・ホワイト選手への闘争心をむき出しにした。

諦めることを諦めた。

自分だけは自分に失望しない。

そんな気概が僕の胸を打った。

ユーグレナの社長である出雲充さんは459回挑戦すれば理論上99%成功すると語っている。

ここまで来たらとことん後藤洋央紀選手を応援するのみ。

一度の負けは大きな失敗だが、次へ向かう彼を心から応援したい。

 

マジモードの矢野通選手

真壁刀義選手と矢野通選手が約10年振りに「IWGPタッグ王座」に挑戦した。

現在の王者はタマ・トンガ選手&タンガ・ロア選手の「GoD」。「GoD」VS「GBH」の試合は歴代の必殺技が次々と飛び出す好勝負となった。

真壁刀義選手のキングコングニードロップが炸裂し、この日の勝利を確信した。が、丸め込みで敗れ去ってしまった。

僕はこの時、取材に入る直前。心の中でガッツポーズを取った直後の悲劇に心の底からショックを受けた。

何度抗議をしても覆らない判定。ミラノコレクションA.Tさんも「タイツ掴んでる!」と解説席で絶叫していたが、僕たちの願いが叶うことはなかった。

この直後である。矢野通選手が真壁刀義選手に指を一本立て何かを口にしている。

翌日の解説席で否定していたが、おそらく「もう一回挑戦しましょう」と言ったに違いない。

飄々とした雰囲気で誰にも真似できないプロレスを魅せるのが矢野通選手の強み。だが、マジモードに入った矢野通選手はぶち抜いてカッコいいプロレスラーだった。

 

感情を揺さぶるのがエンターテインメント

「バレットクラブ 」の勝利で終わったこの2試合。悔しい気持ちはあるものの、3人には天晴れと伝えたい。

何故ならば、後藤洋央紀選手、真壁刀義選手、矢野通選手の3人を打ち破ったことで、僕に想定外の感情を与えてくれたからだ。

もしも3人が勝利を掴んでいたら、いわゆるハッピーエンドで気持ちよくゴールデンウイークを過ごすことができたと思う。

ただし、ハッピーな気持ちになれるエンターテイメントやコンテンツは溢れていても、悔しいと感じさせるものはそう多くはないためだ。

次、次こそは絶対に勝つ。そんな気持ちでこれからも後藤洋央紀選手、真壁刀義選手、矢野通選手を応援したい。そんな気持ちにさせる興行があの日存在していた。

→人気プロレスブログはここからチェック!

→NJPW FUNのTwitterフォローはこちら