王者・聖帝タイチが次のチャレンジャーに指名するのは新日本プロレスの誰だ?

王者・聖帝タイチが次のチャレンジャーに指名するのは新日本プロレスの誰だ?

王者ジェフ・コブ選手VS挑戦者タイチ選手で行われた「令和」初となる新日本プロレスのタイトルマッチ。

「IWGP」という価値観とは離れたところにある「NEVER」という称号について、以前僕は仮面ライダー555であると説いた。

その心はチャンピオンによって大きくイメージが異なるということ。新日本プロレスにおいて最も自由なシングルベルトが「NEVER無差別級シングルベルト」なのだ。

石井智宏選手や田中将斗選手を軸に生み出された近代化が進む新日本プロレスへのアンチテーゼは柴田勝頼選手により原点回帰、1人世代闘争の象徴として注目を集めた。

これが「NEVER無差別級」最初の時代だ。次に、長年「IWGPヘビー級」や「IWGPインターコンチネンタル」戦線で戦ってきた後藤洋央紀選手へとバトンが引き継がれる。

この時代の前半戦は鈴木みのる選手を中心に特別ルールでの試合が組まれることになった。最終的に、東京ドームで鈴木みのる選手が断髪し、この歴史はピリオドを打ったわけだが、矢野通選手、ザック・セイバーJr.選手、EVIL選手、YOSHI-HASHI選手などこれまでとは異なるチャレンジャーに注目が集まっていた。

そして、後藤洋央紀政権の後期にはタイチ選手、飯伏幸太選手、ウィル・オスプレイ選手など、ジュニアの猛者たちが階級を上げて続々と挑戦。「無差別級」という言葉に相応しいハイレベルな戦いが行われる場所となっていった。

そして、現在の王者はジェフ・コブ選手。対角線に立つのはタイチ選手だ。

タイチ選手は露骨にジェフ・コブ選手を罵ることで、前半戦は試合がない、言葉が通じない相手とのタイトルマッチへの期待感を高め続けてきた。

タイチ選手がマニュフェストを掲げ、KUSHIDA選手が海の向こうで期待しているヘビーとジュニアの架け橋となる展開は実現するのか。

前日、オカダ・カズチカ選手、SANADA選手。ドラゴン・リー選手、石森太二選手による調印式が行われたが、ジェフ・コブ選手、タイチ選手が姿を現わすことが無かった。「NEVER」の価値を上げていくためにも必要な運命の試合を振り返っていきたい。

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聖帝VSガチムチ

試合開始のゴングが鳴ると、タイチ選手は一貫してノラリクラリ戦法に徹する。

ディーバのあべみほさんだけでなく、金丸義信選手、TAKAみちのく選手を引き連れてやってきた聖帝。疲れもあるのか、どんな手を使ってでも勝利を掴もうという戦術で勝利を目指す。

フロントスープレックスをサミングで切り返す。勝利にこだわるタイチ選手の意気込みが垣間見える。

だが、ジェフ・コブ選手も負けてはいない。雪崩式のブレンバスターでペースを掴むと、その場跳びムーンサルトなどテクニックとパワーでタイチ選手へダメージを与えていく。

マイケル・エルガン選手が去った現在の新日本プロレスおいてパワータイプの“ガイジン”レスラーは非常に貴重であり。

試合中盤以降、ジェフ・コブ選手はエルボー、タイチ選手はキックでお互いを削りあっていく。

デンジャラスバッグドロップからの聖帝聖帝十字陵が炸裂。試合は決まったかと思いきや、ロコモーション式のスープレックスを3発お返し。タイチ選手が一気にグロッキー状態へと追い込まれた。

だが、タイチ選手はジャンピングハイキックでリズムを取り戻すと、天翔十字鳳からブラックメフィストで勝利を手繰り寄せた。

「タイチなりの真っ向勝負」で勝利を掴んだ彼の胸には、感情を表に出さないタイチ選手に変わって泣きながら喜ぶあべみほさんの姿があった。

自分以外の人のことを自分のこと以上に喜べる。そんな関係は素敵ではないだろうか。

また、試合後に鈴木みのる選手が登場。新日本プロレスにとって、「令和」初となるタイトルマッチでベルトを奪取したタイチ選手を「週刊プロレス」の表紙にしようという計算があったのだろうか。

 

タイチが戦いたい相手

「NEVER無差別級王者」に返り咲いた後、タイチ選手はこうコメントを残した。

だけどよ、珍しく、いつもはよ『やんねえ』とか言ってるけどよ、今回は珍しく、俺だって、逆指名したいヤツが一人いるんだよ、やりてえヤツが。いいんだろ、発言権あるんだろ? その他、大勢よりよ、一人やりてえヤツがいるんだよ。フッ……。それは……。ま、近いうちに逆指名させてもらおうかな、コレがあることだし。あ~あ、俺がコレ持ったことによって、この先またいろいろ変わってくるな。いい時期に獲ったな5月! 6、7、8……(指を折って数えて)。いい時期に獲ったもんだよ。楽しみにしておけよ? 
出典:新日本プロレス

 

ここからは戦いたい相手について、考えてみたいと思う。

まずは、ウィル・オスプレイ選手と獣神サンダー展開ライガー選手。

ウィル・オスプレイ選手は年末に負けた相手であり、リベンジを果たすべき相手だ。

次に獣神サンダー・ライガー選手は引退を表明し、「ベスト・オブ・ザ・スーパージュニア」で敗れた相手。負けっぱなしで引退させるのはタイチ選手のプライドに関わる問題だ。

問題はここから。そして、僕の考察はここからになる。

まずは鈴木みのる選手。新日本プロレスをひっくり返し、新しい景色を魅せるには、「鈴木軍」対決は、避けて通れない道であり、間違いなく盛り上がる一戦になる。

次に内藤哲也選手。もともと「NEVER無差別級王者」は内藤哲也選手が発起人として誕生したベルトだ。

現在、二冠王を狙っている内藤哲也選手だが、創設者を倒すことに価値を感じても不思議ではない。

目指すはリベンジ

 

僕の最後の予想は彼だ。

石井智宏選手。

「ニュージャパンカップ」で敗れ、「NEVER無差別級」のベルトを輝かせてきた男。現在はEVIL選手と抗争中であるが、彼へのリベンジを果たすことがタイチ選手にとって非常に大きな出来事となる。

新日本プロレスのシングルベルトからは離れてしまっているものの、“名勝負製造機”に絡めば好勝負が約束される。そうして、自分の名を高めていく。

聖帝の行進は「NEVER無差別級」の歴史を塗り替えていくことなのかもしれない。新日本プロレスのベルトを「鈴木軍」で唯一保有する“愛を捨てた聖帝”。

タイチ選手の新しい戦いがはじまる。

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