新日本プロレスにおける主人公に必要な力とは何か

新日本プロレスにおける主人公に必要な力とは何か。今日はこの点について考えてみたいと思う。

現在、新日本プロレスは「ベスト・オブ・ザ・スーパージュニア26」の真っ只中。ジュニア選手のシングルマッチを目に焼き付けるべく、参戦レスラーが激闘を続けている。

贔屓目なしに見たときに、「今」の新日本プロレス主人公を考えると、ロッポンギ3KのSHO選手になるだろう。

今大会のために、トレードマークの金髪を黒髪に戻し、入場曲もヒゲドライバー作曲のサウンドに変えた。

「ベスト・オブ・ザ・スーパージュニア26」で鷹木信悟選手から初勝利を掴みとる。タッグだけでなく、シングルでも自身の力を証明する。

そして、なによりも今回の大会で優勝を掴みとる。

そんな直向きな気持ちがファンに伝染した。会場を見ても万雷のSHOコール。TwitterなどのSNSでも彼を期待するコメントが溢れている。

色々な意見があると思うが敢えて言おう。僕の視点で現在の新日本プロレスの主役はSHO選手だ。

では、なぜここまで彼に主役としての魅力を感じるのだろうか。

好勝負を生み続けているのは、他のレスラーも同じこと。ここに一体何の差があるのだろうか。

今回はその点について考えてみたいと思う。そこから導きだされたキーワードは「ライバル」と「涙」、そして気持ちが伝わる試合である。

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ライバルが自分を強くする

「ベスト・オブ・ザ・スーパージュニア26」の初戦と第2戦。SHO戦は2人のライバルと激突した。

1人は新日本プロレスに参戦したその日から宿命という言葉の元、繰り広げられてきた鷹木信悟選手。2人目は2018年の「ベスト・オブ・ザ・スーパージュニア25」の初戦で激突し、現在は「IWGPジュニアヘビー吸収チャンピオン」に輝いているドラゴン・リー選手だ。

SHO選手はこの2試合で勝利を掴むことができなかった。

ただし、勝利以上の熱狂と「SHOのシングルマッチは面白い」というブランドを確立したのは確かだと思う。

改めて2つの試合を振り返ってみたい。

鷹木信悟は超えるべき壁だ

「ロス・インゴベルナブレス・デ・ハポン」に加入し、新日本プロレスのリングに姿を現して以降、ただの一度も自分のスリーブカウントを耳にしたことがなかった鷹木信悟選手。

僕自身、鷹木信悟選手の全勝記録をストップするのは、SHO選手であり、そのための準備を全て整えてきた印象を受けていた。

前述した通り、髪色も入場曲も変えた。コスチュームはシングルマッチ専用のショートスパッツ。

全てを変えて来たが、超えることができなかった。観客として観ていると紙一重のようにも見えたが、本人からすれば「大きな差があった」という。

それほどまでに鷹木信悟選手は強いのだ。僕は鷹木信悟選手について、ジュニア戦線における最強のボスキャラだと思っている。

そんな鷹木信悟選手が試合後、SHO選手へ喋りかけたのだがら驚いた。

これは仮説だが、「新日本プロレスでお前と闘えてよかった」

そんなことを伝えていたようにも思う。何かの言葉を聞いた後、SHO選手は天を仰ぎ、目元を手で抑えた。

この溢れ出した感情を抑えきれない事実が、新日本プロレスの主人公性をグッと高めたのだ。

誰も倒すことがでしきない大魔王。強すぎる男。そんな彼を打ち倒すのは主人公以外にあり得ないのである。

 

柴田勝頼の存在

鷹木信悟選手に敗れたSHO選手は現「IWGPジュニアヘビー級王者」であるドラゴン・リー選手と激突する。

この試合はシングル王者とタッグ王者どちらが強いのか?という別軸での見方も存在していた。

そこで繰り広げられたバトルはこれまた面白いものになった。SHO選手はダーティーファイトも厭わない姿勢を貫く。これは、鷹木信悟選手に黒星をつけられたことで、もう1試合も落とすこどができないという心の現れだったように思う。

一方で2人の試合からは柴田勝頼選手のエッセンスが感じられた。徹底的なエルボー合戦。

相手に攻撃するよりも「打ってこい」というスタンスを貫く。

無骨にぶつかり合う2人の男からは柴田勝頼選手の匂いを感じることができた。

必ず勝つ

試合中徹底的にドラゴン・リー選手の腕を狙い続けた。ショックアローではかく、関節技でタップアウトを納める。

これがSHO選手の狙いだったのだろう。たまし、そう上手くことは運ばなかった。

ラストはデスヌカドーラでフィニッシュ。

SHO選手はに誰よりも大きな期待を受けつつ、開幕からの2連敗を喫してしまったのだ。

 

主役の存在

結果がでていないものの、期待はストップ高になっているSHO選手。

明らかに彼の試合、一挙手一投足に想いが寄せられている。SHOが敗れた2人はおそらく2敗しないかもしれい。

ある意味すでに優勝決定戦への道のりが無くなってしまったと言っても過言ではない。

ただし、多くの人々がSHO選手に期待せざるを得ない。なぜならば、現在新日本プロレスの主人公がSHO選手であるためだ。

完全にNEXTな新日本プロレスジュニアへ。ライバルとの激闘がSHO選手をもっと強くするのである。

新日本プロレスにおける主人公に必要な力とは「一生懸命さ」が伝わることなのかもしれない。

DOUKI

そして、現在の新日本プロレスにはもう1人の主役いや、ヒールが存在する。ミラノコレクションA.T.さんからの刺客であり、タイチ選手がセコンドに着くDOUKI選手である。

エリートが集う新日本プロレスにおいて、DOUKI選手の存在はあまりにも異色である。

ただし、異分子になりすぎないのが、彼がこの10年間積み重ねて来た実績だ。

田口隆祐選手ですらDOUKI選手との過去の話題を持ち出す。満場一致ね「こんな悪いやつじゃなかった」という心境になっているのである。

以前、新日本プロレスでのし上がるには変化が必要だと書いたことがあるが、改めてそう感じたのがDOUKIの存在だ。

確かなテクニックと高次元の受け身。また、身体の柔軟性についても指摘するポイントは一つもない。

DOUKI選手は田口隆祐選手に敗れた。だが、全くの無名かつ日本人レスラーがいきなり新日本プロレスのメインイベントに立ったのはあまりにもレアなキャリアとなるだろう。

SHO選手とDOUKI選手が対峙する未来。まずはここに期待を膨らませていきたいと思う。

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