新日本プロレスと2頭のドラゴンとカマイタチについて

新日本プロレスと2頭のドラゴンとカマイタチ。この関係性について振り返りたい。

新日本プロレスは現在、「ベスト・オブ・ザ・スーパージュニア26」の真っ只中。後楽園ホール三連戦は2日目を迎え、更なる熱狂を生み出した。

ウィル・オスプレイ選手とバンディード選手による激闘や2夜連続となったヒールマスター金丸義信選手の妙義。

そして、昨年に引き続き好勝負となったSHO選手とマーティー・スカル選手の直接対決など、全10試合見逃せない試合が続いた。

田口隆祐選手とロッキー・ロメロ選手の「フリースロー対決」では度肝を抜かれ、電車の中で吹き出したわけだが。

そんな好勝負が続いた「ベスト・オブ・ザ・スーパージュニア」後楽園ホール大会のメインイベントは、鷹木信悟選手VSドラゴン・リー選手だった。

日本のドラゴンVSメキシコのドラゴン。「ロス・インゴベルナブレス・デ・ハポン」がカマイタチこと髙橋ヒロム選手を待つのではなく、一歩踏み出す勇気を持った行動を起こし招集された鷹木信悟選手。

髙橋ヒロム選手とメキシコ時代からライバル関係だったドラゴン・リー選手。

二匹の龍が出会った時、新日本プロレスジュニアの頂上決戦に相応しい試合が生まれた。

現「IWGPジュニアヘビー級王者」は新日本プロレスで無敗記録を継続する鷹木信悟選手を破ることができたのか。

新日本プロレスの鷹木信悟選手について考えてみたい。

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ザ・ドラゴンが生まれた日

2018年10月にドラゴンゲートを退団し、新日本プロレスへと戦場を移した“ザ・ドラゴン”鷹木信悟選手。

髙橋ヒロム選手がアクシデントにより戦線を離脱し、4人での活動を続ける中で内藤哲也選手はある決断を下した。

「4人ではなく、5人で髙橋ヒロム選手の帰りを待つ。俺は新しいパレハを両国に連れて行きますよ」

そう、髙橋ヒロム選手の欠場が無ければ内藤哲也選手が鷹木信悟選手を「ロス・インゴブレナブレス・デ・ハポン」にスカウトすることはなかったのかもしれない。

2018年10月、それぞれの一歩踏み出す勇気が今の新日本プロレスジュニアの物語を編み出したのだ。

 

5人のロス・インゴ

内藤哲也選手、EVIL選手、BUSHI選手、SANADA選手、髙橋ヒロム選手。この5人による「ロス・インゴブレナブレス・デ・ハポン」はあまりにも完成度が高かった。

実力、ビジュアル、雰囲気。全てが100点満点。だかこそ、リードオフマンである髙橋ヒロム選手の欠場が痛かった、いや痛すぎたのだ。

髙橋ヒロム選手は加入以降、あまりにも目立つ存在にファンから求められる存在になり過ぎた。そんな彼がいないという代償は「ロス・インゴブレナブレス・デ・ハポン」には余りにも大きかったのだ。

だが、誰も誰かの代わりにはなれないことを知りつつ、6人目のパレハとなった鷹木信悟選手が新日本プロレスジュニアを圧倒的に楽しませている。

無敗記録だなんて誰が予想しただろうか。そう、新日本プロレスジュニアに現れた救世主であり、ラスボスが鷹木信悟選手ことジャイアンいや、“ザ・ドラゴン”なのである。

 

カマイタチ

この日の後楽園のメインイベントで龍とドラゴンが激突した。

入場時から赤いエクステを付けた鷹木信悟選手とカマイタチのハーフオーバーマスクを被ったドラゴン・リー選手。様々な想いが交錯していることなんて、パッと見れば分かることだった。

試合が始まってみれば、現「IWGPジュニアヘビー級王者」に圧倒的なパワーとスピードで迫る鷹木信悟選手の姿が印象的だった。

だが、ドラゴン・リー選手も負けてはいない。トペ・スイシーダやPK、武者返し、ドライェ(※僕が勝手に命名)など様々な技で鷹木信悟選手を迎え撃った。

また、ドラゴン・リー選手が試合後半に魅せた一気に畳み掛けるようなテンポの連続技。これまで多くの新日本プロレスの選手たちの技やムーブをオマージュしていた彼だけに、あの選手を意識したのかもしれない。

だが、鷹木信悟は強かった。エルボー一発の重みが違う。パンピングボンバーは意識が吹っ飛ぶ破壊力を秘めているのは間違いない。

現「IWGPジュニアヘビー級王者」ですら、一歩及ばず鷹木信悟選手の勝利が決まる。そう、無敗記録がまた伸びたのである。

ストップ・ザ・鷹木信悟のストーリーは面白い。案外、TAKAみちのく選手が勝ってしまいそうな気もするためだ。

他の選手と比較しても鷹木信悟選手だけが一敗の重みが違う。常に絶対に負けられない戦いが続くのである。

そんな彼だからこそ、令和初、初出場、全勝優勝を実現してくれるのかもしれない。

 

バケモノだよ

最後に、鷹木信悟選手がドラゴン・リー選手との試合後に語ったマイクについて掲載しておきたい。

髙橋ヒロム選手の代わりに来たパレハだなんてもう誰も思っていない。

新日本プロレスの鷹木信悟選手は、試合がすごく面白くて、マイクも半端じゃない。ファンの期待を背負って戦うレスラーなのだから。

ちょっと待って(※場内笑)。ア~ゴが~!! クソ~…。オイ、アゴ効いた。オイ、これじゃあお前、名前は言えないけど、“某デスペラード”みてぇじゃねぇか、オイ(※場内笑)。それにしても、ドラゴン・リー。あいつハンパねぇな、オイ(※大拍手)。あれで24歳かよ!? 信じらんねぇ。あいつは間違いなく怪物だよ。だが! 今日のメインに勝ったのは、“日本のドラゴン”だ(※大歓声&大拍手&『鷹木』コール)。昨日はマーティー・スカル。今日、ドラゴン・リー。この2連勝はデカいぞ、オイ!(※大歓声&大拍手)。これで俺の成績は、5戦5勝!(※大歓声) オイオイオイ、少し見えて来たんじゃねぇか!? 両国(国技館)のメイン!(※大歓声&大拍手&『鷹木』コール) 実は何を隠そう、俺はキャリア15年で、両国のメインは経験したことがない(※場内驚き)。それで、新日本の初登場が両国。次の両国で! オイ、俺がメインに立ってたら最高に面白くねぇか、オイ!?(※大歓声&大拍手) それともうひとつ。今年の『SUPER Jr.』は、記念すべき令和元年、令和初の開催だ。オスプレイとか、バンディードとか、ファンタズモとか、スゲェ外国人いっぱいいるけどよ、ここは、日本人が勝たなきゃダメだろ、オイ!?(※大歓声&大拍手) SHOでもない、石森でもない、タグチジャパンでもない(※場内笑)、悪いけど、BUSHIでもない(※場内驚き)。お前らわかってんだろ!? 優勝するのは、この俺しかねぇだろ、オイ!!(※大歓声&大拍手) よーし、最後の最後まで! 龍の如く! 両国のメインと、そして全勝優勝に向かって、驀進して行くぞー!! 
出典:新日本プロレス

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