新日本プロレスのロッキーが目指すのは両国国技館大会の大成功である
新日本プロレスのロッキーが後楽園ホールを締めた夜。
大番狂わせ。大金星。ビックサプライズ。今、最も「ベスト・オブ・ザ・スーパージュニア26」のBブロックで勢いのあるレスラーの一人である「バレットクラブ」エル・ファンタズモ選手から「CHAOS」ロッキー・ロメロ選手が勝利を掴んだ。
30分一本勝負の試合が決着したのは、28分38秒。間違いなく多くの方が引き分けを意識しただろう。
だが、ロッキー・ロメロ選手は諦めなかった。エル・ファンタズモ選手が新日本プロレスに姿を現した時から、ライバル関係にあったウィル・オスプレイ選手は2度もピンフォールを奪われている。
新日本プロレスのジュニア・無差別級選手として、「IWGPジュニアヘビー級王者」、「NEVER無差別級王者」にも輝いた「CHAOS」“ガイジン”レスラーのエースが2度も敗れたのだ。
このまま新日本プロレスの“ガイジン”レスラーを、ジュニア選手たちを舐めてもらっては困る。
そう、立ち上がるのはこの男しかいない。
あのタイチ選手の感情を揺さぶり「頑張れ!ロッキー!!!」と叫ばせたロッキー・ロメロ選手。
現WWEの中邑真輔選手も認めたプロレスセンスと実力を遺憾なく発揮した試合になった。
僕はロッキー・ロメロ選手がエル・ファンタズモ選手からギブアップを奪ったとき、何故だか「スラムダンク」のメガネくん(木暮公延)の名シーンが頭に浮かんだ。
そう、長年新日本プロレスジュニアを支え続けてきたのは、この春海の向こうへ旅立ったKUSHIDA選手だけではない。
2005年に活躍した4代目ブラックタイガーことロッキー・ロメロ選手も長年新日本プロレスを担ってきた男なのである。
4代目ブラックタイガー
2005年10月8日、新日本プロレスの東京ドーム大会でデビューした4代目ブラックタイガーは2009年4月5日、カンペオナート・コントラ・マスカラ戦に敗れマスクを脱いだ。
ブラックタイガーとして、第48代「IWGPジュニアヘビー級王者」にも輝いた。
そう、ロッキー・ロメロ選手はブラックタイガー時代も合わせれば、約15年新日本プロレスで活躍しているレスラーなのである。
「フォーエバー・フーリガンズ」、「ロッポンギヴァイス」そして、「ロッポンギ3K」。
タッグ戦線やコーチとしてのサポートなど、持ち前の器用さを活かしてロッキー・ロメロ選手は活躍を続けてきた。
ちなみに、現在の年齢は36歳。
内藤哲也選手や飯伏幸太選手、鷹木信悟選手、石森太二選手と同級生なのである。
1982年。新日本プロレスの黄金世代なのかもしれない。
PVを見直すと目頭が熱くなる
今回の「ベスト・オブ・スーパージュニア26」の開催前に新日本プロレスが公開した参戦レスラーのPVでロッキー・ロメロ選手は両国国技館大会について言及していた。
多くのレスラーが優勝への意気込みや個人の思想を語る中、「ジュニアがメインで両国国技館で試合をする」ことに対する誇りと、ヘビー級へのジェラシーを語っていた。
3年ぶりのエントリーで自分ではなく、新日本プロレスジュニアの価値について語っていたのだ。
改めてもう一度、本PVを見てほしい。
今回の両国国技館大会は、長年ジュニアが地道に価値を高めてきたことで生まれた財産だ。
長年ロッキー・ロメロ選手が争ってきたKUSHIDA選手は「両国国技館に連れて行く」と語った上で、自分はその場所に立つことなく笑顔で旅立った。
夢の場所のメインイベントに立つレスラーを選ぶリーグ戦でエル・ファンタズモ選手が勝ち続ければ、盛り上がりが下がってしまう。
ストップするなら自分しかいない。そう、ロッキー・ロメロ選手が後楽園ホールのメインイベントで勝利を掴むことで、流れを変えるしかなかったのである。
泣き顔でスマイル
僕はロッキー・ロメロ選手の腕ひしぎ十字固めが決まった時、「決まった」と思った。
これが「スラムダング」小倉公延が陵南戦で見せたスリーポイントが決まった瞬間と重なった。
桜木花道、流川楓、三井寿、宮城リョータにレギュラーを奪われても仲間たちの才能を信じ続けて自分の仕事をやり遂げた小暮公延。
15年間新日本プロレスジュニアの発展を祈り、いつも笑顔でファンを楽しませようとしてきたロッキー・ロメロ選手。
最後はやっぱり彼のマイクで終わりたい。
いやー、まさかロッキー・ロメロ選手で泣くことになるとは思わなかった 笑
(※日本語で)後楽園、元気ですか~~!?(※大歓声&大拍手)……元気じゃないよ(※場内笑)。疲れたです(※大拍手&『ロッキー』コール)。ホントにありがとうございました(※大拍手)。(※英語で)『BEST OF THE SUPER Jr.26』後楽園ホール3連戦はソールドアウトになった!(※大歓声&大拍手から日本語で)みんな! みんな! みんな! みんな! ありがとうございました~(※場内笑&大拍手)。(※英語で)今夜は六本木に行こう! (※日本語で)ノリノリだぜ~!(※大歓声&大拍手から放送席のライガーに向かって) ライガーさん、ごっちゃんです(※場内笑)。みんな! みんな! みんな! OK!? ROPPONGIサイコー!(※大歓声) ホントに、新日本、『SUPER Jr.』、サイコ~~!(※大歓声&大拍手) ロッキー、サイコー!! サイコー!! サイコー!!(※大拍手)
出典:新日本プロレス