なぜ、新日本プロレスはジョン・モクスリーの参戦を発表したのか?

なぜ、新日本プロレスはジョン・モクスリー(ディーン・アンブローズ)の参戦をこのタイミングで発表したのか?

2019年5月27日、ジョン・モクスリー選手のTwitterアカウントで突如、動画が投稿された。

直近の新日本プロレスの興行でお馴染みの「Death Rider(デスライダー)」。だが、動画には続きがあったのだ。

砂時計、ナイフで削っていたモチーフの正体はMOX。そう、ジョン・モクスリー(ディーン・アンブローズ)選手のメタファーだったのである。

しかし、僕にはある疑問もあった。それは、なぜ新日本プロレスがこのタイミングで発表したのかということだ。

ジョン・モクスリー(ディーン・アンブローズ)選手について実績や知名度を考えれば、クリス・ジェリコ選手と同等以上のビックサプライズ参戦としか言いようがない。

2012年からは人気ユニット「ザ・シールド」のメンバーとして、さまざまなエピソードを生み出してきた。

WWE王座、WWE US王座、WWE IC王座のグラウンドスラムを達成するなど、33歳にしてその実績は折り紙つきである。

そんなスーパースターが「Death Rider」の正体だったのだ。

「Death Rider」の動画は今思えば、明らかにこれまでのそれと違った。まず、ジュース・ロビンソン選手という特定のレスラーに向けたメッセージが入っていたこと。

次に流れるポイントがランダムであったことだ。試合の合間ではなく、ゴング直前やジュース・ロビンソン選手が花道から引き上げている時に流れるケースもあった。

明らかにこの「Death Rider(デスライダー)」の動画をサブリミナル的に刷り込む意図がありそうだとは感じでいたわけだが。

僕は今回の一件で、ジュース・ロビンソン選手以上に真っ先に噛み付く選手が1人いると思っている。

そう、「ロス・インゴベルナブレス・デ・ハポン」“制御不能なカリスマ”内藤哲也選手である。

「新日本プロレスはジュニアもヘビーも軽視しているんじゃないの?」そんな言葉が飛び出してきそうである。

ここからは新日本プロレスがジョン・モクスリー(ディーン・アンブローズ)選手の発表タイミングを2019年5月27日にした理由について考えみたい。

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サプライズは突然に

まさに突然のサプライズだった。新日本プロレスは新しい参戦選手について、これまで会場と同時中継される「新日本プロレスワールド」で発表を行ってきた。

つまり、会場に現れたり、ビデオメッセージが流れることが種明かしの瞬間だったのである。

今回、ジョン・モクスリー(ディーン・アンブローズ)選手の発表は「ベスト・オブ・ザ・スーパージュニア26」中の試合が組まれていない移動日に行われた。

新日本プロレスのジュニア戦士に配慮をしつつも、このタイミングで発表した意図は「鉄は熱いうちに叩け理論」しか考えられない。

AEWの旗揚げ戦

 

先日、ジョン・モクスリー(ディーン・アンブローズ)選手はAEWの旗揚げ戦に姿を現していた。

狂犬スタイルとして、クリス・ジェリコ選手、ケニー・オメガ選手を強襲。AEWのリングで暴れまわることが予想されていた。

だが、ジョン・モクスリー(ディーン・アンブローズ)選手は「Death Rider(デスライダー)」の正体でもあったのだ。

まず、ここにタイムラグがあればあるほど、新鮮味は薄れてしまう。

「あれ!?AEWじゃないの!?何で!?凄い!?ビックサプライズだ!」が昨日巻き起こったサプライズの反応だ。

では、これをもしも会場で発表したらどうなっていただろうか。

現在、新日本プロレスファンは新日本プロレス限定の新規ファンが増えている。

つまり、ジョン・モクスリー(ディーン・アンブローズ)選手が姿を現したとしても「誰?」となる可能性が十二分にある。

世界的なスーパースターが新日本プロレスに来襲するのだから、最大限に盛り上がった状況を作らなければならない。

また、新日本プロレスワールドの会員数増加を早いタイミングで促したいという意図もあっただろう。

現在、新日本プロレスワールドのアクセスの50%が海外ユーザーとなってる。会員継続率や視聴数などの細かな数字を外部から知ることは不可能だが、裏側の数字を分析すると、海外ユーザーがコアになっているのかもしれない。

そして、発表を大会の前。当日のサプライズと2つに分けることで、話題の波を2つに分けることもできる。インターネット時代のプロレスはリング上だけではなく、SNS上にも波及しているのだ。

 

マーケティング班の功績

僕は新日本プロレスのマーケティング班は素晴らしい判断をしたと思っている。

新日本プロレスを広げるということは、会場から飛び出して尚、価値のあるIPになることを意味している。

だからこそ、大物のゲスト参戦はチャンスなのだ。ほぼ鎖国状態の新日本プロレスにおいて、外敵の存在は自身を高める糧になる。

ここが上手く回るスキームが生まれることで、より新日本プロレスひいてはプロレスが注目を浴びることになるのだ。

改めて、本件について内藤哲也選手がどんなメッセージを残すのか。まずは、この点に注目したい。

そして、ジョン・モクスリー(ディーン・アンブローズ)はヴィランエンタープライゼス4人目のメンバーとなるのか?

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