ウィル・オスプレイがBOSJ26優勝!ドラゴンスレイヤーになった夜
ウィル・オスプレイがBOSJ26優勝!ドラゴンスレイヤーになった夜。この一夜は新日本プロレスの歴史に深く名を刻む時間になったと言えるだろう。
2019年6月5日、「ベスト・オブ・ザ・スーパージュニア26」の最終戦は両国国技館で行われた。
現在WWEのNXTでスーパースターとなったKUSIDA選手が「連れて行く」と語った約束の地、両国国技館。
Bブロックの最終戦で新日本プロレスジュニアを長年支え続けている田口隆祐選手を破り、優勝決定戦へと駒を進めた“ドラゴンスレイヤー”ウィル・オスプレイ選手。
新日本プロレスで未だ負けないの“ザ・ドラゴン”鷹木信悟選手。
共に無差別級を主戦場に戦った経験があるだけに、とにかく激しい試合になることだけは予想できた。が、予想を更に上回るほどのインパクトと内容、そして結果になったことを改めて書き残しておきたい。
詳細な試合内容は新日本プロレスの公式サイトや週間プロレスでチェックいただくことにして、僕の方からはなぜ、ウィル・オスプレイ選手が勝てたのか?という点に迫っていきたい。
無敗を貫いた鷹木信悟選手がウィル・オスプレイ選手の前に敗れたのか。
その答えはやはり気持ちにあったと僕は思っている。
鷹木信悟選手はこの試合をある種の新日本プロレスでの集大成にしようとしていたのかもしれない。新日本プロレスで初披露となった技も多数登場しただけに、彼の胸中にも“何か”があったに違いない。
鷹狩り、龍狩り
普段通りのコスチュームでリングに上がった鷹木信悟選手。それもそのはず、全勝記録はそのままに「ベスト・オブ・ザ・スーパージュニア26」の頂点に大手を懸けることに成功したのだ。
変にコスチュームなどに色気を出す必要はない。そう、判断したのだろう。
一方で、ウィル・オスプレイ選手は大きく変えてきた。
Dragon Slayer.#njbosj26 pic.twitter.com/MEgOYhQFyg
— ᵂⁱˡˡ ᴼˢᵖʳᵉᵃʸ • ウィル・オスプレイ (@WillOspreay) June 5, 2019
ドラゴンスレイヤーをテーマに赤を基調したコスチュームへ。また、日本の龍を相手にするに相応しい日本刀を腰に差してきた。
ウィル・オスプレイ選手はどんどん華が増してきた。あぁいった入場をして違和感なくカッコいいと魅せることができるレスラーはどれくらいいるのだろうか。
ゴングが鳴る以前からウィル・オスプレイ選手はその真価を発揮していた。
まるで、中邑真輔選手のように。
圧倒的な鷹木信悟のパワー
MADE IN JAPANやSTAY DREAM。長渕剛さんを彷彿とさせる以前の必殺技を連発。
圧倒的なパワーと技の多彩さでウィル・オスプレイ選手を追い詰めた鷹木信悟選手。
彼についても色々と書くべきことが山ほどあるが、ここではいったん一つの言葉に留めておきたい。
「この試合を機にいよいよ無差別級を舞台にした新しい挑戦が始まるに違いない」と。
興奮が冷めないからか
— 鷹木 信悟(TAKAGI SHINGO) (@Takagi__Shingo) June 5, 2019
ダメージがデカいからか
めちゃくちゃ疲れてるのに、いまだに寝れず...
やっぱり悔しいのだろう
無敗記録も終わり、肩の荷が下りた気がする
改めて思う
更に強くなる為に
階級は関係なく強い奴とガンガン当たりたい#njpw#prowrestling pic.twitter.com/OfZYr6UJLB
ヒッコシマス
そして、ウィル・オスプレイ選手は試合後に、大きな発表を行った。
「日本に引っ越します」と。
“ガイジン”レスラーが「ここは俺のホーム」だと言った舌が渇き切らないうちに、新日本プロレスを離脱することが珍しくなかった。
そう、新日本プロレスファンとしては、口には出していないし、慣れたことでもあるし、何を言うわけでもないが、なんだかんだで日本を新日本プロレスを愛してくれる“レスラー”を渇望していたのだと思う。
新しいスターの新しいスタート。この試合を通じて、ウィル・オスプレイ選手の評価と人気はストップ高になったことは間違いない。
最後にウィル・オスプレイ選手のコメントをそのまま掲載する。
最高のレスラーを祝うためだけに舞った青と銀のテープは、これまで以上に美しく見えた。
両国! みんな最高だったよ! どうもありがとう! (※日本語で)信悟さん、ありがとうございました! (※英語で)僕の何試合か前にここで試合をした棚橋選手、あなたはまだ20年前のTシャツをずっと着続けているようだった。そして新世代の挑戦を受けたということだろうけども、俺自身が新世代を代表する男だと思っている。その男が今、このリングに立っているんだ。時代は流れ、いろんな選手がやってきては去って行った。そうした選手たちみんなにも、この時代を作ってくれたことにお礼を言わずにはいられない。みんながチャンスを作ってくれたのは間違いない。どうもありがとう。だが、『BEST OF THE SUPER Jr』の中でも今年こそが最高だったと、俺は信じている。残念ながら、欠けてしまった人もいた。例えば、高橋ヒロム。たぶんみんな、彼のことを恋しがっているし、会いたいだろうし、試合が見たいと思っているだろう。本当に心の底から会いたいし、早く治ってほしいと願っている。早く試合がしたいよ。だが、止まっているわけにはいかない。何かがあれば、誰かが出て行かなければいけないんだ。俺は日本とイギリスを往復する生活には疲れてしまった。そこで、新日本からもバックアップがあって、これから発表したいことがある。(※日本語で)私は日本に引っ越しします。どうかよろしくお願します。(※英語で)新日本のバックアップがあって、こういうことになった。でも、世界中のファンのみんなにもお礼を言いたい。そしてこれからも、ジュニアだけでなくヘビー級でも闘っていくことを約束する。俺の体、俺の魂を捧げて闘っていく。なぜなら、日本のみんな、そして新日本が俺を幸せにしてくれたからだ。(※日本語で)ありがとうございました!