新日本プロレスジュニア戦士たちの熱き15日間は未来への咆哮だ

新日本プロレスジュニア戦士たちの熱き15日間は未来への咆哮だ。

「ベスト・オブ・ザ・スーパージュニア26」の優勝決定戦が両国国技館で開催される。

現WWEのスーパースターKUSHIDA選手の悲願達成と彼の退団が発表されたのは同じ日のこと。

夢の舞台へ連れて行く道を作り、己は広い海の向こうへ旅立つ。

嬉しさと寂しさが残ったあの日から数ヶ月が過ぎた。

結果、「ベスト・オブ・ザ・スーパージュニア26」は大成功に終わった。

優勝決定戦を争ったウィル・オスプレイ選手と鷹木信悟選手の激闘は2人の無差別級戦線進出を実現する結果となり、新日本プロレスジュニアがヘビー級戦線にも食い込む未来へと続いた。

ただし、開催前に不安要素がなかったかといえば嘘になる。

昨年の優勝者髙橋ヒロム選手、KUSHIDA選手が未エントリー。

また、エル・デスペラード選手が直前の試合で負傷した影響により欠場が決定。

新日本プロレスジュニアに欠かせない3人の不在は主役不在を思わせるような雰囲気を作ってしまった。

そこで巻き起こったのは、全選手が主役の顔を魅せるという群雄割拠の戦国絵巻だった。

SHO選手のハートが伝染するかのように、ストップ・ザ・鷹木信悟へと向かうAブロック。

エル・ファンタズモ選手の暗躍とロビー・イーグルス選手、YOH選手の躍進。

ロッキー・ロメロ選手と田口隆祐選手が魅せたプロレスの奥深さ。

DOUKI選手と成田蓮選手という新戦力は新しい景色を魅せた。

そして、ウィル・オスプレイ選手。

全選手の軌跡を追った動画が2019年7月1日に「新日本プロレスワールド」で公開された。

本動画は「新日本プロレスワールド」会員限定の40分を超える作品である。ネタバレをしては意味がないため、感想を中心に書いていく。

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あなたにとってスーパージュニアとは

動画の冒頭、ファンに対して「あなたにとって『スーパージュニア』とは何か」というインタビューを行っていた。

僕もインタビューを受けた身として答えてみたい。

僕にとって「ベスト・オブ・ザ・スーパージュニア」とはヘビー級とは異なる魅力を持った舞台である。

少し言葉として正しいか分からないが、「G1クライマックス」が最強を決めるリーグ戦だとすれば、「ベスト・オブ・ザ・スーパージュニア」は最高を決める戦いだと思っている。

最強と最高に優劣はない。

どちらも素晴らしく、どちらも熱い試合が繰り広げられる。

ただ一点違うのは、「ベスト・オブ・ザ・スーパージュニア」は自身の優勝と同時にジュニアの価値向上が伝わってくるのだ。

「新日本プロレスジュニアは世界最高だ」

このメッセージが試合を通じてヒシヒシと伝わってくる。

ヒリヒリとした空気とジュニアに懸ける気持ち。

この2つが入り混じるからこそ、全体を通じで満足度の高い大会が生まれるのだと思う。

 

ハンデと個性

新日本プロレスには入門テストを受ける基準がある。身長制限が撤廃されることもあれば、復活する時もある。

つまり、規定の身長に満たないだけで新日本プロレスの門を叩くことすら許されないケースがあるのだ。

獣神サンダー・ライガー選手やKUSHIDA選手は入門テストすら受けることができなかった。

だが、いつかはあの舞台に立つと決めメキシコへと足を向けたのである。

つまり、入門という軸ではハンデになる可能性があるのだ。

 

ただ、それと同時に圧倒的な個性だとも思う。

小さい者が大きな者を倒す。これこそがプロレスの醍醐味ではないだろうか。

頭と身体能力をフル活用し、相手を上回る。ここに、ジュニアの素晴らしさがある。

2020年に向けて

SHO選手が主人公性を発揮し、YOH選手がドラゴン殺法で新境地を魅せた。

現在の新日本プロレスジュニアで唯一タッグ名を持つ2人だけにシングルでその姿を見ることは年に一度と言っても過言ではない。

成長著しい2人に加え、新しい才能も次々と花開いた。

「CHAOS」に電撃加入を果たしたロビー・イーグルス選手とヒールとして覚醒したエル・ファンタズモ選手。

 

メキシコで泥水を啜り最高峰のリングにたどり着いたDOUKI選手だっている。

来年はここに更なる可能性が加わるのだ。

高橋ヒロム選手とエル・デスペラード選手。そして、今回メキシコでCMLL世界スーパーライト級王座を戴冠したカワトサンこと川人拓来選手が帰ってくる可能性だってある。

そして、ヘビー級からジュニアヘビーへの逆輸入でKENTA選手が食い込んでくることもないとは言い切れない。

あれだけ熱かった2019年の激闘にこれだけの才能が加わる可能性があるのだ。

2020年の「ベスト・オブ・ザ・スーパージュニア」が盛り上がらない訳がないだろう。

夢の舞台は両国にたどり着いた。次に目指すのはどんなスケジュールであっても満員御礼札止めの会場にすることだ。

来年、夢の舞台に立つレスラーは誰なのか。焦らずにじっくりとその時を待ちたい。

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