EVILは「G1クライマックス29」で下克上を起こせるか?
EVILは「G1クライマックス29」で下克上を起こせるか?
敢えて“下克上”という言葉を選んだが、今のEVIL選手にとってはこの言葉が相応しいのかもしれない。
今週土曜日から幕を開ける「G1クライマックス29」はEVIL選手にとって分岐点となる可能性が高い。
現在、「ロス・インゴベルナブレス・デ・ハポン」は内藤哲也選手の発言通りお互いが刺激し合いながら成長するユニットとして真価を発揮しつつある。
まずは、SANADA選手。「ニュージャパンカップ」で準優勝を果たすと、新日本プロレスの至宝「IWGPヘビー級王座」へ一年越しに挑戦する機会を得た。
“コールド・スカル”を更にアップデートさせるかのように、モヒカンを止め華やかな金髪スタイルへ。
絶対王者であるオカダ・カズチカ選手からも「ライバル」だと彼の才能を認める発言が飛び出すなど、シングルプレイヤーとしての才能が弾けたシーズンを過ごしている。
次に鷹木信悟選手は「ベスト・オブ・ザ・スーパージュニア26」の予選リーグで全勝をマークした。
“ドラゴンスレイヤー”となったウィル・オスプレイ選手の前に敗れ去るもその実力を遺憾なく発揮し、新日本プロレスファンからの圧倒的な支持率を得た。
その実力が認められ「G1クライマックス」への初出場も決定。まさに新日本プロレス参戦後、龍の如く頂点ひ向かって驀進している。
そして、内藤哲也選手は飯伏幸太選手を打ち破り、「IWGPインターコンチネンタル王座」へ返り咲き、2冠王に向けてのジャンプ台として夏を迎える。
BUSHI選手は「ベスト・オブ・ザ・スーパージュニア26」勝ち越し。
髙橋ヒロム選手については、復帰が今か今かと待たれる中で「トランキーロ」とファンの心を掴んで離さない展開をみせている。
そう、結成から4年が経とうとしている中で、制御不能な男たちは新しい可能性を提示し続けている。
ここでEVIL選手だ。タッグパートナーのSANADA選手や鷹木信悟選手が台頭していく中で、もう一つブレイクしきれない時期を過ごしている。
闇の王は暗黒の夏に向けて、どんな気持ちを高ぶらせているのだろうか。
闇の王の2019年
2018年下期、ザック・セイバーJr.選手やクリス・ジェリコ選手にシングルマッチで辛酸を舐めさせられたEVIL選手。
2017年の「G1クライマックス」でオカダ・カズチカ選手を破り、一気にスターダムの階段を登り始めた時期と比較して、シングルにおいては苦戦を強いられてきた。
一方でタッグに目を向けてみると、「ワールドタッグリーグ」2連覇という輝かしい実績を残した。
タッグの勢いをシングルに活かしたSANADA選手。あと一歩というところで足踏みしてしまったEVIL選手。
溜まりに溜まったフラストレーションは、石井智宏選手へと向かった。
前哨戦ではない
EVIL選手と石井智宏選手の激闘は前哨戦という枠を超えたしばき合いとなった。
今の新日本プロレスに向けたアンチテーゼ。感情むき出しの試合こそが極上であると、体全身でメッセージを発するかのような勢いがあった。
結果試合には敗れたものの、手応えを感じたEVIL選手は「KIZUNA ROAD」である行動に出る。
そう、制御不能の輪に加わらないという選択だ。
焦る男、余裕な男
EVIL選手がグータッチを避けたあの瞬間。タッグパートナーであるSANADA選手が暗躍していたことが、新日本プロレス公式スマホサイトのインタビューで分かった。
「G1クライマックス29」に己の全てをぶつけ、パートナーであるSANADA選手との差を埋める。
そして、Aブロックから勝ち上がってくるであろう内藤哲也選手or鷹木信悟選手を待つ。
その決意を持って「KIZUNA ROAD」最終戦を迎えた。
仲間であろうと、『G1(CLIMAX)』の闘いはもう始まってるぞ。そしてもう1人……ゴールデンスターを暗闇の世界に葬り去ってやる。よく、覚えとけ
自分が倒すべき相手をキチンと見据えている。
2019年から新日本プロレスの所属となり、今最も注目を集める男の人、飯伏幸太選手に目を向けたのだ。
ゴールデンスターとダークネスワールド。
可憐で華やかなプロレスと屈強でぶつかり合うプロレス。
対角線以上に対極に位置する二人にしかできない試合があると僕は思っている。
注目のカード
因縁渦巻くザック・セイバーJr.選手や飯伏幸太選手、SANADA選手。
オカダ・カズチカ選手と棚橋弘至選手との試合も見逃せない。
そして、飯伏幸太選手とウィル・オスプレイ選手の試合だってある。
EVILは激闘が予見される「G1クライマックス29」のAブロックでどんな激闘を見せていくのか。
まずは、アメリカ・アメリカン・エアラインズ・センターで行われるバットラック・ファレ選手との試合を楽しみにしたい。