ジェイ・ホワイトがG1の優勝決定戦へ進む可能性
ジェイ・ホワイトがG1の優勝決定戦へ進む可能性について考えてみたい。
新日本プロレスへ衝撃の凱旋帰国から早くも2年が経とうとしている。
今ではすっかりと新日本プロレスの看板レスラーとなったジェイ・ホワイト選手はスタートダッシュに失敗したものの、じわじわと「G1クライマックス29」で勝ち星を積み重ね、優勝決定戦への進出も見えてくるところまでやってきたのだ。
決め手となったのは、ジョン・モクスリー選手から勝利を奪取したあの試合である。
セコンドの外道選手と連携しつつ、確実な勝利を目指したスイッチブレイド。
ジョン・モクスリー選手を打ち破ったことで、「IWGPUS ヘビー級ベルト」にも挑戦できる状況が生まれたのである。
新日本プロレスの至宝を一度手に入れてなお成長著しいジェイ・ホワイト選手は「G1クライマックス」2度目のエントリーで優勝決定戦へ駒を進めるこはできるのか。
CHAOS相手に3敗
正直、「G1クライマックス29」Bブロックの顔ぶれを見たときにジェイ・ホワイト選手が優勝決定戦に進む予感は少なからずあった。
僕の中では大本命・後藤洋央紀選手に続く、対抗としてジェイ・ホワイト選手が浮かんでいたのである。
つまり、事実上の優勝決定戦を懸けた直接対決がBブロック初日に開催されていたのである。
運命的にメインイベント。新技・牛殺し式GTRも飛び出すなど、この日のために仕上げてきた後藤洋央紀選手が勝利を掴んだ。
この瞬間、後藤洋央紀選手の優勝決定戦進出を確信していた僕なのだが、少々風向きが変わってきた。
ここに来てジェイ・ホワイト選手に風が吹き始めているのだ。
ただ、少し白星のエンジンが掛かるまでに時間がかかり過ぎてしまったのかもしれない。
石井智宏選手には真っ向勝負で敗北を喫し、矢野通選手には完全に手玉に取られた。
「CHAOS」メンバー相手に全敗。この屈辱がジェイ・ホワイト選手を強くした。
そう、“スーパースター”ジョン・モクスリー選手から3カウント勝ちを収めるまでという結果を生んだのだと思う。これまでの試合を振り返ってみたい。
ジュースへのリベンジ
ジェイ・ホワイト選手の「G1クライマックス29」は泣いても笑っても残り2戦となった。
横浜文化体育館でジュース・ロビンソン選手。そして、日本武道館で内藤哲也選手と激突する。
ジュース・ロビンソン選手は現在勝ち点6。自力での優勝決定戦へ進む可能性が断たれている状況である。
ここまでジュース・ロビンソン選手の試合を見ていると鬼気迫るものが伝わってくる。「G1クライマックス29」で成績を残し「IWGP 「USヘビー級ベルト」を奪還するのだと気概は伝わってくる。
そう、気概は伝わって来るのだ。
だが、“The Flamboyant”としてのケバケバしさと陽気さは鳴りを潜めてしまった。
そして、非常にやっかいなのが勝負に徹し過ぎているせいか、余裕や余白が少なく「この試合が凄かったよな!?」というインパクトが若干弱い。
例えば2018年の「ニュージャパンカップ」で棚橋弘至選手と激突し、掟破りのハイフライフローを見舞った時のような、圧倒的な衝撃が今のところ無い気がしている。
だが、ジュース・ロビンソン選手が今、もっとも欲しいは内容よりも結果である。そう考えれば、残り2戦で必ず勝利を掴みに来るとも言える。
「IWGP USヘビー級ベルト」を奪った相手と奪われた相手。ここからジュース・ロビンソン選手の本当の戦いがはじまるのだ。
ラストは内藤哲也
両国国技館のBブロック最終戦に組まれたカートが、「ロス・インゴブレナブレス・デ・ハポン」と「バレットクラブ 」によるリーダー対決である。
ジェイ・ホワイト選手や邪道外道の加入により一気に大所帯となり、新日本本隊と「CHAOS」の連合チームと激突していた「バレットクラブ 」。
内藤哲也選手率いる「ロス・インゴブレナブレス・デ・ハポン」と相対する機会はこれまでほぼなかった。
いや、ここ数年「ロス・インゴブレナブレス・デ・ハポン」と「バレットクラブ」は大規模な抗争を繰り広げていないのだ。
「IWGPタッグ」や「IWGPジュニアヘビー」など点と点が重なり合い、試合をすることはあっても因縁めいたものは薄いのだ。
これはケニー・オメガ選手時代もそうだった。夏に内藤哲也選手は「バレットクラブ」のリーダーと激突する。
その一戦が持つ意味はあまりにも大きい。結果次第で大きく流れが変わる一戦となっているためだ。
ジェイ・ホワイト選手は再び「IWGPヘビー級ベルト」を手に入れる最大のチャンスを手にし、内藤哲也選手は白と黒の同時戴冠に向けてこれ以上ない切符を手中に収めることになる。
おそらくこの試合の結果がBブロックの優勝決定戦進出者にとって大きな影響を生むことになるだろう。
ジョン・モクスリー選手を倒したことが、ジェイ・ホワイト選手にとってどんな結果につながっていくのだろうか。
いよいよ「G1クライマックス29」が最終局面を迎えつつある。
どうだ見たか!俺は今日、最もより危険な試合をしてそれを制した。ここ数日全員を倒してきている。しかもスーパースターだった男を今日は倒した。それはジョン・モクスリーだ。奴を罠に嵌めてやった。これで分かっただろう?お前を踏み台にして上がっていく。俺がこれでナンバーワンだという事がわかっただろ。これからも俺はお前よりずっとずっと上に立ちはだかる。ジョンよ、スイッチブレイドの呼吸を味わったか?