棚橋弘至の三冠王宣言に見る、逸材の本領について

棚橋弘至の三冠王宣言に見る、逸材の本領について書いていきたい。

真夏の祭典「G1クライマックス」が飯伏幸太選手の優勝で幕を閉じ、“G1ロス”という言葉も飛び出すなど例年以上の熱さを見せた新日本プロレス。

そんな興奮冷めやらない2019年8月17日、週刊プロレス創刊2000号突破を記念したイベントが開催された。

第1部は内藤哲也選手、第2部には棚橋弘至選手が登場。

棚橋弘至選手は「棚橋弘至の「生ドラゴンノート」祝連載400回突破」と題し、6年半振りのトークショーを行なった。

Twitterを見ていても数多くのファンが集まったことが分かる。令和初の夏。逸材の夏。

オカダ・カズチカ選手、内藤哲也選手、飯伏幸太選手、ウィル・オスプレイ選手から引導を渡されつつも、未だ前を向き続ける“100年に一人の逸材”棚橋弘至選手の気持ちを切り替える姿勢に僕は彼の本領を見た。

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株式会社逸材のCEO

棚橋弘至選手とは一体何なのか。その答えについて考えてみると、明らかに革命家である点が目に止まる。

例えば、書籍。自伝や写真集、トレーニング本がプロレスラーが刊行するジャンルの書籍だと言っても過言ではない(真壁刀義選手のスイーツ本は例外)。

ただし、棚橋弘至選手はビジネス書に踏み込んでいる。それも一冊や二冊ではないのだ。

自伝、ビジネス書。これはもうプロレスラーと並行して、株式会社逸材のCEOというポジションに就任していると言っても過言ではない。

そう、多くの経営者たちの本を読むとある共通点がある。テクニックをどんなに学んでも成功できない理由はこの一点に限るのだ。

心が強い人が勝つ。

元々棚橋弘至選手は身体能力で圧倒してきたタイプのレスラーではない。メンタルと努力に裏打ちされたプロレス力でどんな難敵をもなぎ倒してきた。

だからこそ、加齢による衰えすらプラスに変えることができるのだ。

そう、飯伏幸太選手が「G1クライマックス29」の初戦で足首を負傷した結果、場外への飛び技が使えなくなったことで、新境地を見出したように、マイナスは新しいプラスを生むための原材料なのだ。

 

IWGPに何度でも

今回の三冠王宣言(IWGPヘビー級ベルト、IWGPインターコンチネンタル ベルト、ブリティッシュヘビー級ベルト)を受けて、改めて棚橋弘至選手は半端じゃないと感じた。

昨年の覇者も「G1クライマックス29」は負け越し。ブリティッシュヘビー級ベルトに挑戦する段階にいる逸材はいきなり、上から目線で2人のレスラーをバッサリと切ったのだ。

まずはコメントを見てみよう。

 棚橋といえばベルト姿での表紙も多いが、内藤哲也や飯伏幸太がIWGPヘビーとIWGPインターコンチの二冠に色気を見せていることから、湯沢編集長が「棚橋選手は二冠を意識したことは?」と質問。すると棚橋は「二本二本って、オマエら、まだまだだなと。俺は(ブリティッシュヘビーと合わせて)三本いくよ」とニヤリ。そして、あらためて「僕は目標を持ってますから。もう一度、IWGPのチャンピオンになります!」と宣言すると、場内を大きな拍手が包んだ。

そもそもは内藤哲也選手がぶち上げた、二本同時戴冠の夢に飯伏幸太選手が割り込んできた今回の二冠王騒動。

棚橋弘至選手は先輩ならではの「まだまだだなぁ(ʅ(◞‿◟)ʃ)という目線で俺なら三冠王と目標を語ったのだ。

そう、棚橋弘至選手は夢を語らない。常日頃から目標を断言する。「○○をします」。と言い切る。

出来る出来ないじゃない。やる。やり切る。

棚橋弘至選手は恐らくプレッシャーを楽しむタイプではなかったはずだ。

常に崖っぷちの恐怖心と向き合い、乗り越えてきた。

だからこそ誰よりも優しく、誰よりも気高い“棚橋弘至”が誕生したのだと思う。

棚橋弘至選手は以前、俺の進化は光よりも早いと語った。今は進化と同時に深化している印象しか受けない。

深みを増し続ける逸材による棚橋プロレス。その答えの一つに試合を見ていて「自然と心が動く」というものがある。

人の心を惹きつけるプロレス。これが飯伏幸太選手が神と呼ぶ所以なのかもしれない。

 

風車の理論で狙うポジションは?

これはあくまでも個人的な意見だが、棚橋弘至選手には常に初めてだったり前人未到の領域に挑み続けて欲しいと思っている。

狙いにいった「IWGPヘビー」と求められた「IWGPインターコンチネンタル」。

現在はイギリスの至宝「ブリティッシュヘビー」に狙いを定めているが、「IWGP」はもう一本あるのだ。

「IWGP USヘビー級」。未だ日本人王者が誕生していない海外戦略を象徴するベルトである。

現在の王者はジョン・モクスリー選手だが、寂しく切ないことに次の参戦タイミングが読めない。

彼のファイトがまた見たい。特に棚橋弘至選手と対峙した時にどんなプロレスになるのか興味が湧きまくりだ。

狙うは「IWGP」のグランドスラム。そして、秋に開催される?新日本コンクルソで披露されるであろう「キレてる!キレてるよ!逸材の腹筋!チョコモナカ!広背筋に愛の文字が見える!そこまで絞るには眠れない夜もあっただろう」と声が飛び出す肉体美も楽しみにしている次第だ。

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