鈴木みのる選手にインタビューする度胸と頭のキレが欲しい
鈴木みのる選手にインタビューする度胸と頭のキレが欲しい。
新日本プロレスの公式サイトで公開された「【一問一答!】今回は鈴木みのる選手!一問一答のはずがロングインタビュー状態に!? プロレス王がベストバウト、練習方法、“カッコいい死に場所”について激語り!(前編)」を読むと改めて色々なことを考えさせられた。
普段あまりこういったことを書いていないが、僕はフリーランスとして一つの企業に属さず、複数のプロジェクトを担当している。
例えばゲームの宣伝だったり、エンジニア向けの広告記事制作。
仕事柄これまで多くのビジネスマンやアーティスト、声優さんなどにインタビューも行ってきたが、鈴木みのる選手ほどインタビュアー“泣かせ”な人物はいないと思っている。
“泣かせ”という言葉尻だけ拾ってしまうと、気難しい方だと感じてしまうかもしれないが、決してそうではない。
鈴木みのる選手はプロレスを超えてヒールのプロであり、経営のプロである。
つまり、お金を稼ぐことにおいては、一切の妥協をしない。対面する相手がいればとことん要求する。礼儀や尊敬、知識。鈴木みのる選手を納得させるまではいかないまでも、ボーダーラインに乗らなければ、悪態すらついて貰えない可能性だってある。
「お前は俺が時間を割くほどの相手なのか」
一問一答は有料コンテンツなので、ネタバレしないが、無料公開された箇所や僕の感想を中心にここからまとめていきたい。
この返しにどう返すのか
何事もシュミレーションが大切である。ただし、信頼関係ゼロの状態、初取材の鈴木みのる選手の切り返しに対して、どう受け答えするのか。この課題を考えるだけで、インタビュースキルのレベルが上がると思った。
●あきょさんからのご質問
新日本プロレスの中で今1番戦いたい選手は誰ですか??理由も教えて頂きたいです…!!鈴木 ああ? こんなのいちいち聞いてんじゃねーよ!――す、すみません。とはいえ、こういうスタイルのコーナーなもので……。ご興味あるレスラーはいませんか?鈴木 俺が興味あるヤツを、いちいちこんなもんで喋んなきゃいけない理由はないだろ?――それは、逆に言えばいらっしゃるということでしょうか。鈴木 いなきゃ、こんなとこ(新日本プロレスから)からとっくにいなくなってるだろうが。俺の話をまったく聞かない横暴な権力者たちの自己満足の会社なんて、とっくにいなくなってるだろうが。(闘いたいヤツが)いるからいるんだよ。――この場で伺うことは難しいですか?鈴木 はあ? おまえにしゃべりたくないだけだよ。
「おまえにしゃべりたくないだけ」
取材中にこの言葉が出た場合、正直固まる人が大半だろう。
ただし、対価を支払い、相手にも時間をもらっている以上粘るしかない。粘る。滑ったとしても挑戦し続ける。
質問に対して、厳しい指摘を行うインタビュイーは、そんな姿勢を測っているのかもしれない。
獣神サンダー・ライガー
有田と週刊プロレスとで、「SUKIYAKIを超えた」とも評価された鈴木みのる選手の入場曲「風になれ」。
昨今の新日本プロレスで歌がメインに置かれた入場テーマ曲を利用しているレスラーは限られている。
鈴木みのる選手、タイガーマスク選手、タイチ選手そして、獣神サンダー・ライガー選手。
怒りの獣神と風になれが交互に鳴り響く瞬間はいつ訪れるのだろうか。
プロレス王
そもそも考えてみればインタビューの場は、プロレス王に謁見しているわけなので厳しい言葉や実は深みのあるメッセージが飛び交うのは当たり前なのだ。
試合をしていて楽しい・熱くなる選手、苦手な選手はおられますか?
鈴木 情熱はすべての試合で燃やしてるし、全員に熱くなってるし。ちなみに、俺、2秒で熱くなれるし、1秒でキレれるから。「それは誰ですか?」とかさ、そんな若手みたいな質問すんなよ。逆だろ? こういうのは、鈴木を相手にすると熱くなれるとか、鈴木のこと嫌いだから俺はアイツに負けたくないとかっていうヤツへの質問であって、俺に対する質問じゃないだろ? 俺が相手を選ぶんじゃねーんだよ。
2秒で熱くなれて、1秒でキレる。
誰が相手でも常にベストバウトを更新できる。鈴木みのる選手は“予約済”の「IWGPヘビー級ベルト」を回収する日が迫ってきたのかもしれない。