石井智宏とKENTA、そして柴田勝頼の「NEVER」

石井智宏とKENTA、そして柴田勝頼の「NEVER」について書きたい。

ヒデオ・イタミからKENTAとなり、新日本プロレスの「G1クライマックス29」に参戦したKENTA選手。

初戦で今回の覇者となった飯伏幸太選手を破ったものの全体の評価については賛否両論が巻き起こった。

簡単に分類すると、新日本プロレスしか見ていない層(プロレスリング・ノア時代のKENTA選手を知らない層)とこれまでのKENTA選手を知っている層で明らかに評価が異なっている印象を受ける。

つまり、KENTA選手のプロレスの見方を知っているか否か。そのファイトスタイルを許容できるか否かが彼を受け止めるのかに直結するのである。

そんなさまざまな思惑が渦巻いていたものの、結果的には柴田勝頼選手を裏切ったことで彼の真骨頂が前面に出る形となった。

ヒールとして戦うのであれば、あのファイトスタイルやふてぶてしさも受け入れられる。

そう思った新日本プロレスファンも多いのでないだろうか。

KENTA選手は「バレットクラブ 」に電撃加入を果たしたことで、WWEを退団してまで追求したい夢に手が届くのかもしれない。

が、裏切ったタイミングについては、あまりにも残酷で無慈悲だった。

柴田勝頼選手と共に現れたあの日から約2ヶ月。悪に染まる宣言をした瞬間、同じコーナーにいたのは柴田勝頼選手と幾度となく抗争を繰り広げてきた石井智宏選手だったのだ。

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柴田勝頼へ渡ったバトン

「NEVER無差別級王者」と言えば誰?

この質問に対する答えで新日本プロレスをどのタイミングでよく見ていたのかが分かる。

石井智宏選手や田中将斗選手であればベルトが新設された2012年から2015年。

2015年から2016年までは柴田勝頼選手の1人世代抗争を中心に物語が紡がれていった。

そして、2017年以降は後藤洋央紀選手を中心に鈴木みのる選手やタイチ選手などベルトを巻くレスラーによって次々と景色が変わる展開となったのである。

奇しくもKENTA選手が裏切った相手は「NEVER無差別級王者」に返り咲いていた石井智宏選手だった。

石井智宏選手から柴田勝頼選手が「NEVER無差別級王者」のバトンを引き継いだ流れに再度KENTA選手は挑もうというのだろうか。

 

俺が、アイツのために、どれだけ苦労したのか。どれだけ苦労して、このリングにつなげたのか。アイツ、これっぽっちも分かってねぇよ! ……でも、いいんじゃねぇの? いいんじゃねぇの? 自分で道を見つけて、お仲間もたくさん増えて、うん。いいんじゃないすか? ただ、これだけは言っとく。どこ行っても、どこのリングでも、ちゃんとKENTAでいろ。関係ねぇよ、別に、仲良しこよししたくて連れてきたわけじゃないし。アイツだって言ってたじゃん。迷子が道を見つけられて、よかったじゃん。それだけの話だよ。いいよ、別に。どうってことねぇよ。ただ、あと、これだけは言っとくよ。人の顔を蹴ろうとした時に、転ぶな! バカ野郎! 以上ーッ!

 

名勝負製造機の本気

石井智宏選手は明らかにキレていた。「GBH」や初期の「CHOAS」などヒールレスラーとしての期間も長く裏切る場にいることは珍しくないはずなのだが、こうして裏切られる側に立つのはかなりレア瞬間だったのではないだろうか。

そのためか石井智宏選手は珍しく声明を発した。やり方がくだらないと。オレをダシに使うなと。

怒髪天を突く勢いで憤怒する石井智宏選手はこれまで以上に怖い存在となるだろう。

(※フラついた足取りでインタビュースペースに来ると、顔を押さえながら)くだらねぇなぁ、オイ! やり方がくだらねぇんだよ! BULLET行くなら最初から行けよ、この野郎! 2対4でやってやるよ! やり方がくだらねぇよ! KENTA! コレがテメェのプロレスかオイ! くだらなすぎるんだよ! BULLET! テメェらも一緒だ!

 

KENTAとベルト

石井智宏選手はファンからの支持率が凄まじいレスラーである。今回の「G1クライマックス29」で更にファンの心を掴んだ印象すらある。

そんな新日本プロレスの顔とも言える石井智宏選手にKENTA選手はどう立ち向かうのだろうか。

皮肉にも盟友だった柴田勝頼選手の所有物だった「NEVER無差別級ベルト」を懸けた試合。

そして、これまた何の縁か柴田勝頼選手がよく遠征していたイギリスが勝負の舞台となる。

新日本プロレスに柴田勝頼あり。

盟友の意思を継がず、盟友の意思に背を向けつつも、その喧嘩道に挑戦する。

悪に染まったKENTA選手の本気が石井智宏選手の手によって引き出される「NJPW Royal Quest」まであと一週間だ。

いやぁ~、最後、『G1』締めたねぇ! メチャクチャ気持ちよかったなぁ……。ブーブー言ってたな! ブーブー言ってたよ! 柴田もうれしかったろう、あんだけ久々に声援浴びて。あ!? 礼の一つでも言いに来いって。今日から新しい始まりだよ。俺から目を離すなって言ってたろ、ここ何日か、ずっと。まだまだ終わんねぇぞ!

KENTA選手はこのオフ中にどんな変化を生み出してくるのか。

色々な角度から楽しめる勝負までもう少しである。

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