新日本プロレスファンはおっさんずラブの夢を見るか

新日本プロレスファンはおっさんずラブの夢を見るか。

タイトルに深い意味は無いし、ネタバレを書くつもりもない。ただ、おっさんずラブというコンテンツに対して、僕が思っていることを書き留めておきたいと思う。

おっさんずラブを見ると、時代の移り変わりによりテレビというメディアは大きな変化を遂げたことがわかる。

Twitterトレンド世界一は伊達ではない。メディアが変化したというよりも、コンテンツは偉大なのである。

ただし、おっさんずラブはそのテーマ性に対して、上乗せしたエッセンスが年齢が上になればなるほど支持を得られないケースがある。特に男性ユーザーは、少し抵抗のある方もいるだろう。

なので、基本スタンスをニュートラルに置くこと「これは物語だ」とまず認識する必要がある。

先に書いておくが、僕は基本的に自分に悪影響さえなければ他人のことは“どーでもいい”と思っている。興味がないという文脈ではない。

「他人から見たときにこれって変かな?」と思うようなことに対して、全く違和感を感じないタイプなのである。

この前提を読んだ上でここから先に目を通して欲しい。

まず、中高生から成人男性が喜ぶような地上波のコンテンツは平成初期で絶滅した。にも関わらず平成の後期には“自由”恋愛の象徴たる「おっさんずラブ」が映画にまで漕ぎ着け、日本列島で大人気を誇っている。

つまり、中高生から成人男性が喜ぶような地上波のコンテンツはNGだが、おっさん同士の“ピュア”な恋愛ならばよしという価値観になっているわけだ。

と、表面的に考えるのは良くないよ?という話をここから書いていく。

今回の主題は本質を捉えることである。

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本質的な恋愛とは何か

プロレスファンは本質を知ることにアンテナが立つ生き物であり、例え何を言われてもそこから目を離すことができない人種である。

おそらく、オタク文化に明るい彼が、あのタッグをBL路線に乗せたのは決して偶然ではないのだ。

吉田鋼太郎さん演じる黒澤武蔵は「可愛すぎる!存在が罪!」と自身が会いたくて会いたくて、震えるほど恋しい春田創一(演 田中圭)のことを表現した。

あるレスラーは試合後に突如「君が好きだと叫びたい」と供述し、“多様性”を全面に押し出した。

この二つが表現しようとしているのは濃すぎる純愛だ。言葉では到底表現できないようなピュアな気持ち(白米)におっさんずラブであれば、「おっさん」、「上司と部下」、「ラブコメタッチ」という“振りかけ”をかけて美味しく、何杯でも食べられる状態を作ったのである。

おっさんBLラブコメが流行っている令和の夏。皆さんいかがお過ごしだろうか。

 

見たほうがいいのか?

個人的におっさんずラブは見たほうがいいと思う。話題になることには理由がある。

おっさんずラブはデリケートな作品なだけに、とても丁寧な作りになっている。

ピュアの気持ちで楽しんで欲しいため、内容は書かないが、要素がギュッと詰まっていながらも、演出のきめ細かさやキャストの好演技が光っている。

本作のプロデューサーはある種の意図を作品に込めている気がする。

作品のテーマはシンプルに純愛だ。これは間違いない。登場人物たちが選ぶそれぞれの選択は必ずしも、一般的と呼ばれたし幸せの形ではないのかもしれない。

ただし、スマホが台頭しコンテンツの楽しみ方だけでなく、生き方にも属人性が色濃く出る時代においては「幸せの定義」すら曖昧になったのかもしれない。

つまり、プロデューサーたちが訴えたかったのは、大きく2つなのでないだろうか。

まずはBLというジャンルを日本で流行らせること。これにはジャンルとしての奥ゆかしさと魅力を世間に伝えたいという“純愛”がある。

次にダイバーシティを一般的にしたいという明確な意思である。おっさんずラブのネタバレを見た人は、明らかに引っかかる設定を目にすることになる。

僕自身、本編よりもWikiを先に読んだため、「!?」となった箇所があった。

“純愛”を通じて、世の中はもっと良くなる。

“純愛”というミルクティーに“おっさん”というタピオカをぶち込んで、甘くとろけるラブコメに仕上げた。

おっさんずラブの戦略は緻密で挑戦的である。だからこそ、初日で興行収入30億円超えの大ヒットを記録したのだろう。

 

楽しみ方と本質と

最近のファンはプロレスの楽しみ方がこれまでと変わっている。

僕はそもそも最近のファンであるため、これまでのファンがどのような気持ちでプロレスを応援してきたのかは分からない。見ていて「?」と思うことは無いかと言われれば、それは返答に困るわけだが、そもそもエンターテインメントやコンテンツと人が触れ合うとはそういっまものなのでは無いだろうか。

他人や周りにどう言われても気にする必要なんてない。インターネットの普及は従来最も大切にすべきだった半径5メートルの繋がりを拡張することに成功したのである。

そう、周りにいなければインターネットの世界で探してみればいいし、発信してみればいいのだ。

新日本プロレスファンはおっさんずラブの夢を見るか。この二つのコンテンツが目指している共通点を考えてみると、自ずと正解は見えてくる?ような気がしている。

ワーワー言いながら見ても楽しい。じっくりと紐解いても楽しい。

優れたコンテンツとは何十層にも重なり合ったミルフィーユのようなものであり、単一的な魅力で語ることができないものなのだ。

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