ヤングライオン杯で辻陽太は目標を叶えるチャンスを掴み取れるか?
ヤングライオン杯で辻陽太は目標を叶えるチャンスを掴み取れるか?
令和初となる秋に辻陽太選手の魅力が爆発する展開が待ち受けているのかもしれない。
新日本プロレスは野毛、LA、ファレそれぞれの道場出身者による前代未聞のヤングライオン杯を発表した。
正式タイトルは『第12回 ヤングライオン杯争奪リーグ戦』。
海野翔太選手や成田蓮選手、上村優也選手など野毛道場で生まれ育ったレスラーを中心にLA、ファレ道場のヤングライオンも集結する。
クラーク・コナーズ選手やカール・フレドリックスだけでなく、第3の男・アレックス・コグリン選手の来日が決定。また、バッドラック・ファレ選手がニュージーランドで主催しているファレ道場からマイケル・リチャーズ選手も参戦するという。
従来の野毛道場出身者同士のぶつかり合いとは一味異なる展開が待ち受けていそうである。
中でも僕は辻陽太選手に注目していきたい。
黒パンで統一された“ヤングライオン”の中でも異彩を放つ辻陽太選手の魅力とは一体何なのか。
この点をしっかりと紐解くことで、より新日本プロレスの秋を楽しむ準備を進めていきたいと思う。
まずはこれまでのヤングライオン杯を振り返ってみよう。
2017年のヤングライオン杯において全勝で優勝したのは、今やYOUTUBERとして活躍している北村克哉さんである。
新日本プロレスで飛躍するために
新日本プロレスがヤングライオン杯を初めて開催したのは1985年のこと。“リバプールの風”となった山田恵一氏が準優勝している。ちなみに第2回の優勝者は山田恵一氏である。
ここからは歴代の優勝、準優勝者をピックアップしていきたい。
蝶野正洋選手や橋本真也さん、山本広吉(現、天山広吉)選手、小島聡選手、中西学選手、永田裕志選手、石澤常光さん、真壁伸也(現、真壁刀義)選手、田口隆祐選手、後藤洋央紀選手、そして川人拓来(カワトサン)選手。
将来大活躍するレスラーが通る道一つの道だと言えるだろう。
ちなみに、第10回と11回の間は12年も空いている。それほどまでに貴重な大会であり、優秀なレスラーが複数名同時に在籍した時のみ開かれる選ばれし者たちのリングなのである。
全方位に戦いを求めていた
なぜ、僕が辻陽太選手に注目しているかと言われれば、気付けば魅力されていたとしか言えない。
1993年生まれの25歳にして、圧倒的な風格と言動。そして、感情が伝わる試合。
その全てに将来活躍するだろうなぁという素地を感じるのだ。
例えばコメント。
辻陽太選手は新日本プロレスで初対決した先輩レスラーに対して、リスペクトを現す言葉を怠らない。
「あなたと戦えて幸せだ。いつか超えたい」
こうしたコメントを常に発信している。また、自分以外のヤングライオンたちがスープレックスを使い始めると「色気を出している」と一蹴した。
その際には「LA道場のヤングライオンには興味がない」とも語った。※この言葉は後日、訂正された
辻陽太ブランドは言葉にある。その言葉の色をそのまリングの上で表現する。
このバランスが辻陽太選手の魅力なのだ。
優勝候補、海野翔太
辻陽太選手を絶賛しつつも、今回のヤングライオン杯には優勝候補が存在している。
「IWGP USヘビー級王者」ジョン・モクスリー選手のスパーリングパートナーに選ばれた男海野翔太選手である。
2019年の春には「ニュージャパンカップ」にエントリーされ、棚橋弘至選手と全力ファイトを魅せるなど、野毛道場の中で頭一つ抜けている印象を受けている。
このコラムでも度々触れているが、海野翔太選手にもそろそろ海外遠征の時期が迫ってきている。
このヤングライオン杯を制することで次のステージに向かうことはできるのか。
この点にも注目したいところである。
柴田勝頼からの刺客
ただし、忘れてはいけないのが柴田勝頼選手からの刺客。LA道場のヤングライオンたちである。
今のところ野毛道場のヤングライオンたちは彼らの前に苦汁を飲まされている。
結果から言えば、黒星が連続しているのである。
柴田勝頼選手は「娯楽がなく、練習するには最適の環境」とLA道場を評価ている。
後藤洋央紀選手が自分を探すために門を叩いた場所。
10キロ以上減量し、新技を開発た結果「G1クライマックス29」の準優勝であるジェイ・ホワイト選手を破ることに成功したのはLA道場での鍛錬にあったのだ。
常にそんな環境でトレーニングを積んでいるLA道場の“ヤングライオン”たちは野毛道場の兄弟を相手にどんな試合を魅せるのだろうか。
東京ドームの第1試合へ
最後に。辻陽太選手は自身の目標を明確に語り続けている。
「東京ドームの第1試合に出場する」
これが辻陽太選手が現在掲げている目標なのだ。
ヤングライオン杯に優勝することでその夢が現実になる可能性が生まれてくる。
まずは2019年9月4日に開催される後楽園ホール大会から。アレックス・コグリン選手から辻陽太選手の挑戦ははじまる。