新日本プロレスはイギリスで半端なく愛されていた
新日本プロレスはイギリスで半端なく愛されていた。
新日本プロレスが運営する動画配信サービス「新日本プロレスワールド」にて、2019年9月1日にイギリスはロンドンで開催された「NJPW Royal Quest」の後日配信がスタートした。
生中継を見ていたCSテレ朝チャンネルやFITE TV組以外の新日本プロレスワールド勢はようやく今大会を目にすることができるようになったわけである。
「NJPW Royal Quest」は新日本プロレス初となるイギリス大会だ。つまり、アメリカと同様に新日本プロレスをそのまま輸出して行われる大会となる。
早速動画をスタートするとあることに気付くと思う。
イギリスのファンたちは新日本プロレスが来るのを心から待ち望んでいた。
第1試合からレスラーの一挙手一投足に感激し、歓声を上げ、驚いた表情を魅せる。
そして、何よりも驚いたのが新日本プロレスを熟知しているということだった。
異国の花道を歩く選手たちは緊張感を持ちつつも、どこか嬉しそうな表情を浮かべている。
いや、きっと嬉しいに違いない。自分たちのプロレスが東京から9,556km離れたイギリスの地にも届いていたのだから。
監督コンビと最高のタッグ
「これぞ新日本プロレスだ」そんな試合を求められる第1試合にエントリーしたのは田口隆祐選手、海野翔太選手、成田蓮選手VSロッキー・ロメロ選手&SHO選手&YOH選手だった。
成田蓮選手はデビュー2年未満で、イギリスは6000人以上の前で試合をするという大きな経験を積むことになった。
これからスタートするヤングライオン杯で優勝候補の筆頭として挙げられる2人。
同じコーナーに立っていてもライバル関係はそのままといったところだろうか。
そして、試合後のバックステージでは田口隆祐選手がロッキー・ロメロ選手をスカウト。監督タッグの結成を依頼するという動きに出た。
常に自分の組んだ相手がスケールアップし過ぎてしまう名監督。次のパートナーは「ベスト・オブ・ザ・スーパージュニア26」で多くのファンから感動の涙を誘ったブラックタイガーことロッキー・ロメロ選手だった。
こうやって新しいね、歴史のスタートに立ち会えたことは、非常に光栄です。ただ、今日の試合に関しては、ロッキー、ロッキーがヒップアタックを使うという。いいケツ持ってるんじゃないすか。ロッキー、ロッキーさん。3Kもいいけど、タッグ組みましょうよ。タッグ組みましょうよ、ねえ。ジュニアタッグの季節ですよ、そろそろ。3Kの面倒見てるだけでもしょうがないでしょう? ロッキーさん、ロッキー監督。“監督タッグ”でハイ、お願いします。ジュニアタッグチームですね
ナイトーコールが大爆発
「バレットクラブ」 のジェイ・ホワイト選手が入場すると会場から大ブーイングが巻き起こった。
そんなに“スイッチブレード”が憎いのかと。それほどまでのブーイングを贈っていた。そんな“大歓声”を聴いてご満悦のジェイ・ホワイト選手。やっぱりモノが違うのだ。
日本国内では足らず、全世界でブーイングを浴びることができる最強のヒールレスラー。
ヒールレスラーが歓声を浴びる時代に、ブーイングしか巻き起こらないという安定感がジェイ・ホワイト選手にはある。
短期間での圧倒的な成長とヒールとしての飛躍。この伸びが現代新日本プロレスを支えるもう一つの竜骨なのだ。
そして、稀代のヒールレスラーの次に登場したのが、「ロス・インゴベルナブレス・デ・ハポン」SANADA選手、そして内藤哲也選手だ。
ここは絶対にコールしたかった。そう感じずにいられない「NAITO」コールが大爆発。
新日本プロレスワールドで観戦していても「嘘でしょ?」というほどのボリュームになっている。
花見のラストで子どもとグータッチするところまで、完全にいつもの新日本プロレスである。
「ロス・インゴベルナブレス・デ・ハポン」と「バレットクラブ」。それぞれがそのままの形で受けいれられていたのが印象的だった。
KAZENINARE
煽り動画が終わり「待ちきれない!!!」とばかりに拍手がはじまる。が、中村あゆみさんの声が響くと拍手がストップ。間奏で改めて拍手がスタートするあたり、英国の紳士淑女は明らかに鍛えられたプロレスファンであることが入場時からハッキリと分かる。
そして、何よりも会場全体での「KAZENINARE!!!!」と叫んだ瞬間。音声が振り切れたんじゃないかというボリュームだ。
これほどまでにイギリスは鈴木みのる選手を新日本プロレスを愛してくれているのだと、こころが揺さぶられらた瞬間である。
肌の色も住んでる土地も関係ない。いいものはいい。カッコいい人はカッコいい。
強い男、鈴木みのるに僕たちの心は奪われるのだ。
いいじゃん。やろうよ
惜しくも地元イギリスの地で棚橋弘至選手に敗れてしまったザック・セイバーJr.。
試合中には会場全体から「GO ACE!」コールが飛び出すなど、とても心が熱くなる瞬間が多々あった。
ここぞという時の白コスチュームで挑んだザック・セイバーJr.選手の地元でいい試合を魅せたいという気概も素晴らしいじゃないか。
僕は今回のロンドン大会を見ていて、定期的に新日本プロレスは海外興行を行った方がよいと改めて感じた次第だ。
そもそも新日本プロレスはチケット収入から配信を含めたコンテンツ収入の比率を収益のメインに据える計画を組んでいる。
急増した海外での興行もそこがねらいなのだ。
ただ、そうしたビジネス面を除いたとしても、時々海外で大会をして欲しいと思う。
だって、あんなにも僕たちが会場に行った時と同じ、いやそれ以上に楽しそうに試合を観戦し、熱狂しているのだから。
住んでいる地域や使っている言語は違ったとしても新日本プロレスファンという同じ趣味を持った仲間である。
彼らも生で、会場で新日本プロレスが見たいのだ。そう思うと、定期的な試合を組まれるのは素敵なことなのだと思う。
新日本プロレスはイギリスで半端なく愛されていた。自分たちが愛する新日本プロレスは世界に広がっている。これって本当に素晴らしいことだと思うのだ。