なぜ、獣神サンダー・ライガーがバックステージで激怒したのか?

なぜ、獣神サンダー・ライガーがバックステージで激怒したのか?その胸中にはどんな気持ちがあったのか。

今回はこの点について考えてみたい。「鈴木軍」鈴木みのる選手および新日本プロレスに対して、早期の引退も辞さない姿勢を見せた。

2019年9月8日。永田裕志選手によるレスリングライフ35周年を記念して行われた「永田裕志の地元自主興行『BLUE JUSTICE Ⅸ ~青義継続~」は、ヤングライオン杯にはじまり、新日本プロレスの人気レスラーが揃い踏みし、見所しかない試合が繰り広げられた後、この日の主役たちが姿を現した。

ヤングライオン出身のレスラーが3人在籍していた「バレットクラブ」との激突を経て、東金アリーナは素晴らしいエンディングを迎えた。

「1.2.3.ゼア!!」

永田裕志選手が会場を美しく締めた後、第三世代の4人(天山広吉選手、小島聡選手、中西学選手、永田裕志選手)と獣神サンダー・ライガー選手はリングサイドでグルリとハイタッチ。

「プロレスはやっぱり素晴らしいなぁ」

そう思った矢先、新日本プロレスワールドの中継に怒りの獣神が激昂する姿が映し出された。

怒りの標的は鈴木みのる選手。彼の悪行に対して、非難するメッセージを打ち出したのである。

 

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鈴木みのるに激昂した原因

今回、獣神サンダー・ライガー選手の怒髪が天を突いたキッカケは後楽園ホールの試合にある。

解説席の獣神サンダー・ライガー選手をメインイベントのリングに向かっていた鈴木みのる選手が強襲。リング上で蹂躙される獣神サンダー・ライガー選手を救出するため、棚橋弘至選手と田口隆祐選手が現れた。

ダメージの影響でこの日は流石に引き下がったが、その怒りはもはやリミッターをぶっ壊した先のレベルにまで達していた。

試合後に見せていたようなお客様を楽しませる姿勢は消え失せ、周囲を凍りつかせるほどの殺気を纏った獣神は記者に対しても、辛辣なメッセージを言い放った。

 

ライガー「今日は永田の記念試合。しかも永田の地元で。こんなこと言いたかないけど、鈴木のクソバカ野郎に伝えとけ。なんで放送席で放送、解説やってる俺を襲うんだ? 俺にグタグタ言うなら、リングの上から、放送席に座ってる俺に言えや。どんだけの人間に迷惑かけてんだよ! 解説途中で退席になって、(放送)機材はメチャメチャ。何を考えてんだ、あのクソバカは! やめちまえ、鈴木軍なんて! 何のためにあるんだよ! 何のために襲撃してんだよ! (シングルマッチを)やりたいならやりたいって言えばいいじゃないか! リングの上から『ライガー、そんなトコ座ってんじゃねぇよ。早くリング上がって来い。俺とシングルマッチやれよ』って。(それで)済む話じゃないのか!? (※記者に向かって)お前ら、あれ見てどう思うんだ? 『鈴木が正当ですね』って、『あれがまともですよ』って、お前ら思うか? どれだけの人間に迷惑かけてんだよ! やりたいなら『やれ』って言やいいじゃねぇか。逃げも隠れもしねぇよ、こっちは。バカが! あんなの、新日のリングに上げんじゃねぇよ! あいつが新日のリングに上がるって言うなら、俺、とっとと新日のリングで引退するぞ! (1.4&5東京)ドームまで待てるか、あんなクソガキのいるリング! 入退場時にはセコンドに手出すわ! セコンドは仕事してんだよ。ただ単に立ってるだけじゃねぇんだよ! あいつらに手出して、何があるんだ、テメェ! お前らそれ見てて、おかしいと思わないか!? なんでこの人は、セコンドの若手に手出すんだ? 殴るんだ? イスでブン殴るんだ? お前ら、不思議に思わねぇか!? 記者の中で、そういうことはおかしいって言うヤツはいないのか!? 思ったら書けや! どうせお前ら、『またライガー、怒ってるわ』ってしか思ってないんだろうが。あんなクソみたいな(こと)するヤツ、何でリングに上げんだ、新日は? 若手がどんだけケガしてんのか、知ってんのか? あいつがこれからも新日のリングにずっと上がり続けるっていうんなら、俺もう、新日のリングを下りるよ。上がる価値なんかねぇよ、あいつに。どこに(価値が)あるんだ? なにがあるんだ? バカが……。今日は永田の記念興行だよ。あんまりこんなこと言いたくなかったんだよ。『おめでとう、永田』で(締め)括りたかったんだよ。あいつがやらかしたことは、到底、許されることじゃない。そう思うだろ? だったらお前ら、ペンの力ってあるんだろ? 書けや、『やってることおかしいぞ、こいつは』って。そこを抜かしてどうすんだって? 誰もお前のそこを突かねぇって、ホントに。何を取材してんだって。(セコンドとして)仕事してもらってんだろ、若手に。殴って蹴って、イスでブン殴って。会社もちゃんと言えや。マッチメーカーがいるんだったら言えや、『セコンドに手出すな』って。クソッ……」

 

ペンの力

僕は元々メディアに身を置いていた身の獣神

ターザン山本氏やGK金沢氏が牽引した時代のプロレスマスコミと今のプロレスマスコミは、大きく状況が異なると僕は思っている。

これはインターネットひいてはSNSの台頭が大きな理由である。

例えば業界のオピニオンリーダーとして、専門誌としては異例の発行部数を誇っていた時代の週刊プロレスは、その過激過ぎる報道体制に対して「取材拒否」を言い渡されることも珍しくなかったと歴史に残っている。

正しいジャーナリズムや報道とは一線を画す姿勢はメディア自体に圧倒的な求心力を産んだ。

だか、そう長く続くものでもなかったのだ。

その結果生まれたのが現在も続く「専門誌(クラスマガジン)」としての週刊プロレスである。

媒体としての主義主張は控えめに。薬にも毒にもならない。記録として価値のある雑誌。

それが今、日本で唯一残った週刊でプロレスを追っている雑誌の根本であると僕は思っている。

主義主張が控えめになった結果、記者が前に出てくることはない、メッセージはレスラーの声を通じて行われる、

そのため、今回獣神サンダー・ライガー選手が主張した仕事をしているセコンドに対する強襲についても書くことが難しいのである。少なくとも表紙でこのネタを取り扱うことはおそらくないだろう。

 

プロレスラーとしての本音

本シリーズについての考察はこちらでも行われているので、ぜひチェックいただきたい。

なぜ、獣神サンダー・ライガー選手はこのタイミングで鈴木みのる選手に激昂したのか。

これまで何度も怒る機会はあったはずである。

だが、一番怒ってはならない後輩の晴れ舞台で声を荒げる格好となったのである。

その理由として考えられるものを挙げてみたい。まずは「ヤングライオン杯」が開催されている状況であるため、今後の勝敗に響く可能性があるということ。次に自分がリングを去ると共に。昭和プロレスのような理不尽な世界を消し去りたいということ。最後に、鈴木みのる選手とシングルマッチをするため、マスコミを利用した対立構造作りである。

「バレットクラブ」“ボーン・ソルジャー”石森太二選手との「IWGPジュニアヘビー級選手権試合」に敗れたことでプロレスラーとしての引退を決意した獣神サンダー・ライガー選手。

「IWGPヘビー級王者」“レインメーカー”オカダ・カズチカ選手とほぼ互角の試合をする鈴木みのる選手との最後の戦いを行う決意をしたのではないだろうか。僕の予想はこの3つである。皆さんの予想はどれだろうか。

怒りの獣神と“プロレス王”。生きた技、魂のこもった技を使う2人にしか実現できない世界をじっくりと待ちたい。

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