新日本プロレスファンが語りたい新サクラ大戦の魅力
新日本プロレスファンが語りたい新サクラ大戦の魅力。
2019年12月12日。令和がスタートした年に大正いや、太正浪漫の幕が再び開けようとしている。
「新サクラ大戦」
僕はもうすぐ36歳になるわけだが、思春期ドストライクの時期である中学生の頃にサクラ大戦は発売された。
1996年9月27日。新日本プロレスの歴史に照らし合わせてみると、「G1クライマックス」の優勝決定戦で蝶野正洋さんと長州力さんが戦っていたり、東京ドームでは藤波辰爾選手VS天龍源一郎さん、高田延彦さんVS橋本真也さんの「IWGPヘビー級選手権試合」が行われている。
ちなみに今では“暴走キングコング”と呼ばれ、リング上だけでなく広く世間で認知されている真壁刀義選手が新日本プロレスの門を叩いたのもこの時期である。1998年に柴田勝頼選手、1999年に棚橋弘至選手がそれぞれ新日本プロレスに入門。
今の新日本プロレスに欠かせない人たちがヤングライオンとなり、獅子の遺伝子を受け継いだ時代にサクラ大戦は生まれた。
そして、いよいよシリーズ最新作である「新サクラ大戦」の発売まで4ヶ月と迫ってきた。
胸を踊らせる情報が次々と飛び出す中、僕の心が特に動いたのは東京ゲームショウ2019で発表された新サクラ大戦のオープニングテーマ「檄!帝国華撃団<新章>」について触れてみたい。
いよいよ、今日石井智宏選手&YOSHI-HASASHI選手VSタマ・トンガ選手&タンガ・ロア選手による「IWGPタッグ選手権試合」、棚橋弘至選手VSザック・セイバーJr.選手の「ブリティッシュヘビー級選手権試合」が行われるまでの繋ぎとして楽しんでいただければ幸いだ。
ハイフライ・フロー、ライガー・ボム
「檄!帝国華撃団<新章>」という楽曲の破壊力はとんでもない。頭をガン!と打たれてしばらく物思いに耽ったりした後にもう一度聞く。
これを繰り返してしまうほどの威力があるのだ。
この感覚を例えるならば、オカダ・カズチカ選手とSANADA選手の「IWGPヘビー級選手権試合」でSANADA選手がシャイニングウィザードを進化させた技を繰り出してきたようなイメージである。
また、飯伏幸太選手が強すぎる外敵との試合でハイフライ・フローをベースにした新技を繰り出すといったところだろうか。
髙橋ヒロム選手やウィル・オスプレイ選手がライガーボムを変化させた技を出すのも意味合いとしては間違いないと思う。
みんなの想い出がたっぷりと詰まった技を、新時代のレスラーがアレンジした形で繰り出す。
その瞬間、会場は響めき大歓声が巻き起こり、涙腺が崩壊する。
「生きててよかったなぁ」と思わせる力がエンターテインメントにはある。
そのパワーを大きく感じたのが「檄!帝国華撃団<新章>」だった。
正当な進化という価値
「檄!帝国華撃団<新章>」はイントロとサビが従来の「檄!帝国華撃団」のオマージュしたメロディになっている。
太正浪漫いわゆる昭和歌謡を感じさせる印象的なメロディのイントロはアニメ、ゲームファンならずとも耳にしたことがある方は多いのかもしれない。
そんな印象的は出だしが再び帰ってきた。少し現代的にアレンジしているものの、同じ曲をカバーしたのではないか?とこの時点では錯覚してしまう。
だが、Aメロからが「檄!帝国華撃団<新章>」の真骨頂だ。
これまでのゲキテイ!と全く異なるメロディで楽曲が展開されていく。
新時代に選ばれた者たちが持つ力強さと超えられないほどの壁である先輩たちに追いつき、追い越したいという気概。その想いが儚さとなって表現されているのである。
健気な想いは人を胸を打つ。これは素晴らしい曲だと耳に神経を集中させていると、サビに入った瞬間、一気に目頭が熱くなるのである。
夢は蘇る
「檄!帝国華撃団<新章>」はイントロとサビが従来の楽曲と同じである。Aメロ、Bメロが異なるメロディになっている分、サビを聴いた時の感動はひとしおなのだ。
だが、全く同じではない。歌詞は違うし、ソロでの歌唱パートが追加されている。
昭和や平成初期と異なり、大人数で歌うことが増えた現在の音楽シーンにおいて個性を出すための演出も数多く生まれてきた。
「檄!帝国華撃団<新章>」にもそのエッセンスが取り入れられているのだ。
進化したコーラス。そして、「夢は蘇る」というフレーズ。
僕は二度とサクラ大戦の新作は出ないものだと決めつけていた。だが、甘かった。夢は蘇るのだ。
新日本プロレスの歴史
「檄!帝国華撃団<新章>」はこれまでの作品を楽しむことで更に深みが出る作りになっているのは違いない。
神崎すみれ様の登場や謎の夜叉のビジュアルは過去作との繋がりが連想させ、ワクワク感を何倍にも膨れ上がらせるものである。
ただし、過去作を遊んでいないからといって、楽しさがなくなるわけではない。
逆に新サクラ大戦をキッカケに従来のシリーズを楽しんでみるのもありなのだ。
新日本プロレスもそう。今のオカダ・カズチカ選手や内藤哲也選手、棚橋弘至選手、ジェイ・ホワイト選手、飯伏幸太選手らの試合を見て新日本プロレスワールドに加入し歴史を紐解いていくと更に面白さが増すのである。
目の前の試合でも100%楽しいが、歴史を知れば1000%楽しくなる。まさに君は1000%である。
新サクラ大戦のOPテーマ「檄!帝国華撃団<新章>」を聴いた感想をここまで書いてきたのだが、やはり続いていくということには大きな価値があるのだなぁと思う。
夢は蘇る。時代は巡る。新日本プロレスに咲き誇る新しいサクラを見るためにこれからもしっかりとチェックしていきたい次第だ。