新日本プロレスを魅せた上村優也VSクラーク・コナーズの第1試合

新日本プロレスを魅せた上村優也VSクラーク・コナーズの第1試合は非常に素晴らしく、とても胸を打つ最高の9分31秒だった。

あのミラノコレクションA.T.さんは「気持ちのいい試合」とこの一戦を評価した。

黒パンツと黒パンツを洗いすぎて紺になったパンツ一丁の2人。どこか昭和の香りが漂う漢たちがリングで繰り広げたのは、今の新日本プロレスと過去の新日本プロレスをつなぐ重要な時間だったように思う。

あの日、上村優也選手は野毛道場のブランドを守らため、我先にクラーク・コナーズ選手の前に出た。

マイクは拾っていなくても「ふざけんじゃねぇ」という心の声が画面越しにも伝わってくる。

自分が出場できなかった試合で、仲間たちが辛酸を舐めさせられた。この試合だけは負けない。絶対に負けられない。目の前にいる相手よりも強くありたい。

柴田勝頼選手が野毛道場のヤングライオンで唯一フレッシュな男と語った上村優也選手は、その真価を発揮することに成功したのだ。

 

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負けん気の強さ

ヘッドコーチを務める柴田勝頼選手の元、短期間で飛躍的な成長を遂げたLA道場のヤングライオンたち。

新日本プロレスでのデビューで言えば先輩にあたる野毛道場のヤングライオンたちであるが、試合のインパクトや直接対決の結果を見ると、全く油断できる状況ではなくなってしまった。

青い眼のポテンシャルと柴田勝頼選手の指導力が組み合わさった結果、フィジカルとメンタルに長けた理想のヤングライオンたちが生まれた。

その中でもリーダーと太鼓判を押されているのが、クラーク・コナーズ選手だった。

俺たちがLAドージョーだ!そのリーダーは俺なんだ!

自信と気合が漲ったクラーク・コナーズ選手に死角はなかった。だが、この日の上村優也選手は更に上の気迫を魅せたのである。

 

熱さ、新日本らしさ

試合中、涙腺を刺激するシーンがあった。バチバチに張り合う2人。そこで魅せた上村優也選手の表情が素晴らしかったのだ。

痛くないわけがない。痛くないわけがないのに、一切引かない。

声を張り上げて「もっと来い!」と威嚇する。

これなのだ。どこか新日本プロレスに求めている景色は、こうした意地と意地の張り合いだったりする。

以前、中邑真輔選手はストロング・スタイルについて怒りの感情を表現したものだと語った。

この日の上村優也選手は誰よりもストロング・スタイルを体現していたように思う。

明日へのプッシュアップ

逆エビ固めから逃れるために、サードロープへと手を伸ばす若き獅子たち。

その姿はただのロープブレイクではなく、明日を掴み取るためのアクションなのである。

この試合、先に仕掛けたのはクラーク・コナーズ選手だった。

何度も叫びロープを掴む上村優也選手。今度は自分の番と投げっぱなしのかんぬきスープレックスから逆エビ固めに入った。

何度も何度も逃れようとするクラーク・コナーズ選手に対して、絶対に勝つという強い意志でセルリアンブルーのど真ん中へと位置を戻す。

そして、クラーク・コナーズ選手はマットを叩き、上村優也選手の初勝利が決まった。

 

握手はしない

試合後、求められた握手に対して上村優也選手は、握り返すことをしなかった。

その代わりに見せたのは人差し指を一本立てたジェスチャー。

「また試合をしよう」

恨みでも憎しみでもない。例え違った土地で育とうとも、獅子の血が流れているのは一緒なのだ。

最後に、上村優也選手は試合後のコメントを残しておく。

ヤングライオン杯。まだまだ目が離せない。

上村「『ヤングライオン杯』、だいぶ遅れたけど、これでやっと1勝だ。でも、この1勝はすごくデカいものだと感じてます。今まで、同期の辻にしかシングルで勝ったことなくて、今日、プロレスのキャリアで初めて、シングルで2人目を倒すことができた。しかも、ライバルの、LA道場のキャプテンからだ。これは、次、俺にとって、メチャクチャ自信になったんで、残りの『ヤングライオン杯』、前から言ってる野毛道場の先輩超えも、残りの公式戦でやり遂げたいと思います。俺はプロレスラーだ。何があっても、全然、あきらめない。優勝だって、まだまだいける。応援してくれる人がいる限り、俺は絶対に最後まで勝ってやる。ありがとうございました」

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