鬼神ライガー降臨!ジェイ・ホワイトが「IWGPインターコンチネンタル王者」へ!
鬼神ライガー降臨!ジェイ・ホワイトが「IWGPインターコンチネンタル王者」へ!
いやはやとんでもない大会だった。
ヤングライオン杯争奪トーナメントの優勝者がカール・フレドリックス選手に決まったり、鬼神ライガーが姿を現したりと、盛り上がった熱が冷めないままに進んでいった「DESTRUCTION in KOBE」。
令和初となる破壊のシーズンは新日本プロレスの未来をどう暗示させるものだったのか。
更に後藤洋央紀選手と鷹木信悟選手による「和の精神」を懸けたスペシャルシングルマッチの行方。
似た者同士とも言える内藤哲也選手とジェイ・ホワイト選手の「IWGPインターコンチネンタル選手権試合」など、見どころしかない大会だったことは間違いない。
ここでは各試合のポイントを振り返りつつ、「DESTRUCTION in KOBE」全体を振り返っていきたい。
個々の細かいポイントについては追って執筆していくので、こちらも楽しみにしていて欲しい。
まずは、ヤングライオン杯で外国人初優勝を飾ったカールフレドリックス選手についてだ。
規格外の男、カール・フレドリックス
多彩な技はなくとも伝わるものは伝わる。カール・フレドリックス選手の受け身は半端ではない。
攻めに攻める海野翔太選手に対して、要所要所で魅せる反撃は流れを一気に変えるほどの破壊力を秘めていた。
絶対的な優勝候補としてリーグ戦を勝ち抜いていた野毛道場のエースは柴田勝頼選手が鍛え上げた鋼の肉体とメンタルを持つ男の前に砕け散った。
敗者、海野翔太
規格外の男に負けた。海野翔太選手のキャリアを考えるとおそらくヤングライオンとして過ごす時間は残り僅かな筈である。
つまり、ヤングライオン杯を手にする最後のチャンスが今回の大会だったのだ。
試合後に魅せた悔しさは、3つの意味合いがあったように思う。
まずは、一発勝負に負けた悔しさ。次に野毛道場がLA道場に敗れたという現実。下馬評で一位を記録したにも関わらず準優勝に終わったことだろう。
「DESTRUCTION」
LA道場は野毛道場が最強というブランドを破壊した。
僕は海野翔太選手が敗れた瞬間にKUSHIDA選手のことを想い出していた。
KUSHIDAの言葉
LA道場が発足した際、元新日本プロレスで現WWEのKUSHIDA選手はその胸中を語っていた。
「自分がヤングライオンだったらオフの期間を使って練習しに行く」と。
新日本プロレスのヤングライオンはプロレス界で見ればエリート中のエリート。恵まれすぎているというほどの環境にある。
身長制限により新日本プロレスの入門テストすら受けられなかった男はプロレスに対して何処までも貪欲である。
柴田勝頼選手の手ほどきを直に受けられる上、娯楽がなく、気候にも恵まれた場所。そんな土地を見て、KUSHIDA選手はヤングライオン勢へ暗に渡米を進めていたのだ。
ひょっとすると海野翔太選手があれほど悔しがった背景には、KUSHIDA選手の言葉があったのかもしれない。
そして、今回の敗北を最も悔しがっているのは真壁刀義選手ら野毛道場を支え続けている本隊のレスラーたちなのではないだろうか。
鬼神降臨
鬼神降臨伝ONI。子供の頃遊んだRPGゲームにそんなタイトルのものがあった。
失敬。鬼神ライガーが登場した。「風になれ」の大合唱を心待ちにするファンが集まった神戸の花道を颯爽と歩く鈴木みのるを襲撃したのが獣神サンダー・ライガー選手だった。
周囲がざわつく中、自身のマスクに手を掛けると怒りが頂点に達した際のみ現れる真っ白な素顔とバキバキの肉体が露わになった。
前回、タイチ選手を強襲した時と同じように、机を一撃で粉砕する鬼神ライガー。
引退まで残り数ヶ月のレスラーなのか。ここまでのコンディションを持ったレスラーがセルリアンブルーのリングから離れてしまうのか。
強風の吹いた神戸
YOH選手が3カウントを奪取。腰に手を当て、ベルトへの挑戦をアピールした。
凱旋帰国後、ジュニア戦線を牽引し続けてきたロッポンギ3Kがいよいよ完全にNEXTなヘビー級にいい風を吹かせようとしている。
これからはじまる「スーパージュニアタッグリーグ」に向け準備は万端。ここから先は突っ走るのみである。
鷹木式GTR
「ロス・インゴブレナブレス・デ・ハポン」に6人目のパレハとして登場した“ザ・ドラゴン”鷹木信悟選手は圧倒的な実力と強さがあれば、群雄割拠な新日本プロレスでもグングン上を目指せることを証明した。
今、新日本プロレスで試合が面白い選手は?という質問をした際に必ず名前が出てくるレスラーの1人にまで飛躍を遂げた。彼のことを髙橋ヒロム選手の代わりだなんて言う人はおそらくもういないだろう。
それほどまでのインパクトを新日本プロレスで魅せつけたのだ。
真壁刀義選手をもってして「後藤は受けざるおえない」と言い放つほどのリズムに乗った攻撃。試合巧者っぷりをアピールしつつ、後藤コールに悪態を吐く。
試合を見ていてもビンビンに伝わってくる。鷹木信悟選手は明らかに強い。
が、最終的に勝利を掴んだのは後藤洋央紀選手だった。この試合は後ほどじっくりと書き残しておきたいと思う。
とにかく目頭が熱くなる試合だった。
デスティーノ
試合序盤から徹底的に内藤哲也選手がジェイ・ホワイト選手をおちょくる展開が目立ったメインイベント。
髪の毛を鷲掴みにして叩きつける。矢野通選手直伝の技を「バレットクラブ」のリーダーとなった今でも使い続けるなど、元「CHAOS」対決という一面もある試合は、試合巧者の2人だけにじっくりと試合を見つつ、大きな歓声も巻き起こる展開となった。
関節技一つとっても頭を叩くなど挑発行為を繰り返す内藤哲也選手。「ジェイとの試合は楽しい」という言葉通り、余裕なのか何なのかは分からないが、終始笑顔を浮かべながら戦う姿が印象的だった。
しかし、最後はジェイ・ホワイト選手が「ブレードランナー」一撃で勝利を掴んだ。
これで「IWGP」の冠を持つシングルベルトを全て戴冠したジェイ・ホワイト選手。ここから白のベルトはどうなってしまうのか。
荒武者が進軍するのは白だ!
試合後、後藤洋央紀選手が「IWGPインターコンチネンタルベルト」へ挑戦を表明。LA DOJO Tシャツ姿で再び白のベルトを狙う。
「二冠になってやるよ!以上!!!」
いよいよ後藤洋央紀選手の時代がやってきた!