バトルライガーが両国に登場することを有田と週刊プロレスとで確信した
バトルライガーが両国に登場することを有田と週刊プロレスとで確信した。獣神サンダー・ライガーが持つ鬼神ライガーではない第3の顔。バトルライガーが2019年10月14日に開催される両国国技館大会に姿を現すのに違いない。
理由はタイトル通り、Amazonプライムで絶賛配信中の超人気プロレストークバラエティ番組「有田と週刊プロレスと ファイナルシーズン」にある。
プロレス、格闘技へ狂うほどの愛を持つビビる大木さん(実はチュートリアル福田さんと双極を成すほどの神回を生むゲスト)を迎えた初回。そのテーマは獣神サンダー・ライガー選手についてだった。
僕は以前にも一度『有田と週刊プロレスと』について書いたことがある。あの番組には預言者がいる、と。その時は『ロス・インゴベルナブレス・デ・ハポン』に6人目のパレハとして鷹木信悟選手が登場する直前に東京03の豊本さんが『ドラゴン・ゲート』について熱く語った。普段、『ドラゴン・ゲート』をチェックしていない僕としては、この回でインプットができすんなりと鷹木信悟選手を受け入れることができたのである。
また、「G1クライマックス28」で棚橋弘至選手が柴田勝頼選手をセコンドに招集する直前に2人がリング上で握手をした時のことを特集していた。
『有田と週刊プロレスと』には預言者がいる。いや、『有田と週刊プロレスと』がプロレス界の未来を作っているのかもしれない!?
リヴァプールの風
『有田と週刊プロレスと』で語っていたように、獣神・サンダーライガー選手の正体は“リヴァプールの風”となった山田恵一選手である。
新日本プロレスのヤングライオンとして活躍していた彼がイギリス遠征中に姿を消したわけだが、表舞台から居なくなる際の台詞が秀逸すぎやしないだろうか。
ビートルズが誕生した都市、リヴァプール。そんなロックとポップスの聖地で風になったのだ。何とロマンチックなのだろうか。
風になれ
ただし、今回の主役は獣神サンダー・ライガー選手だけではない。プロレスラーとしての才能に満ち溢れた男を忘れてはならないだろう。
「鈴木軍」“プロレス王”鈴木みのる選手だ。
と、その前にバトルライガーの歴史について改めて触れてみよう。
まず、バトルライガーと呼ばれる姿が初披露されたのは1994年2月に橋本真也さんと対戦した時のこと。対ヘビー級を宣言し、コスチュームに覆われて普段は見ることができない鋼の肉体が披露されただけで会場は大きく湧いていた。
続いては2001年の大阪ドーム大会で再びバトルライガーは村上一成選手を相手にするため姿を現した。
そして、その一年後にあたる2002年間。日本が自国開催となったワールドカップの熱に酔い、歓喜したあの時代にバトルライガーは3度目の登場を果たしたのである。
舞台はパンクラスのリング。“リヴァプールの風”になった男の代わりに現れた獣神と対峙したのは、「風になれ」で入場を果たす当時の“プロレス王”だった。
風になった男と風になれ。これは果たして偶然なのだろうか。
3つ目の風と風車の理論
そして、新日本プロレスには3つ目の風が存在している。
メキシコ遠征のタイミングで人を超え、風の神となった男こと“ロッポンギ3K” YOH選手である。彼はこれまでに何度も「いい風吹いた」と言い続けてきた。棚橋弘至選手の系譜を継ぐかのように「ベスト・オブ・ザ・スーパージュニア26」でドラゴン殺法に目覚めたYOH選手。現在では、ジュニアの枠を超えてSHO選手と共に「IWGPタッグ」のベルトに挑戦するまでに大きくなった。
風と関連性のあるレスラーは人の心を惹きつける。それもそのはず、最初に風関連の言葉を発したのはアントニオ猪木さんなのだ。
「風車の理論」という言葉がある。
目の前で吹いている風が強ければ、より風車は勢いよく回る。これをプロレスで例えれば、相手の力を限界まで引き出した上で、自分がその上の実力を発揮し勝利を奪うことで、自分も相手も輝くというものである。
自分だけが得をするようなプロレスは何度も見てきた。棚橋弘至選手が2018年に鳴らした警鐘はそういったものだったのかもしれない。
自分も相手も輝かせる。私欲を捨てて、ライバルたちに与える。そう、今回の「有田と週刊プロレスと」が獣神サンダー・ライガー選手を通じて伝えたテーマはここだったのだ。
獣神から教わったこと
元々身長が足らず、新日本プロレスの入門テストすら受けることが叶わなかった獣神サンダー・ライガー選手。いや、ここは山田恵一さんと書こう。山田恵一さんはメキシコへと渡り、運命的な出会いに導かれることで憧れの新日本プロレスへと入門を果たした。
「お前には絶対に無理」
「身長が足りない」
色々な声を耳にしてきたはずである。それでも諦めなかった。本当の理由は獣神サンダー・ライガー選手にしか分かるはずもないが、1人のファンとして推測するのであれば、「とことんプロレスが好きで好きでしょうがない」からなのだと思う。
山田恵一さんは蜘蛛の糸辿り、理想郷へとたどり着いた。“リヴァプールの風”になった後でもその想いは決して消えることはない。
自分がメキシコで出会ったグラン浜田さんから山本小鉄さんを紹介してもらい、新日本プロレスへの入団を許可されたように「誰かにチャンスを与える側」になったのだ。
自分だけが得をするでも周りだけが得をするでもない。
皆んなでプロレスを盛り上げようよ。だって最高に凄くて楽しいんだからさ。
2020年の今頃、僕たちは獣神サンダー・ライガーさんの解説を聞くことはできているのだろうか。
例えリングを去ったとしても、プロレスを愛する1人のファンとして特等席でリングを見つめ続けて欲しいと僕は思う。
ライガー最終章の最終楽章。鬼の次は一体何が飛び出すか。来週の新日本プロレスから目を離すわけにはいかない。