棚橋弘至が綴った2万文字。3つの視点からエースの生き方を考えてみる

棚橋弘至が綴った2万文字。3つの視点からエースの生き方を考えてみる。新日本プロレス公式スマホサイトが有料のコンテンツとして出した連載になるので、ネタバレはゼロにして読み終わった後に感じた感想をまとめておく。

棚橋弘至選手がプロレスデビューを話してから20年の月日が流れた。柴田勝頼選手も同日デビューということで、新日本プロレスにとって大切な日になった。

新日本プロレス公式スマホサイトから棚橋弘至選手からファンの皆へ向けた逆サプライズが発表されたのは、2019年10月9日のこと。

「【棚橋弘至“デビュー20周年”記念特別企画!】“2万字越え”長編旅日記『アメリカ超人列伝Express』を一挙更新!!」と題し、棚橋弘至選手の楽しく、愉快で胸にスッと入ってくる文章が長編で綴られることが発表された。

普段からTwitterやInstagramなどのSNSを通じてパーソナルな部分を発信している棚橋弘至選手が一体どんなコンテンツを発信するのか。

まずは、棚橋弘至選手がアメリカに旅立つ直前、道場でトレーニングをしているところから今回の物語ははじまった。

新日本のエース。100年に一人の逸材。棚橋弘至選手の強さに迫る。

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YOUはもっとカーキーになりなよ(風車の理論)

今回のアメリカ三連戦にはあるテーマが存在した。タイガー服部さんが“アメリカ”でのレフリー活動を引退するというのだ。

タイガー服部さんはプロレス界に大きく大きく貢献してきた人物。新日本プロレスと海外のパイプ役としても活躍してきたという。

その中の一つに“棚橋弘至選手”を生み出すキッカケを作ったというものもある。

今から約10年以上前。若き王者となった棚橋弘至選手は悩んでいた。

「王者として今後どうすればいいのか」

その命題に対して光を与えたのがタイガー服部さんだった。「Youはもっとカーキーになりなよ」カーキーとは日本語で生意気という意味になる。

これは僕の視点だが、若き王者に大半の人々は共感ができない。

早くにして「IWGPヘビー級ベルト」を戴冠したレスラーは直ぐに支持を集めることが難しい。感情移入させるまでに必要な「信頼の貯金」が不足しているのだ。

ヤングライオンがに感情移入して応援するのとワケが違う。

チャンピオンとして求められるもの。それが人の心を揺さぶる力なのだ。

棚橋弘至選手がクレバーなのはこの力を風車の理論で共有したことにある。

相手レスラーが持っている「信頼の貯金」をカーキーな王者となることで倍増させた。

ファンは鼻が伸びた王者を自分たちが信頼しているレスラーが倒すことを願う。「そろそろあのガキを引きずり下ろせ」と。

だが、勝てない。カーキーな若きチャンプは結果を残す中で徐々にキャラクターをスライドしていった。遊び心と余裕はありつつも、団体を完全に牽引する立場へ。多くのファンに愛を受け入れられた棚橋弘至選手は、誰もが認めるピープルズチャンプとなった。

これが、棚橋弘至選手が2012年にオカダ・カズチカ選手と激突するまでの物語。もしも、タイガー服部さんの言葉がなければ、今の新日本プロレスは存在していないかもしれない。それほどに意味のある言葉だったように思う。

 

カリスマを選ばなかった男(自由な価値観で生きる)

棚橋弘至選手を見ていて気づいたことがある。それは、カリスマ性があるにも関わらず民衆に対して滅多にメッセージを発しないということだ。

例えば、大仁田厚さん。彼は生き方やヒューマニズムを徹底的に語る。生き方を伝え続けるということは、ファンの思想を操るということ。

その結果、爆発的な支持を得るまでになった。

僕が大好きなバンドである「UVERworld」のTAKUYA∞さんもそう。「夢を追いかけることの大切さ」を常に問い続けている。

棚橋弘至選手もそういった側に回れたはずだ。だが、そうはせずに「自分の愛」を伝え続けた。

既に愛されている男はそれでも自分の気持ちを伝えて続けてきた。

なぜ、こういった手法を取らなかったのか。その真意は分からない。棚橋弘至選手のことだからきっと意図があるに違いない。

 

元祖・告白男

「日本で一番ここ○○が好きです」SANADA選手はファンの地元への気持ちを伝える。

「プロレスファンの皆さん、愛してます」棚橋弘至選手は会場に来たファンへの気持ちを伝える。

この違いは何なのか。そう考えてみると、SANADA選手は今の時代だからこそ、ハマっている気がしてきた。棚橋弘至選手が愛を伝えた土壌が整っている中で、「その土地に住む人たちが愛する土地」への気持ちを伝えるからこそ響くようになったのだと思う。

 

新日本コンクルソ(ルールを創る側に回る)

最近、棚橋弘至選手とSHO選手の距離が近い。開催が迫ってきた(?)新日本コンクルソに向けて調整している姿が印象的だ。

既に完成形なのでは?と感じされるほどにキレキレでバキバキの搾りまくった肉体を魅せるSHO選手に対して、調整が遅れ気味な棚橋弘至選手。

加齢による影響は少なからずある中での調整は棚橋弘至選手にとっても初体験に違いない。

ただし、残された期間で棚橋弘至選手は身体を完璧に仕上げてくる。

そんな気がしてならない。逆に言えば、完成した時点で開催が発表される可能性もある。ゲームマスターは最強なのだ。

棚橋弘至選手の2万文字を読んでみて、改めてその魅力について書いてみた。棚橋弘至選手のデビュー20周年記念日。僕たちのヒーロー“たち”の記念日だ。

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