新日本プロレスとスターダムはどうなる?ブシロードの買収劇について考察してみた
新日本プロレスとスターダムはどうなる?ブシロードの買収劇について考察してみた。2019年10月17日にブシロードは日本の女子プロレス団体「スターダム」を買収したと発表した。
「マジか!?」僕が最初にニュースを見た時の感想である。多くの方が同じリアクションだったと思うが。
Twitterを見てみると、既に賛否両論が飛び交っている。ブシロードグループの創設者である木谷高明さん(木谷オーナー)のアカウントにも色々な声が溢れていた。
それはファンの方々も混乱するよなと思いつつ、思考を整理する。
この記事を書いているのは、当日の18時半頃。少しスキマ時間ができたので、まずは筆を手にとった。
大前提として、新日本プロレスがスターダムを買収したわけではない。新日本プロレスの親会社であるブシロードがスターダムを買収したのだ。
本件について、ハロルド・ジョージ・メイ社長は当然知っていたと思う。ブシロードグループの幹部でもあるので当然といえば当然だが。
なぜ、ブシロードはスターダムを買収したのだろう。
海外で高まる女子プロレスの熱に感化されたのか。それとも別の狙いがあるのか。結論から書くが、僕は今回の買収劇に対して肯定的である。その理由を踏まえつつ、今後起こりそうなことを予想していきたいと思う。
V字回復の再現性
買収発表から数時間後に記者会見が行われた。僕はまだその詳細を知らない。外れて居た時は顔を真っ赤にしてしまうが、公式発表を見ずに僕の予想を書き留めておく。
まず、日本国内では“特定のビッグマッチ(東京ドーム)”以外では、お互いのリングに上がることはない。同じブシロードグループであるがリング上の絡みはほぼ無い方向で話を進めていると思う。
理由は明確でファン層が全く異なるためだ。シナジーが生まれず、反発しか生まれない。チケットの倍率が上がって推しの選手が出場しない可能性が高まる。ファンに好影響がない。であれば、一緒に興行をやるメリットがないということにつながっていく。
影響があるのはリング外。これは間違いない。恐らく、スターダムはブシロードグループ恒例の広告宣伝戦略で一気に知名度を上げることになる。
ブシロードは大規模な広告宣伝でIPの認知を徹底的上げることで有名だ。ヒットするまで続ける。負けない唯一の方法は勝つまで続けることなのだ。
まず僕たちに分かりやすいところではじまるのが広告のプロモーション戦略。次に、ビジネス側の介入だろう。グッズ販売や公式ホームページの充実化。動画、音声番組へのテコ入れなど、徹底的にスターダムを盛り上げつつ、会計などの金勘定は細かくチェックする体制へとシフトしていく。
目に見えるところも僕たちの目の届かないところも強化する。転籍や出向組で組織を強化し、スターダムというブランドを一気に広げる。その先にあるのは女子プロレス界の向上であり、人材流出の抑止だ。
ブシロードは新日本プロレスをV字回復させた力をもう一度発動させ、日本の女子プロレス復興を狙っていると予想する。
新プロジェクトの発動
これまでも新日本プロレスは別ブランドの興行を度々行ってきた。直近で言えば他団体との交流を含めた若手レスラー育成プロジェクト「LION'S GATE」がこれにあたる。
若手対ベテラン。他団体の期待の新人。普段の新日本プロレスとは異なる景色がそこには広がっていた。
正調の「新日本プロレス」以外。「夢☆勝ちます」のとも違う完全なる別プロジェクト。
別路線での合同興行はあり得ると僕は思っている。ここからはifの話だ。
新日本プロレスとスターダムの若手が中心となった新しい興行プロジェクトがスタートする。
若手が切磋琢磨しながら興行を盛り立てていく。そこには試合数が減った中堅、ベテランがイキイキと躍動している姿もある。
興行を見ているとあることに気付くはずだ。女子プロレス面白いぞ、と。これは逆も然り、である。
新日本プロレスMSG大会の第3試合。「WOH世界選手権試合」で岩谷麻優選手がケリー・クレイン選手と激突した。
この試合を見た人は多いだろう。そして、「面白い」と感じた人も多いはず。そう。女子プロレスも面白いのだ。
ただし、新日本プロレスの興行に組み込まれるとなると話が変わってくる。過剰なアレルギー反応はSNSを通り越して、リアルに影響を及ぼす可能性が高い。
そこで別プロジェクトの立ち上げが行われるのだ。
仮に失敗したとしても「若手がよく頑張った」とチャレンジを褒め讃える未来が待っている。
東京ドームや海外興行。そして、別プロジェクト。以上の3パターンで新日本プロレスとスターダムは協業していく気がしている。
ちなみに、東京ドーム大会のカード編成についてはブシロードグループからオーダーが入る可能性が高い。それはファンでも否定することはできない。2019年のイッテンヨンを思い出して欲しい。
「バンドリ! ガールズバンドパーティ! presents WRESTLE KINGDOM 13 in 東京ドーム」
ブシロードグループは新日本プロレスの親会社であり、冠スポンサーでもある。グループ協力として「第0試合に女子プロレスを参戦してみるのはどうだろう?」と言われれば、ブシロードグループの取締役でもあるハロルド・ジョージ・メイ社長が断ることができるだろうか。僕は必ず首を縦に振ると思っている。これはビジネスなのだ。
日本のプロレス文化を作り変える
ブシロードグループの決算で新日本プロレスはスポーツ事業のIPに振り分けられている。
ここにスターダムが加わる。ブシロードは男子と女子の人気プロレス団体を手中に収めた。
ここからは投資を行いスターダムの規模を拡大させていくフェーズに入るのは前述した通りだ。
新日本プロレスはV字回復を果たした。だが、タイガーマスクや闘魂三銃士の時代ほど一般に広がっている感覚は“まだ”ない。
スマホの普及によりエンターテイメントは多様化した。その影響もあって、日本中を巻き込んだムーブメントは明らかに起こしにくくなった。そういった時流に対して、ブシロードが挑むのはプロレスをゴールデンタイムに戻すこと。そこで大切になってくるのが、ダイバーシティつまりは多様性のあるリングであるということも時代性として大切になってくるのではないだろうか。
オカダ・カズチカ選手と飯伏幸太選手は共に「プロレスを広げる」と公言している。ここから先にもう一つ攻めるために必要な存在がスターダムだったのかもしれない。
プロレスを広げるということ
これから起こりそうなことを改めてまとめておく。
スターダムはブシロードグループのお家芸である宣伝広告戦略で一気に知名度を高めてくる。
新日本プロレスの東京ドーム大会にはブシロードグループのプロレス団体としてスターダムが参戦する。ニュージャパンランボーのようなイルミネーションマッチで選手たちを新日本プロレスファンの前にお披露目。第0試合なので、抵抗なくできるはずだ。
次に、試験的に別プロジェクトが動き出す。男子7:女子3くらいのイメージで興行が組まれる。双方メインイベンターの登場はなく、目指すは後楽園ホール満員といったイメージ。
これは数年後、全てが上手くいった場合だが、ゴールデンタイムのテレビにプロレスが帰ってくる。その時は男子・女子合同の興行となっている。
これが僕の読みだ。記者会見を見ていないため、外れていた場合は申し訳ない。が、概ね大きく外している気もしない。
ただ、これだけは言えるのが。この買収劇はプロレスが広がっていく大きなチャンスだ。否定的に捉えるのではなく、どうすればもっと楽しくなりそうか考えてみることをオススメしたい。
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