なぜ、金丸義信&エル・デスペラードはこんなにも魅力的なのか
なぜ、金丸義信&エル・デスペラードはこんなにも魅力的なのか。そう感じさせるインタビューの後編が新日本プロレス公式スマホサイトにて公開された。
前回のインタビューに引き続き、「スーパージュニアタッグリーグ2019」にエントリーしているタッグチームについて語り尽くす2人。
その一言一言に含まれるメッセージと言葉遊びの数々は思わず吹き出してしまうもののありつつ、「確かに」と膝を叩くものも多々ある。
ヒールならではの刺激的なメッセージが印象的だ。特に金丸義信選手から発せられる石森太二選手への言葉は辛辣そのもの。プロレスリング・ノアで激闘を繰り広げてきた2人については後述するが、ある意味で“因縁”めいていると言える。
今回の「スーパージュニアタッグリーグ2019」で本格的に復帰を果たすエル・デスペラード選手は相変わらずの“歯に衣着せぬ”だ。
“歯に衣着せぬ”とは反感を買うような言葉のイメージがあるが実際は素直に物事を伝えるという意味がある。
独特な雰囲気から対戦相手へメッセージを放つ。
「鈴木軍」ジャニアの2人が語った内容を少しだけ振り返っていこう。
最高のテクニシャン
全日本プロレスとプロレスリング・ノア。ジュニア界で金字塔とも言える実績を持つ金丸義信選手。
彼を象徴するエピソードを一つ伝えてみよう。
2019年10月時点、獣神サンダー・ライガー選手が最後の「IWGPジュニアヘビー級選手権試合」を戦い敗れ、長年新日本プロレスジュニアのエースとして活躍したKUSHIDA選手が最後に東京ドームで黒星を喫したレスラーは石森太二選手である。
そんな石森太二選手が未だシングルマッチで勝利を掴んだことがないのが金丸義信選手だ。
2人が新日本プロレスに来てから2年連続で「ベスト・オブ・ザ・スーパージュニア」で肌を合わせるも、石森太二選手が連敗を喫している。
金丸義信選手はテクニシャン過ぎるほどのテクニシャンなのだ。
2人が認めるレスラー
“ヤングライオン”上村優也選手。海野翔太選手と成田蓮選手がそれぞれイギリス、アメリカに旅立った今、新日本プロレスの未来を担う“前座”の試合を任せられる存在へと昇格することとなった。
海野翔太選手と成田蓮選手はビジュアル、華が素晴らしい。新時代を担うのはこういった人材だろう。そんなイメージがピッタリな若手として新日本プロレスファンから高い支持を受けていた。イケメンと言う意味ではYOH(小松洋平)選手とSHO(田中翔)選手の系譜だろう。
この2人と比較した場合、上村優也選手と辻陽太選手は“ハンサム”に当たる。イケメンとは違う“ハンサム”。この2人が紡ぐエモーショナルな戦い。堪らない試合であることは間違いない。
そして、昭和の古き良き香りが漂う上村優也選手に対して、ヒールマスターとならず者ルチャドールは好意的な意見を出した。
デスペラード 俺、欠場中はコイツの試合観てないけど、若手の頃は数カ月で相当変わるもんだから。まあ、どこまで成長してるかわかんねえけど。
金丸 いまだとコイツが一番、ヤングライオンらしい試合をする若手なんじゃない?
――お二人が若手の試合もチェックしているのは少し意外というか。
デスペラード とくにテーマのない試合よりかは、ヤングライオン同士の試合のほうを観る。エモーショナルだから。このシリーズは若手にとっちゃ、かなり経験値が積めるのは間違いないな。
金丸 コイツもただ出るだけじゃダメだよ。その中でシングルとタッグの違いとか、自分でも考えないと。でも、結局は生かすも殺すもタイガー次第だから(ニヤリ)。
目を奪う理由
金丸義信選手とエル・デスペラード選手の2人の試合をじっくりじっくり見ていると、試合を作っている存在に気付いていくる。無駄なことは一切しない。ここぞ!という時に流れを変える行動にでる。
「反則だ!」という声がある一方で、反則負けになっている光景をあまり目にした記憶がない。プロレスというジャンルのルールを熟知し、戦い方を理解している。飛んだりはねたりはできてもやらない。事実、ムーンサルトを飛んだ時の軌道はなんとも美しい。
そんな“仲裁の”金丸義信選手が牽引してるチームだからこそ、圧倒的な存在感が出ているのだと思う。※事実タイチ選手も新日本プロレスでジュニアタッグ王者に輝いたときのパートナーは金丸義信選手だった。
――お二人は3年連続の出場となりますが、タッグの結成当初からガッチリとハマッたわけですか?
デスペラード どうなんだろうな……。いつかは覚えてないし、きっと最初の頃だと思うけど、俺がノブさんの言うことを聞くようになってからじゃねえの?
金丸 フフフ。
――言うことを聞くというのは、具体的には?
デスペラード 俺は「ほしいものはほしい」っていうタイプの人間。ノブさんが持ってるものをもらわなきゃ損だと思ったし、聞きゃくれる人だから。
金丸 簡単にいえば、タッグにはタッグの戦いかたがあって、それが俺たちの試合には詰まってるってことだよ。
なぁノブ...。ねぇデスペ...
インタビューを読んでいて、これだけは間違いないと思ったのが2人はプロの視点で対戦相手を研究しているということだ。興味ないフリをしつつ、口から出る言葉はきっちりとどんな選手か把握しているというものばかり。
こちらも「そうだったんだ!」と学びがありすぎるコメントが次々と飛び出すインタビューだった。
「スーパージュニアタッグリーグ2019」。優勝を飾るのは「鈴木軍」が贈る極上のタッグと日本の悪なのかもしれない。
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