新日本プロレスがイッテンゴに二冠戦を開催する理由とは?

新日本プロレスがイッテンゴに二冠戦を開催する理由とは?その理由を3つのキーワードで考えてみたい。

先日開催されたLINEでのアンケート結果を受け、新日本プロレスが2020年1月5日、「レッスルキングダム」東京ドーム大会でダブル選手権試合の開催を決定した。

僕はこの時間ちょうど取材に入っており、終わった瞬間まずはレポートに目を通し、自宅に着いたと同時に「新日本プロレスワールド」での動画をチェックした。

ロッポンギ3Kと石森太二選手&エル・ファンタズモ選手。ウィル・オスプレイ選手と髙橋ヒロム選手。それぞれ見どころのある会見と意見のぶつかり合いに「ふむふむ」となりながらも、いよいよ“運命”が決まる二冠戦へ挑む2人が会場に入ってくる。

「ロス・インゴブレナブレス・デ・ハポン」“制御不能なカリスマ”内藤哲也選手と「バレットクラブ」“スイッチブレイド”ジェイ・ホワイト選手だ。

まず記者会見で思ったことは2つ。Twitterにも書いたが、内藤哲也選手が「ロス・インゴブレナブレス・デ・ハポン」のキャップを持参してこなったこと。これはよくよく調べてみると、2018年にクリス・ジェリコ選手と行った記者会見にも持ってきていなかった。

何かしらの法則性はありそうだが、二冠だから持っていないということにはならないのかもしれない。

次に2016年の棚橋弘至選手と内藤哲也選手が行った「IWGPインターコンチネンタル選手権試合」に向けた記者会見と比較してみると、明らかに内藤哲也選手のスタンスが異なるということである。

あの“100年に一人の逸材”棚橋弘至選手を完全に論破したあの記者会見だ。

この時の記者会見と内藤哲也選手は何が違うのか。その辺りも含めて考えてみたい。

キーワードは3つ。権威(オカダ・カズチカ選手)、偉業(内藤哲也選手)、幻想(中邑真輔選手)だ。

 

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IWGPヘビーの権威と誇り

オカダ・カズチカ選手は現在の4強(オカダ・カズチカ選手、内藤哲也選手、ジェイ・ホワイト選手、飯伏幸太選手)の中で唯一、ダブル選手権試合に否定的な意見を貫いている。

金メダルを持っているのに銀メダルを求める必要はない。新日本プロレス最強のベルトを持っているのになぜ、そんなことをしなければならないのか。

チャンピオンとしての意見はごもっともだ。ダブル選手権試合は2つのベルトの価値を歪めるということにつながりかねない。

もう一つ付け加えるとすれば、ベルトの意味が不明瞭になる。

アントニオ猪木さんの「IWGP構想」から誕生したベルトである「IWGPヘビー級ベルト」については先週、今週の「有田と週刊プロレスと」でまたタイミングを図ったかのように配信されているため、そちらもチェックいただきたい。※やはりあの番組には神通力が働いていふのか...!?

「IWGPヘビー級王者」および「IWGPインターコンチネンタル王者」がイッテンゴに生まれる。これは“アンケート”の結果を受けて、決定事項となった。

おそらくダブル選手権試合の開催に対して、NOが圧倒になまでに多ければ話は別だったのだろうが、大方の予想通り肯定的な意見が勝利を飾った。

オカダ・カズチカ選手としてはファンの皆さんが見たければやるというスタンス。ただ、二冠自体には興味がないといった状況だ。

権威と誇りを重んじる王者はこの結果を受けて何を思うのか。続く「偉業」でもう少し掘り下げてみたい。

 

偉業という名の伝説

今回、レッスルキングダム14のキャッチコピーを見てみよう。

イッテンヨンは“人生変えるイッテンヨン”。そして、イッテンゴは“伝説創るイッテンゴ”となっている。

人生変える。伝説創る。この言葉通り、2日間の大会を通じて、人生を変えて、伝説が生まれることになる。

内藤哲也選手が二冠構想をぶち上げたのは、2019年1月29日のこと。それから約一年に及ぶ戦いがここには詰まっている。

まずはここをハッキリさせておきたい。敢えて、二冠戦の話題からジェイ・ホワイト選手、飯伏幸太選手の名前は外す。なぜならば、この二人はおそらく内藤哲也選手が構想して口に出していなければ、二冠に向けて動いていなかった可能性が高いためだ。

記者会見で内藤哲也選手は全くジェイ・ホワイト選手へ興味を向けなかった。この背景にあるのは「IWGPインターコンチネンタルベルト」を取り戻し、イッテンゴで「IWGPインターコンチネンタル王者」として「IWGPヘビー級ベルト」に挑戦し、東京ドームのメインイベントの花道を歩くこと。

そして、その先までを想像しているからだろう。あの日約束した5大ドームツアーが髙橋ヒロム選手の帰還により具体的な目標へと戻ってきた。

内藤哲也選手、いや「ロス・インゴブレナブレス・デ・ハポン」は隠し球を持っている。

まだ、髙橋ヒロム選手はユニットメンバーと公の場で並び立っていない。ウィル・オスプレイ選手としか会っていないのである。6人が同時に並ぶこと。

そこで「デ・ハポン締め」をすること。これが内藤哲也選手の思い描く未来予想図なのかもしれない。

では、なぜ偉業が必要なのか。オカダ・カズチカ選手はなぜ乗り切れないのか。その理由はまた次回...。ではなく、ここでハッキリとさせておこう。

最後のキーワード「幻想」だ。

 

SHINSUKE NAKAMURA

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「IWGPインターコンチネンタル王者」と言えば誰が思いつく?

この質問をプロレス好きな方に投げかけると、ファンになった時期がこ2017年以降でなければ、一つの答えに行き着くはずだ。

現WWEのスーパースター・中邑真輔選手だ。いや、SHINSUKE NAKAMURAである。

では、現在「WWE・インターコンチネンタル王座」は誰か。そう。中邑真輔選手なのである。

新日本プロレスでもWWEでもインターコンチネンタルが似合い、映える男。それが中邑真輔選手である。

そんな中邑真輔選手が新日本プロレスを旅立つ時、3人の男が立ち上がっていた。※一人は新日本プロレスを退団し、先日もYOSHI-HASHI選手を侮辱する言葉を言っていたので、触れたくもない。

内藤哲也選手と柴田勝頼選手である。ここでは内藤哲也選手についてのみ触れていく。

内藤哲也選手は中邑真輔選手が去って以降、「IWGPインターコンチネンタル王者」として、棚橋弘至選手やクリス・ジェリコ選手などと戦い続けてきた。ベルト破壊で非難の声を集めたこともある。

それでも白のベルトのイメージは中邑真輔選手のままなのである。

今回のアンケートでも中邑真輔選手の名前は散見していた。つまり、中邑真輔選手という最年少「IWGPヘビー級ベルト」戴冠記録と「IWGPインターコンチネンタルベルト」最多戴冠、最長戴冠記録保持者を誰も超えられていないのだ。

オカダ・カズチカ選手は中邑真輔選手を超える、並ぶという思想は持ち合わせていなかった。

「あなたがいなくても大丈夫」

自分(IWGPヘビー級ベルト)が輝けばいい。そんな想いでここまで戦ってきたに違いない。

だから、白いベルトに興味を示さないのだ。

さて、ここまでで見えて来たことをまとめていこう。

 

内藤哲也が目指しているもの

内藤哲也選手は偉業を目指している。偉業とは中邑真輔選手が作ってきた幻想を打ち破り、己の夢を叶え、ファンに夢を与えることだ。

内藤哲也選手がジェイ・ホワイト選手から勝利し、「IWGPインターコンチネンタル王者」となれば5度目のベルト戴冠になる。

これで中邑真輔選手と並ぶ。更に「IWGPヘビー級ベルト」を掴み取り二冠王者となることで、中邑真輔選手を超えることになる。

中邑真輔選手は著書で「内藤は可愛いんですよ」と語っていた。ひたむきで真っ直ぐ。それが本来の内藤哲也選手なのだ。

偉業を掴み、伝説を掴む。タイチ 選手と抗争を経て、雄弁な言葉よりもストロングでバチバチな試合を魅せるようになった。

“制御不能”の先にある偉業。内藤哲也選手による二冠を懸けた戦いが始まろうとしている。

「ロス・インゴブレナブレス・デ・ハポン」が“伝説”になる日。それがイッテンゴなのかもしれない。

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