なぜ、カール・フレドリックスは石井智宏に喧嘩を売ったのか?

カール・フレドリックスの第1試合に“ヤングライオン”の在り方を感じた日。

「ワールドタッグリーグ2019」もいよいよ大詰め。現段階で3チームに優勝の行方が絞られることとなった。まずは優勝候補の最右翼であるSANADA選手&EVIL選手組。続いて、現「IWGPタッグ王者」タマ・トンガ選手&タンガ・ロア選手の“G.o.D”。最後にジュース・ロビンソン選手とデビット・フィンレー選手の“フィンジュース”だ。

常に結果を残してきた2チームと次世代の友情タッグ。どのチームが優勝してもおかしくない状況になってきただけに、残りの試合からも決して目を離すことができない。

ただし、優勝決定戦以外に見どころがないかと言われれば全くそんなことは無い。

多くの興行で第1試合を務めた後藤洋央紀選手とカール・フレドリックス選手組の試合からは「新日本プロレス」らしさが溢れているように見えた。

「ヤングライオン杯」であれほど無双したカール・フレドリックス選手がヘビー級の選手たちとぶつかってみると、明らかな差を感じることある。差はあるのだが、その差を埋めようとする姿勢に僕たちは明日を見る。

海野翔太選手、成田蓮選手が海外武者修行に旅立った今、LA道場のヤングライオンがセルリアンブルーのマットで進化を続け、真価を発揮しようとしているのだ。

特に、石井智宏選手&YOSHI-HASHI選手との一戦は見どころしかない好勝負となった。※翌日は「バレットクラブ」の前に散ってしまったわけだが。

今日は改めてカール・フレドリックス選手の試合について振り返ってみたい。

 

f:id:yukikawano5963:20191206192530p:plain

名勝負製造機に挑むLAの獅子

とにかく石井智宏選手と肌を合わせたい。そんな気持ちがを全く隠す気がないカール・フレドリックス選手はは、YOSHI-HASHI選手に屈辱的な対応を行った。

リングで対峙したにも関わらず、眼中にあるのは石井智宏選手のみ。タッチロープを持つ石井智宏選手に向かってエルボーを2度も見舞った。が、リングに根を張っている石井智宏選手は「何やってるんだ?この小僧」といった表情でリング下に落ちること無く、威嚇を続けた。

なぜ、カール・フレドリックス選手は石井智宏選手とそこまでぶつかり合いたいと思ったのだろうか。そこには並々ならぬ決意があったようにも思うのだ。

柴田勝頼選手が「NEVER無差別級王者」として政権を築く以前、石井智宏選手とのバチバチのしばき合いがあった。

その試合をカール・フレドリックス選手はビデオでチェックしていたのではないか。そして、石井智宏選手と対峙したレスラーは必ずと言っていいほどに、一つ上のステージへと向かうことができる。

現在、棚橋弘至選手と“ヘナーレース”を結成し、人気を高めているトーア・ヘナーレ選手も石井智宏選手とのシバきあいで何かを掴んだ。

師匠である柴田勝頼選手のライバルだった男。シングルマッチを戦ったレスラーのレベルと各を引き上げる漢。

“名勝負製造機”石井智宏選手。彼と因縁を作り、シングルマッチを実現する。これこそが、カール・フレドリックスの狙いだったのかもしれない。

まさに、令和時代のヤングライオンによる「喧嘩、売りにきました」だ。

 

後藤洋央紀と戦いたいという気持ち

ただ、僕はもう一つ思うことがある。石井智宏選手にあれだけの感情を持ってぶつかったのであれば、後藤洋央紀選手に対しても同じような尊敬の念とライバル心を抱いているのではないか、と、

今回はタッグパートナー。ただ、次回は一体どうなるのか。LA道場で共に汗を流した兄弟弟子の未来気になるところである。

一方、後藤洋央紀選手といえば、この日もKENTA選手の介入にあい、ノックアウト状態。試合後のコメントではYOSHI-HASHI選手の強さを切望し、KENTA選手と高橋裕二郎選手をオマージュしたメッセージを残してきた。 

タッグリーグ終盤戦、この期に及んで、いまだにガタガタ言ってるヘボチャンピオン(KENTA)がいなければ、もっといい成績が残せていたはずだ。なにも恥じることはない。最後まで、ありのままの俺たちを見せる。結局、なにが言いたいかっていうと、“何を言われようと全く動じないYOSHI-HASHIのメンタルの強さが俺も欲しいぜ”ってこと。これマジ……

 

拝啓、柴田勝頼選手

カール・フレドリックス選手が躍動する度に、僕はこう思っている。LA道場のヘッドコーチを柴田勝頼選手が務めたことは運命だったのではないか、と。

以前公開された「"ザ・レスラー 柴田勝頼" LA道場密着ドキュメンタリー「CALIFORNIA DREAMIN' 」 #1」で柴田勝頼選手は怪我してよかったことは絶対にない。ただ、後悔したくないと言葉を残していた。

柴田勝頼選手の魂がLA道場のヤングライオンに伝わり、今では新日本プロレスの第1試合を大きく盛り上げる選手が誕生した。

LA道場出身。そのブランドいや、看板を背負っているからこそ師匠の因縁の相手に対して、コーナー際のエルボーからのミサイルキックを見舞いたかったのだろう。例え、10年早いと思われても気にしない。それだけの実力と自信を持ってカール・フレドリックス選手はセルリアンブルーのリングに上がっているのだ。

なぜ、カール・フレドリックスは石井智宏に喧嘩を売ったのか?その本当の意味は数年後に分かるのかもしれない。

→【ランキング参加中】人気プロレスブログはここからチェック!【クリックで応援お願いします】

→NJPW FUNのTwitterフォローはこちら