なぜ、プロレス大賞2019のMVPがオカダ ・カズチカだったのか

なぜ、プロレス大賞2019のMVPがオカダ ・カズチカだったのか。結論から言えば納得という言葉しかないわけだが、改めて2019年のレインメーカーを振り返る意味でもこうしたコラムを執筆する今はあると思っている。

まずは、今回の東京スポーツ選定のプロレス大賞2019受賞者を並べてみよう。

MVP オカダ・カズチカ選手

ベストバウト 10・14両国 オカダ・カズチカ選手vsSANADA選手

最優秀タッグチーム賞 諏訪魔選手&石川修司選手

殊勲賞 宮原健斗選手

敢闘賞 清宮海斗選手

技能賞 飯伏幸太選手

新人賞 ストロングマシーン・J選手

女子プロレス大賞 岩谷麻優選手

以上がノミネートされたレスラーたちだ。新日本プロレス、全日本プロレス、プロレスリング・ノア、ドラゴンゲート、スターダムと各団体の人気レスラーが並んだ形となった。

新日本プロレスファンという目線だけで見れば、ウィル・オスプレイ選手や獣神サンダー・ライガー選手、「スーパージュニアタッグリーグ」3連覇の“ロッポンギ3K”YOH選手、SHO選手、鷹木信悟選手、石井智宏選手、ジェイ・ホワイト選手らの名前も見たかったところだが、中々そこは難しいようである。

そして、やはりとしか形容詞が出てこないのだが、2年連続MVPを獲得していた内藤哲也選手がMVPのノミネートから漏れた。それどころか何一つ受賞すらできていない。

飯伏幸太選手が予言していた「失速」がいよいよ真実味を帯びてきてしまった。

と、内藤哲也選手についての振り返りもこの12月に行うとして、今回はオカダ・カズチカ選手がMVPに選ばれた理由についてしっかりとまとめていきたい。

金の雨を降らす男は2019年の頭からレヴェルが違った。

 

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敗北からはじまったレインメーカー

2019年のオカダ・カズチカ選手は圧倒的な期待感に包まれた状態でスタートを切った。

2018年のイッテンヨンでパンタロンへとコスチュームを変更し、賛否両論の声が上がったことを受け止めショートパンツに戻したオカダ・カズチカ選手。さらに腰に巻く装飾も相まって、タイチ選手のようなコスチュームの着脱だけで、ファンが歓声を上げるという新しいパフォーマンスも誕生した。

書いていて気付いたが、ジェイ・ホワイト選手とのスペシャルシングルマッチで腰の巻物を外した時に巻き起こった大歓声こそが、2019年のオカダ・カズチカ選手を象徴するものだったのではないだろうか。

欲しいものを提供する。ただし、想像は軽く超えていく。そんなメッセージがあのパフォーマンスには込められていたように思う。

 

ライバル誕生

オカダ・カズチカ選手にとっての幸運だったのが、2019年に明確なライバルが誕生したこだ。

ライバルではないものの、世界的に評価される相手が新日本プロレスを退団したため、いいタイミングで好敵手が生まれたことは持っているとしか言いようがない。

さらにその相手が同じ歳だったことも特別感に拍車をかけた。

金の雨を降らす王者として“新日本プロレスの希望”の前に立ちはだかり続ける。そんな関係がファンから見ても非常に心地よく、これからの試合が楽しみになってくるのだ。

天才・SANADA選手の覚醒。これが2019年の新日本プロレスで一番大きなエピソードだったのかもしれない。2人の試合がベストバウトに選ばれたこと。これからの名勝負数え歌に期待したい。

そして、何よりもMSG大会で「IWGPヘビー級王者」に返り咲き、超満員の会場でメインイベントを締めくくったことは、2019年の日本プロレス界おいて最も大きなエピソードの一つだろう。

今回、MVPの投票ではオカダ・カズチカ選手に票が集まったという情報を見たがそれもこの結果を見れば納得である。

あの日、あの大会でメインを締めたこと。これが今回のMVP受賞につながったと僕は思っている。

 

最後に、ショーレースについて

朝からSNSを覗いてみると「おめでとうございます!」と「納得いかねぇ!」、「何でこの選手がいないんだ!」という声が溢れており、今年も大きな話題を生んでいるのだなぁとしみじみしている。

プロレス大賞はそもそも各団体を横断して評価するのだから、忖度がないわけがない。大人なんだからどうやったら政治に勝てるのか?という視点を持ってみた方が賢明だとは思う。なので、「納得いかねぇ!」というような意見を見るとそこまで熱くなれて羨ましいとも思う。

これは時効だと思うが僕自身、以前所属していた会社の社内コンテストで圧倒的な有利な状況で最終選考まで進んだ後、1位を逃したことがある。

後から聞いた話で1位を取った同僚がマネージャーに昇進するための箔として順位は決定されたという。その後、内容だと僕が1位だったと聞かされた。※そもそも僕に口を滑らしたことが大きな問題だとは思うが...。

 

例外は勿論あると思うが、世の中のショーレースなんてそんなものなのだ。声が強い人が「これ!」と言えば「これ」になる。

なので、ノミネートされたレスラーのどこが素晴らしかったのか?ということに目を向けた方が健康的だと僕は思っている。

例えば、2019年の新日本プロレスで大きな活躍をしたレスラーにウィル・オスプレイ選手がいる。プロレス大賞のサジェストに出るほど、ウィル・オスプレイ選手をファンが推す声があったのは事実だ。

ただし、何一つの賞も取れなかった。それはなぜなのか。一体何が足りないのか。

ここをしっかりと考えて自分がその後押しをするような行動を取ればいいのだ。

ファン側で最大のコミュニティを作り、新日本プロレス宛にトロフィーを作ってお送りするのも一つの手だろう。

何はともあれオカダ・カズチカ選手がMVPに選ばれたことについて、僕は新日本プロレスのファンとして誇らしく思う。2019年は驚きの雨や幸せの飴など、金の雨以外にも話題を作ってきたオカダ・カズチカ選手。2020年もレヴェルの違う活躍を期待している。

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