獣神サンダー・ライガーと獅子の血が流れる者たち

獣神サンダー・ライガーと獅子の血が流れる弟たちのエピソードが新日本プロレス公式の特設サイトで公開された。

中でも目を引いたのは新日本プロレス所属レスラーから大先輩である獣神サンダー・ライガー選手のメッセージだ。一言でいうとこれはヤバイ。

獣神サンダー・ライガー選手の入場テーマ曲「怒りの獣神」を聴きながら各レスラーからのメッセージに目を通していると思わず目頭が熱くなってくる。棚橋弘至選手、柴田勝頼選手、真壁刀義選手、田口隆祐選手など、新日本プロレスの道場で生まれ育った生え抜きレスラーからの言葉やタイガーマスクや本間朋晃選手、飯伏幸太選手など、外から来たレスラーから出る想い出の数々。

ジュース・ロビンソン選手、デビット・フィンレー選手、トーア伝説ヘナーレ選手ら“ガイジン”レスラーからの熱いリスペクト。

そして、第3世代。天山広吉選手、小島聡選手、中西学選手、永田裕志選手からは同じ時代を生き抜き続けてきたからこそ出る深みのあるメッセージがとても印象に残った。

獣神サンダー・ライガー選手の最終章が近づいてきている。尊敬できる先輩が勇退する時までもう3週間しかないのだ。

今回は改めて生え抜きという言葉の意味について考えてみたい。

まず思い浮かんだのはかつてYOH選手が言い放ったKUSHIDA選手へのメッセージ。「彼は頭のいいハイエナ」から振り返ってみたい。

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新卒と中途入社

日本企業の多くが新卒一括採用を行なっている。プロパーと呼ばれる“生え抜き” は、会社が手塩をかけて育てるべく、新卒研修や2年目研修、サーベイなど手厚い対応が取られるケースが多い。

その理由は採用コストと育成コストにある。中途入社の社員と比較するとその違いは数倍以上違うと言われている。

新日本プロレスで言えばヤングライオンとしてデビューを飾る前に研修生と呼ばれる段階がある。

厳しい入門テストにパスして野毛道場に住み込み、頭髪を伸ばすことや外出すら許されない試験期間。新弟子全員が下積み時代を経てデビューを飾るわけだが、この期間に逃げ出してしまう方も少なくないという。

トップレスラーたちは目も合わせず、会話もせずにその期間を見定めている。ここまで厳しくないものの、ひと昔前の新卒研修にはこうした風潮があったようにも思う。

相対的に若者が不足している現代では少し状況が変わっているかもしれない。

ただ、生え抜きで辛く厳しい研修生時代を乗り越えて、ヤングライオンが誕生するということに変わりはない。なぜならば辻陽太選手と上村裕也選手が登場した2018年4月10日から1人として、野毛道場育ちの新しい獅子が発表されていないためだ。

以前、KUSHIDA選手は新日本プロレスのヤングライオン はプロレス界の超エリートだと語っていた。超エリートの新卒と他団体での実績を買われた中途社員。では、中途社員が大切にすべきこととは何なのか。この点も考えてみたい。

 

チャレンジするということ

獣神サンダー・ライガー選手とKUSHIDA選手には共通点がある。新日本プロレスの入門テストを受けるために必要な身長が足りず、それでもプロレスラーになりたいとメキシコへと旅立ち、結果新日本プロレスへとたどり着いているのだ。

言葉にすれば軽々しいが、身長が伸びないのは誰のせいでも自分のせいでもない。ただし、悲観的になりすぎるのはきっとよくないのだ。

正攻法で戦う才能がないのであれば、角度を変えて物事を見てみるのはどうだろう。ひょっとすると、ピンチがチャンスに見えてくるかもしれない。

今、新日本プロレスのリング、セルリアンブルーのリングで輝いているレスラーは皆、数多くの失敗を経て、熱いファイトを繰り広げている。自分を追い込んで、信じること。そして、チャレンジすること。

この繰り返しに人は魅了されてしまうのだ。

話がかなり脱線したが、本題に戻そう。最後の話題はヒールはつらいよというものだ。

 

ヒールはつらいよ

今回、獣神サンダー・ライガー選手の特設ページでコメントを寄せていたのは、「新日本本隊」のレスラーだけだった。

つまり、「CHAOS」、「バレットクラブ」、「鈴木軍」、「ロス・インゴブレナブレス・デ・ハポン」に所属しているレスラーからのコメントは今のところ見ることができない。

おそらく今後の週刊プロレスには掲載されると思うので、そちらをしっかりとチェックしておきたいと思う。

大ベテラン。現場の叩き上げ。誰からも尊敬される先輩がリングを去る日まで後20日。

来月の今頃には“おそらく”寮長となった獣神の姿があるはずだ。

高橋ヒロム選手とリュウ・リー選手。この2人が獣神最終楽章でどんな音を奏で、どんな夢を見せてくれるのか。

今から来年が楽しみである。

最後に。新日本プロレスさん。素敵な企画をありがとうございました。電車の中で選手たちのメッセージを読んで本当に心がいっぱいになりました。

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