内藤哲也を応援したくなっている自分に気付く

内藤哲也を応援したくなっている自分に気付く。昨日電車に乗っていた時に、なぜか2018年の新日本プロレス旗揚げ記念日を見直したいと思った。

目当ての試合は「ロス・インゴブレナブレス・デ・ハポン」“制御なカリスマ”内藤哲也選手と「鈴木軍」“愛を捨てた聖帝”タイチ選手のセミファイナル。タイチ選手がタカタイチマニアを経て、ヘビー級転向を果たした聖帝にとっての旗揚げ記念日だ。

この日の実況を務めた野上慎平アナウンサーの口上も大変素晴らしく、入場を見るだけで熱いものがある個人的にも想い出深い一戦だ。

この試合を見ていて「あれ?」と思った。なぜだか分からない。なぜだか分からないのだが、来年のイッテンヨンは内藤哲也選手を応援したいと思ったのだ。

2019年。内藤哲也選手にとっては非常に苦しいシーズンとなった。飯伏幸太選手の予言通り、ブレイクした2016年以降はじめての失速。SNSを見ていても明らかに彼に対する支持率が下がった印象がある。

“制御不能なカリスマ”として作ってきた信頼が今の内藤哲也選手を下支えしているものの、今から新日本プロレスを好きになった方が2016、2017年、2018年ほど魅了されるかと言われれば難しいかもしれない。

ただ、秋から始まった沈黙というなの種から芽が出始めた印象もある。僕がそろそろ内藤哲也選手のぼやきや悪態。さらには締めのマイクと封印された“トランキーロ”という言葉が聞きたくなっているのだ。

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プロレス大賞MVP

プロレス大賞2年連続MVP。満場一致で内藤哲也選手の時代だった2016年と2017年から2年が経ち、東京スポーツ選定のプロレス大賞で内藤哲也選手はいよいよノミネートすらされなかった。

一方で同級生の飯伏幸太選手は「G1クライマックス」の実績を買われて“技能賞”を受賞。ちなみに2018年は内藤哲也選手が受賞していた賞である。

形のある結果も記憶に残るストーリー展開もない。なぜ、2019年の内藤哲也選手はここまで勢いがなくなってしまったのだろうか。その理由を改めて書き残しておきたい。

 

制御不能の仮面をかぶったスターダスト

直近の内藤哲也選手はビジュアルこそ“制御不能なカリスマ”だが、にじみ出ているオーラはスターダスト・ジーニアスそのものである。

「ロス・インゴブレナブレス・デ・ハポン」のリーダーとして民衆の想いを汲み取り、業界の常識を壊すような悪態を突く。石川五右衛門よろしくなピープルズチャンプとなった彼は、「応援される」側となった。

それが今はどうだろう。二冠をぶち上げてからは「応援してほしい」と願う内藤哲也選手になってしまったのではないだろうか。

ファンを自分の手のひらに乗せることが内藤哲也選手の魅力だったはず。それが今では、「二冠王となる内藤哲也を支持してほしい」というメッセージが感じ取れるようになってしまった。

あの夏。「G1クライマックス」を制したあの日。セルリアンブルーのど真ん中で「新日本プロレスの主役は俺だ」と言ってしまった。この言葉がトリガーとなり、内藤哲也選手はスターダスト・ジーニアスに戻ってしまった。

だからこそ思う。しばらく続いている沈黙は“制御不能”への帰還。ダークヒーローへの回帰なのではないのだろうか、と。

 

ダークヒーローへの回帰

「ロス・インゴブレナブレス・デ・ハポン」はベビーフェイスでもヒールでもないユニットととして人気を博した。

反則介入なんでもあり。ただし、口から出る言葉には確かな正論が混じっている。その唸りは圧倒的な支持率を作りだした。

今の「ロス・インゴブレナブレス・デ・ハポン」でヒールは誰なのか?と聞かれて、答えられる人はいるだろうか。SANADA選手はオカダ・カズチカ選手のライバルというだけでなく、ビジュアルも言動も完全なベビーフェイスである。EVIL選手はビジュアルこそ怪奇派なヒールだが、試合内容はゴツゴツとしており、ヒールを感じる瞬間はあまりない。これは鷹木信悟選手も同じことだ。

つまり、「ロス・インゴブレナブレス・デ・ハポン」はベビーフェイスでもヒールでもないユニットからビジュアルだけヒール寄り、中身は完全にベビーフェイスに変化してしまったのだ。

二冠王になるためには、内藤哲也選手は自らヒールの道に進むしかない。相手は極悪のジェイ・ホワイト選手。彼を上回るほどの悪(制御不能)っぷりを魅せつけることであの頃の支持率を取り戻すしかないのだ。

“制御不能なカリスマ”となってはじめて下がったことで生まれる「活躍してほしい」という想いを胸に暴れ回る。

これが僕が見たい内藤哲也選手の姿なのだ。

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