鈴木みのるのギラギラ幸福論 白の章を読んでみた
鈴木みのるのギラギラ幸福論 白の章を読んだ感想を書いていきたい。
「ギラギラ幸福論 白の章」の正式な出版日はAmazonで2019年1月7日と記載されている。
ただ、配信されたプレスリリースでは、2019年12月28日発売となっていた。また、原宿のパイルドライバーやKindleでは発売がスタートしているなど、出版会も電子版が先、紙の書籍版が後という動きがはじまっているのかもしれない。
「ギラギラ幸福論 白の章」。上下巻ではなく、白と黒(後日発売予定)。鈴木みのる選手のコスチュームを象徴する意味のある2色だ。
鈴木みのる選手自身を表現する上で、無駄な色は邪魔になる。白か黒か。この2つだけでいい。
モノトーンの世界を生きる稀代の現役最強レスラーの本には一体どんな学びが詰まっているのだろうか。
本屋まで待てない。今すぐ目を通したい。そんな誘惑に負け、まずはKindle版を購入した。
一日で読み終わった感想は、きっと保存用で書籍版も購入するだろう、ということ。
第一線で活躍しているレスラーの言葉に正直、何度も面食らった。これまで僕が思っていた言葉を本質的に解釈し、繊細に言語化されている。
師匠である藤原喜明さん、カール・ゴッチさんとの関係性。技術の伝承方法について。
そして、己のピークについて。50歳を超えて尚、常にコンディションを保ちながら「G1クライマックス」の選出から漏れてしまった時に、どうやってメンタルを保っていたのか。
僕が特に印象に残った点をこれからまとめていきたい。全体のネタバレはしないのでご安心を。
師匠と弟子の関係図
弟子が「師匠」と呼ぶから師弟関係が生まれる。逆は存在せず、先生と生徒にはなれても、師匠と弟子にはならない。
鈴木みのる選手とインタビュアーの方との会話劇は非常に空気感がいい。鈴木みのる選手ほどの大物を相手にインタビューすること自体、かなりのスキルや知識、思考力を求められるのだが、そうしたものを超えている印象を受けた。一定の距離感を保ちつつ、ナチュラルに踏み込んだ質問を投げかけるケースやかなり遠回しに本題へと迫ることもある。
そんな会話劇の中で師匠という存在について語られるエピソードがあった。
恐らくここでも書いたことがあると思うが、僕には3人の師匠がいる。それぞれが心技体を教えてくれたと言えば聞こえはいいが、とにかく僕が今稼がせてもらっているのはこの3人がいたからこそなのだ。
ただ、3人共に「君は弟子だよね」と言ったことはない。僕が勝手に弟子を名乗っているだけなのだ。
先生と生徒でもなく、先輩と後輩でもない。教わる側が“勝手に”最大級の感謝を込めた言葉が「師匠」なのかもしれない。
技術の伝承とは?
金を払わずに教わったもので、金を取るな。下の世代や含めて「教えて下さい」と言われれば教えること。
鈴木みのる選手は身に付けた技術についてこう語っていた。
確かにそうなのだ。僕はお金を払って師匠たちから技術を考え方を身につけたわけではない。
であれば、教える側に回ったとしてもお金を取るのはナンセンスなことなのだ。
勉強会と称してよく聞く言葉を並び立てて、お金を取っているイベントを見ていた時の違和感がここに凝縮していたように思う。やはり鈴木みのる選手の視座からは学びしかない。
レスラーのピークは35歳から
僕は来月の11日に36歳になる。僕の中ではあっという間に歳を重ねてしまったなぁという印象があった。
結婚もしていないし、子どももいない。大きな変化はこれからどう起こっていくのか。そんな悩みに時折り襲われることだってあった。
そんな時に「ギラギラ幸福論 白の章」と出会ったことにはきっと意味があるのだろう。
鈴木みのる選手は「レスラーのピークは35歳から」だと語った。身体能力だけを競う競技と異なり、プロレスとは勝敗と並行してファンに生き様を見せることにも意味がある。
30代中盤つまりは油が乗ってくるタイミングでレスラーのピークは訪れるのだ。
人生もそう。勢いで突き進んだ20代が終わり、自分の道を改めて選び、進む30代へ。40、50代はどんな生き方になるのか。実際になってみないと分からないが、きっと考え方次第で素敵な時間になるのだろう。
“プロレス王”鈴木みのる選手の金言が詰まった「ギラギラ幸福論 白の章」。ぜひ、この年末で手に取ってみてはどうだろう。
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