クリス・ジェリコと棚橋弘至の闘いは「AEW世界王座」へ発展するか?

クリス・ジェリコと棚橋弘至の闘いは「AEW世界王座」へ発展するか?

まさに青天の霹靂だった。いや、禁断の果実がぶら下がった状況とも言うべきだろうか。2018年から3年連続で新日本プロレスの東京ドーム大会に出場するクリス・ジェリコ選手が爆弾発言を発した。

新日本プロレスが「AEW」という単語を公式ホームページに掲載したのである。新日本プロレスを牽引してきた「バレットクラブ (エリート)」が分裂し、その後アメリカで誕生した新プロレス団体。新日本プロレス、WWEを含めた全世界の団体からレスラーを召集し、今のトレンドに合わせた試合を実現しようとしているAEWに新日本プロレスのエースが登場する日が訪れるのか。文字通り禁断の扉を開く結果となるのか。

それともクリス・ジェリコ選手により、禁断の扉は開かずの扉のままとなるのか。

イッテンヨンにエントリーせず、イッテンゴに専念する棚橋弘至選手も“ウォール・オブ・ヒロシ”という名前だけでどんな技か分かる新技を用意していると語るだけに、この試合がとても楽しみである。が、少しだけ変に深読みしてしまうとなんとも言えない気持ちになったので、少しだけお付きたいいただきたい。

結論から言えば、棚橋弘至選手のスポット参戦やクリス・ジェリコ選手、ジョン・モクスリー選手の参戦は大歓迎なのだが...という内容である。

 

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勝って欲しい気持ちと...

棚橋弘至選手はイッテンヨン東京ドームに出場しない。「“あの”棚橋弘至をタッグマッチで出場させるわけにはいかない。イッテンゴ一本に絞って欲しい」これが新日本プロレス上層部の決定だった。

事実、クリス・ジェリコ選手がイッテンヨンでは不在のためテーマのない試合になってしまう可能性が高い。ある意味でこれまでメインイベントやタイトルマッチなどに出場してきた棚橋弘至選手がノンタイトルの複数タッグマッチでどんなパフォーマンスを魅せるのかは楽しみではあった。ただ、そこは新日本プロレスの決定に従おうではないか。そんな気持ちを固めた矢先にクリス・ジェリコ選手が文字通りの強襲を仕掛けてきた。

正直に言おう。僕は新日本プロレスとAEWが絡むことについてノーコメントを貫きたいくらいの立ち位置なのだ。共通の親会社を持つスターダムは完全に賛成派だがAEWについてはあまり触れたくない。

その理由は彼らが新日本プロレスを退団後、必要ないコメントを残し続けたためだ。バレッタ選手、チャッキー・T選手など有力な“ガイジン”レスラーを引き抜いたのは個人が決めることなのでさほど興味がない。プロレスラーはあくまでも個人事業主。レスラー個人の判断を尊重したいと心から思う。

ただ、新日本プロレスでヒールから“ベビーフェイス” になり、砂をかけたことだけはまだ納得ができていない。

社会生活を営む中で、過去の組織の悪口を言うということはそれほどに人間性をあらわすものなのだ。

 

二代目王者となる可能性

棚橋弘至選手に勝って欲しいと思う。ただ、勝利を掴んだ場合、先にあるのはAEW世界王者への挑戦だ。

正直、前述した背景から新日本プロレスとAEWが絡むことに対してあまり肯定的な考えが持てないのである。敢えて言うのであれば、新日本プロレスのリングでクリス・ジェリコ選手が「AEW世界王座」のタイトルマッチを行なうのであれば(ブリティッシュヘビー級選手権試合のように)問題はないのだが。

簡単に言えば、いわゆる「吐いた唾飲み込むなよコラ」ということ。数年が経ってほとぼりが冷めた後であればまだよかったのだが。

元所属レスラーがギミックを取っ払った状態で、好きな団体を批判をしてから一年も経たずしての交流。色々な背景から選択されたものだとは思うが、素直に「待ってました!」とならなかった(クリス・ジェリコ選手やジョン・モクスリー 選手が参戦している件とは全く異なる。特定のレスラーの発言が彼のことを好きだっただけに傷ついたと解釈してほしい)。

あくまでもクリス・ジェリコ選手と棚橋弘至選手限定だけに留まってくれればいいのだが。そうでないのなら、今回のスペシャルシングルマッチはクリス・ジェリコ選手が勝利してくれた方がいいとすら思う。

対NXTの施策として考えれば、HIROSHI TANAHASHIのブランドはあまりに強い。そして、新日本プロレス所属レスラーとしての初参戦が棚橋弘至選手というのは間違いなく盛り上がるし、美味しすぎる展開だとも思う。

 

本音

ここまでつらつらと書いてきたが、新日本プロレスの決定であれば従うし、楽しむ。この気持ちを絶対に忘れてはならないとも思っている。

正直、一介のファン風情である僕が好きな団体の新しいチャレンジにブツブツ言ってること自体、本質的には烏滸がましいのである。

さらに今回の一件は棚橋弘至選手が東京スポーツで発した言葉からスタートしている。

6月のオカダ・カズチカとのIWGPヘビー級戦(大阪)以来の参戦となるジェリコが現在、AEWベルトを保持していることも闘争心に火をつける。「向こうのチャンピオンじゃないですか。俺が勝って向こうが『もう1回』と言ってきたら『ならベルトかけろ』とも言えるわけです。そうしたら禁断の扉が開きますよ」と不敵に笑う。

風雲急を告げる決戦を前に「ジェリコはいつまでペインメーカーを名乗ってるんだと。あれはレインメーカー(オカダ)が相手の試合だったから使ってたわけでしょ。だからね、僕が新しい構図を考えてきましたよ。ズバリ『エース対ジョーカー』です」ときっぱり。

 

確かに言われてみればVSオカダ・カズチカ選手用のペインメーカーを継続して使っていることには疑問が残る。ただし、新日本プロレスのジョーカーと言えば飯伏幸太選手が浮かんでしまったりもする。

禁断の扉を開けつつある新日本プロレス。イッテンゴで棚橋弘至選手はウォール・オブ・ヒロシを炸裂させるのか。今後の展開を含めて試合を楽しむ必要が出てきた。

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