鷹木信悟の「NEVER無差別級王座」に懸ける想いと“二冠王”

鷹木信悟の「NEVER無差別級王座」に懸ける想いと“二冠王”について書きたい。

今、最も「NEVER無差別級ベルト」を輝かせ、価値を上げることができるのは、“制御不能のカリスマ”に導かれ、新日本プロレスに新しい龍なのかもしれない。

ドラゴン・ゲートのトップレスラーだった鷹木信悟選手が新日本プロレスに襲来したのは、2018年10月のこと。同じく「ロス・インゴブレナブレス・デ・ハポン」のBUSHI選手と共に「IWGPジュニアタッグ」のベルトを戴冠。「ベスト・オブ・ザ・スーパージュニア26」では石森太二選手や金丸義信選手、SHO選手ら強豪ひしめくリーグ戦で無敗の記録を樹立。

優勝決定戦で惜しくもウィル・オスプレイ選手に敗れてしまったものの、その実力を遺憾なく発揮した。

まだまだ流れは止まらない。無差別級転向を宣言し「G1クライマックス」へ出場。最終戦で「IWGPインターコンチネンタル王座」や「IWGPタッグ王座」、「NEVER無差別級王座」を戴冠した実績を持つ、後藤洋央紀選手を破り、優勝決定戦進出への望みを断つ。極め付けは「ワールドタッグリーグ」エントリーと新日本プロレスへ足を踏み入れてからというもの、龍の如く己の道を爆進してきた。

そんな鷹木信悟選手がいよいよ2月1日、「釣り★スタpresents THE NEWBEGINNING in SAPPORO ~雪の札幌2連戦~」でシングルのベルトに挑戦する。

相手は「NEVER無差別級王者」後藤洋央紀選手。東京ドームでKENTA選手から奪還したベルトの初防衛戦となる。

後藤洋央紀選手と鷹木信悟選手。2人のが魅せる「NEVER」のタイトルマッチは一体どんな試合になるのか。これから想像してみたい。

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勝って欲しいけど負けて欲しくない

鷹木信悟選手にとってある意味背水の陣とも言える状況だ。「G1クライマックス」で後藤洋央紀選手をうち破ったものの、スペシャルシングルマッチでは、敗れてしまっている。

2019年、後藤洋央紀選手は身体を絞り、鷹木信悟選手は更なる筋量アップを目指した。身長、体重共に大きな違いはない。

ウエイトの差ではなく、プロレスラーとしての実力が全ての試合になる。

鷹木式GTRに続き、鷹木式牛殺しも繰り出す気配のある鷹木信悟選手だが、ここでベルトを戴冠しなければ「シングルのベルト」はかなり遠のいてしまうだろう※KENTA選手のように順番待ちの列を全てすっ飛ばせば話は別だが。

ここ最近で未戴冠のベルトにここまでの愛情を表現した新日本プロレスのレスラーは珍しい。

直近で公開された鷹木信悟選手のブログでも「NEVER無差別級」への想いがしっかりと書かれていた。

石井智宏選手と田中将斗選手が生み出していたあの独特な空間と熱をもう一度自分の手で生み出したい、と。

そうまで愛情を語られては応援しない訳がない。ただ、僕は生粋の後藤洋央紀選手ファンでもある。

勝って欲しいけど負けて欲しくない。そんな気分でこの試合を十二分に楽しみたいと思っている。昨日のバックステージで発したコメントも素晴らしかった。

 

鷹木「(※後頭部を手で押さえ、顔をしかめながら)今日の牛殺しは効いたぜ。面白えな、あの技。なんだったら、鷹木式牛殺しってのも面白えな。まあ、それはいいとして、後藤、お前に言いたいことがあるよ。
なになに、NEVERを愛し、NEVERに選ばれた男? オイ後藤、寝言は寝てから言え、コノヤロー! オイ、この期に及んで、未練がましく、まだ3冠統一とか言ってんのか? オイ、NEVERの価値を高めるんじゃねえのかよ? お前の言ってることはな、いつも、言ってることとやってることが違うんだよ、お前!
理不尽じゃねえか、後藤! オイ、わかったぞ。わかったぞ。お前のGTRは、わかったぞ……何の略かわかったぞ。“後藤・とにかく・理不尽”、そのGTRだろ? 間違いねえな。ちなみに鷹木式GTRは、オレもしっかり考えたぜ。寝ないでな。鷹木式GTRは、“グレート・鷹木・レボリューション”だ。鷹木式GTRで、札幌のタイトルマッチ、一発で奪ってやる。そして、NEVERの2冠王になるのはオレだ」

続いては「NEVER無差別級」の勢力図について、だ。

 

ここ数年のNEVER戦線

鷹木信悟選手と後藤洋央紀選手の試合を待つ間、NEVER戦線についても考えてみよう。

まず最多戴冠記録は石井智宏選手と後藤洋央紀選手のトップタイで5。最長保持者は田中将斗選手で314日になる。

“あの頃のNEVER”と呼ばれても些かしょうがないのは記憶にも記録にも残っているためだろう。

ただし、「NEVER無差別級」は柴田勝頼選手による第3世代との1人世代闘争を経て、大きく変化を遂げていく。

後藤洋央紀選手戴冠後はチャンピオンによって大きく色が変化するベルトとなったのだ。

鈴木みのる選手政権の頃はランバージャック・デスマッチや敗者髪切り&ノーセコンド・デスマッチなど、「鈴木みのる選手のカラーに。

タイチ選手やウィル・オスプレイ選手が戴冠した時はジュニアとのタイトルマッチも予感させるベルトへ。

ジェフ・コブ選手やマイケル・エルガン選手が戴冠した時はパワーファイターのベルトにも化けた。

以前、仮面ライダー555のようにベルトが「NEVER無差別級」の主役だと書いたことがあったが、まさにその流れのまま進んでいる印象を受ける。

鷹木信悟選手は時計の針を戻そうとしている。バチバチの戦いでファンを熱くする「NEVER無差別級」への原点回帰だ。ともすれば、挑戦者候補も一新される可能性がある。

勝ち逃げした相手が追い掛けて来る可能性もゼロとは言えない。

 

もう1人の二冠王

「NEVER無差別級6人タッグ」のベルトを持っているのはEVIL選手、BUSHI選手、そして鷹木信悟選手だ。

ここで鷹木信悟選手が後藤洋央紀選手を倒せばもう1人の“二冠王”が誕生することになる。

「NEVERの二冠王」つまり新しい“NEVERの申し子”だ。

機動力とパワー。オリジナリティ溢れる技の数々。見るものに熱さが伝えるファイト。思わず「上手いなぁ〜」と膝を叩くマイク。

鷹木信悟選手には沢山の武器がある。ただ、一つ足りないものについて、自身でも思うことがあるらしい。※新日本プロレスの公式スマホサイトで鷹木信悟選手のブログをチェック

だから「NEVER」を求めた。「NEVER」の価値をストップ高にし、いつか「IWGP」と同等以上に引き上げるのが鷹木信悟選手の狙いだ。

前述したように鷹木信悟選手が「NEVER無差別級王者」となれば、挑戦者が一新される可能性もある。

SHO選手との再戦やウィル・オスプレイ選手との再戦などジュニアが“無差別級”へなだれ込んで来る可能性もある。

2020年、「NEVER」に愛され、求められているのは誰か。究極の戦いは今週末だ。

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