KENTAが内藤哲也に向けた言葉でこの戦いの意味が分かった

KENTAが内藤哲也に向けた言葉でこの戦いの意味が分かった。

いやはやまさかこんな展開が待っているとは思いもよらなかった。

2016年、内藤哲也選手は棚橋弘至選手との記者会見で、グゥの音が出ないほどコテンパンにしたことがあった。

あの棚橋弘至選手が正論過ぎると返す言葉がない、と語ってしまったほどである。

元々は木谷オーナーかぶち上げたオカダ・カズチカ選手の2億円プロジェクトに反旗を翻す形で内藤哲也選手、ひいては「ロス・インゴブレナブレス・デ・ハポン」の人気は爆発していた。

会社(新日本プロレス)に納得がいかない。内藤哲也選手姿勢がファンの心を惹きつけ、爆発的な支持率へとつながったのだ。

あれから4年が経ち、まさかプロレスリング・ノアのカリスマから海を渡り、新日本プロレス へたどり着いた漢に追い詰められつつあるとは思いもよらなかった。

KENTA選手は内藤哲也選手と対峙することで、あのバッドエンドすら忘れさせるほどの魅力を炸裂させている。

“熱狂的”内藤哲也選手(ロス・インゴブレナブレス・デ・ハポン)ファン以外ではなく、新日本プロレスのレスラー全推しである僕から見ても、明らかにKENTA選手に勢いがあり、またメッセージが心に響く。

ただ、“逆転の内藤哲也”を魅せたばかりの内藤哲也選手がこのままで終わるはずもない。今、僕が2人について思っていることをここにまとめてみたい。

今回、普段の倍のボリュームになった。ぜひ、最後まで目を通して欲しい。

 

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正論を武器にした主役へ正論をぶつける

今回のサーキットでKENTA選手がバックステージやSNSで発するメッセージが一つひとつが深くて凄い。

プロレスとは生き様を表現するもの。プロレス は人生と例えられるケースがある。

KENTA選手は自身の生き方から得た経験値を持って、内藤哲也選手へ思うことをぶつけ続けている。

その言葉はナイフのように鋭利であり、鐘の音のように心に響く。3つほど特に印象深い言葉をピックアップしてみたい。

 

ブーイングが声援に変わる日

まずは、内藤哲也選手は「会社に守られていた」という言葉について。

内藤哲也選手は自分が入門した当時は「潰れかけだった」と返した。

2005年。新日本プロレス がユークスの子会社になった年である。親会社を持たない独立系の会社ではなく、グループ会社として業績回復を目指したタイミングで内藤哲也選手は新日本プロレスに足を踏み入れた。

そんな状況を示す情報を提示してみよう。

2004年に高橋裕二郎選手、2005年に内藤と哲也、平澤 光秀選手。そして、2007年にYOSHI-HASHI選手、オカダ・カズチカ選手が入門を果たしている。

この前後で見ても明らかに入門の数自体が少ない。また、アマレス、アニマル浜口、闘龍門など何かしらプロレスとつながりのあるバックボーンがある者のみが入門を果たしている(限りなく新弟子を採用するためのハードルが高かったように思える)。

実際の道場は辛く厳しかったはず。ただ、給料が保証されているのが守られているならば確かにそうなってしまう。

KENTA選手は全日本プロレスからプロレスリング・ノアの旗揚げに参加し、WWEへと旅立った。

デビューから3ヶ月で全日本プロレスを去った。決して大きな身体ではないが、ヘビー級戦線で戦い抜いた。そして、2014年にアメリカを目指した。

なによりもWWEはシビアだ。上に上がるのも難しければ、解雇も決して珍しいものではない。

そんなギリギリの所で戦ってきたことが徐々に浮き彫りになってくる。

 

勇気と気付きの違い

勇気のある一歩と気付きを混在するな、遅すぎるくらいの一歩を美談にするな。逆風ご吹いていたのはショボかっただけ。やっも使えるような戦力になっただけ。

これはもうどこに視座を置くか次第としか言いようがない。

内藤哲也選手のブームは燻っていた“スターダスト・ジーニアス”が本来の魅力である“制御不能”を出したことで爆発したものである。

内藤哲也選手本来の魅力を纏めてみよう。

  • とにかく新日本プロレスが大好き
  • 俺がお客様を一番楽しませることができる
  • 納得がいかないことがあれば、団体にも噛みつく

新日本プロレスを愛するが故に苦言を呈すこともある。それもお客様のためなのだ、と道理が通ったメッセージが“制御不能”になって分かりやすくなった。

ベビーフェイスでは伝えきることができなさったことをツンデレの“制御不能”で実現したのである。

では、これって本当に勇気のある一歩なのだろうか。KENTA選手は気付きだと真っ向から否定した。

内藤哲也選手にとって逆風の代名詞でもある大阪の地のブーイングもショボかったからと言ってしまえばそれまでの話なのだ。

KENTA選手が指摘しているのは内藤哲也選手は全てを美談にしているという点である。

それは別に当たり前のことなのだ、とメッセージを出し続ける。その理由については、このシリーズが始まった初日にKENTA選手はバックステージで語っていた。

 

世界を経験した男は違うね

最後に「世界を経験した男は違うね」について。これは何も言えない。KENTA選手が正しいと思う。

世界を相手に何も残せなかった俺をバカにしていいのは、世界で結果を残した者だけ。行ったこともないやつは黙ったろ。

ど真ん中162キロのストレートだ。茂野五郎のが投げるジャイロ回転のストレートを思い出すほどに美しい軌道で胸に刺さった。

これもどの視点で見るのかが大切になってくる。

例えば、新卒で大手企業に入って出世した男が、海外でチャレンジしたものの、レイオフされた中途入社の社員を見て「世界を経験してきた男は違うなぁ(笑)」と言っているのを目の当たりした時、あなたはどう思うのか、だ。

この状況になれら僕は間違いなく、グローバルで戦って負けた中途社員とお話をしたいと思う側の人間である。

 

どうする内藤哲也

ただし、一つだけ思うのが内藤哲也選手はKENTA選手に対して「素直に凄い」と前置きをし続けている。

弄っていると曲解しているのはKENTA選手なのではないのか?という見方はまだ可能性として残っている。

Twitterを通じてKENTA選手が支持率をジワジワ上げている中、内藤哲也選手はプロレスファンらしいJFL(Jリーグ加盟を目指すクラブ)の選手らとバックステージで撮影した写真をリツイートしていた。

これはあくまでも僕の意見だ。そのリツイートは明らかに悪手であり、支持率を下げたいのか?と思ってしまった。

国内ではサイン会も撮影会も一切行わない男が知り合いをバックステージに招いて写真を撮る。そして拡散する。

棚橋弘至選手であれば分かる。オカダ・カズチカ選手や真壁刀義選手でも全然問題ない。

ただし、これはヒールのやることなのか。「ベビーでもヒールでもない」と言いつつ結論ベビーフェイスの行動を取っているのではないか。

今、KENTA選手にこれだけ言われてもSNSで反論しないのは、そろそろ“二冠王”としての怠慢だ。ただでさえ、新日本プロレスワールドでの中継がない今、全国、全世界のファンを楽しませるにはSNSを活用するしかない。

その状況でファン(知り合い)と撮影した写真を拡散するのはあまりにも内藤哲也選手らしくない。

自らを律するためにアメーバブログの更新もやめて、耳たぶが痛ぇと欠場し、棚橋弘至選手を黙らせた。あの頃の内藤哲也選手であれば、こんなことはしなかったはずだ。

僕は別に写真を撮ってSNSに上げた方を否定しているわけではない。内藤哲也選手が今の状況でリツイートした意図が汲み取れなかっただけである。

ん、ちょっと、待てよ。ひょっとしたら全て内藤哲也選手の掌の上なのかもしれない。その可能性は十分にある。

 

戦うべき相手とは誰か

内藤哲也選手は世界を“選ばなかった”人間であることは過去に報じられた。

メキシコの居心地がいいことを知りながら、ホームは新日本プロレスだと心に決め、一つの道を貫いてきた。

これは誰にも否定できない確固たる信念があればこそ為せることだ。

そこで一つ考えてみよう。“二冠王”とKENTA選手のタイトルマッチを最大級に盛り上げるにはどうすればいいのだろうか。

既に割と昔のことのように感じるが、イッテンゴのバッドエンドを起こした当時のKENTA選手は、Twitterのトレンドに入るほどの叩かれっぷりだった。

「NEVER」で後藤洋央紀選手に負けたKENTA選手が二冠戦に挑戦することに納得いかないファンも多かったことだろう。

ただし、今最も注目を浴びているのはKENTA選手と言って間違いない。内藤哲也選手に噛み付いたことでここまでの注目度を得ることができたのだ。

敢えてコメントを出さない。敢えて眼中にないフリをしてファン(知り合い)との写真をリツイートする。

偉業を成し遂げた“二冠王”はまるで、棚橋弘至選手やオカダ・カズチカ選手に噛み付いたあの頃の内藤哲也とどう向き合うのかを証明しているのかもしれない。

VS新日本プロレスファンとVS内藤哲也で支持率を高めるKENTA選手はあの頃の内藤哲也選手に似ている。

そして、内藤哲也選手というフィルターを通じて、過去の自分と自分の哲学を世の中に発信している。

内藤哲也選手は過去の自分と戦い、KENTA選手は今の新日本プロレスの主役と戦っている。

“二冠王”として初の防衛戦。タイトルマッチまでの日々が更に楽しみになってきた。

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