鷹木信悟とSHOの第2章は「NEVER」ではじまる

鷹木信悟とSHOの第2章は「NEVER」ではじまる。

2020年2月1日、新日本プロレスは「釣り★スタ presents THE NEWBEGINNING in SAPPORO ~雪の札幌2連戦~」の開催した。

メインイベントは王者・後藤洋央紀選手と挑戦者・鷹木信悟選手の「NEVER無差別選手権試合」。2019年にも2度戦った結果の戦績は一勝一敗。今回は鷹木信悟選手が新日本プロレスに移籍してから初のタイトルマッチということもあり、「何かが起こる空気」が流れていたように思う。

そう、“ロッポンギ3K”のSHO選手が解説席に座った時点で、何か運命めいたものを感じていた。

この日、鷹木信悟選手が後藤洋央紀選手を破るのではないか、と。何かが起こる“雪の札幌”。ビックサプライズもなく大会が終わるほど新日本プロレスも鷹木信悟選手も甘くは無かった。

結果は初挑戦、初戴冠。鷹木信悟選手が新王者となった。

あの日の「ベスト・オブ・ザ・スーパージュニア」で成し遂げることができなかった勲章をここでようやく手にしたような晴れ晴れとした銀デープが空高く待った後、色々と考えみたのでその結果をまとめておきたい。

田口隆祐選手が「ドラゴンリングイン」を見せた「何かが起こる雪の札幌」。確かに龍が新しい一歩を踏み出した日となった。

f:id:yukikawano5963:20200202075400j:image

解説席のSHO

「NEVER」は巻く人と挑戦者で価値が上がっていくもの。華やかさではなく、ゴツゴツとした泥臭い強さ。そんな昭和の香りがする世界観が「NEVER」にはある。

「何が悔しいかって、鷹木信悟が勝ったことが一番悔しい」とSHO選手は既に

SHO選手は新「NEVER無差別級王者」に対して、ジュニアから逃げた男だと語った。

「ベスト・オブ・ザ・スーパージュニア」で優勝できないままにヘビー級転向をした。これは逃げだという強い主張である。

個人的には逃げは逃げでも「勝ち逃げ」という見方もあると思っている。

鷹木信悟選手はいいタイミングでジュニアヘビー級からヘビー級へ転向を果たしたのではないだろうか。

勝ち癖の話題に入る前に、鷹木信悟選手のバックステージコメントにも触れておきたい。

 --あらためて今、NEVERのベルトが来ました。気持ちを聞かせてくいただけますでしょうか。
鷹木「後藤……『混沌の極み』とか、『後藤ワールド』とか、『理不尽』とかバカにしてたけど、なんだ、あいつ。“後藤ワールド”とかヘンテコなこと言ってっけど、リング上は半端ねえよ、ほんと。紙一重だよ、紙一重。オレ今、現状はわけわかんないけど、自分の(入場テーマ)曲が鳴って、ベルトがあるってことは、勝ったかどうかわからんが、負けてないってことだ」
--ただ、リング上で見せた闘いは、まさにNEVERらしい闘いそのもだったと思いますが……。
鷹木「なんだよ、放送席に小僧がいたろ? 小僧が。SHOか? あのヤローが生意気に腕組んで、下から“上から目線”で見てるからよ、“ふざけんな、この小僧”って思って、あいつにとことん見せつけるためにやってやったよ。あれでスイッチ入ったね。最初からスイッチ入ってたけど、まさか放送席にSHOがいたなんてな。このクソ小僧って思って。最高だね。まあ、まだまだあいつは顔じゃねえけどよ」
--リング上では「ここがスタートだ」というお話がありましたけど、この先に向けてというのは、今なにか具体的にはありますか?
鷹木「オレ色に、このNEVERのベルトとをオレ色にとことん染めると宣言したから。まあ、IWGOヘビーとインターコンチ(ネンタル)との統一とか、オレ考えてねえけど、同等ぐらいまでに、いや、それ以上に、価値を上げてやるよ。いろんな地方、地方都市てもいいよ、NEVERのタイトルマッチがみたい、もっとNEVERのタイトルマッチが見たい、s峰いうふうな試合をしようじゃねえか。オレはよ、魂のぶつかり合いしかできねえから。初めての(シングル王座)戴冠かもしんねえけど、オンリー・ワンを目指すよ。この新日本で、このベルトとともにな」
--NEVERは無差別級のベルトでもありますから、そういった意味でもいろんな人が(挑戦に)名乗り出てくることも……。
鷹木「NEVER無差別級、そういった意味でもいいんじゃないの? 無差別に挑戦者選んでよ。無差別に、ネバー・エンドで。NEVERだからよ。可能性は無限だよ。IWGPヘビー、インターコンチのように、まあ今、2冠になってるから、あれは内藤に任せるとして、このベルトは鷹木信悟に任せとけ」
--これでNEVER2冠王になりましたが、その件に関しては?
鷹木「すっかり忘れてたよ。それは初か?」
--NEVERとしては初でしょう。
鷹木「じゃあ、どっかの誰かさんが言ってた、史上初の偉業じゃないの、これも? まあでも来週か、早速、NEVER6人タッグのタイトルマッチがあるからよ。なんだ、1週間以内だから、4日、5日天下と言われないように、個のシングルのベルトも6人タッグのベルトもしっかり守ってくよ」
--今日は試合後に(次期)挑戦者(に名乗りを上げる選手)は(リングに)上がってきませんでしたけど、現時点で鷹木選手の中でチャレンジャー候補はいるのか? それはこれから考えていくのか?
鷹木「自由だよ、自由。SHOやヘナーレなんかもオレの名前出してるし、オレもオスプレイに『(BEST OF THE)SUPER Jr.』(の決勝)で負けたままだし。『G1』でもね、(負けたままで)借りを返さないといけないヤツもいたから、そういった意味でも、無差別に選んでいくよ。ひょっとしたら海外行くかもしんねし、他団体行くかもしんねえし、可能性とネバー・エンドだ」

強すぎる王者、後藤洋央紀選手へのリスペクト。王者としてのビジョンを解く鷹木信悟選手。これまでの「NEVER」とは異なる“終わることのない登り龍伝説”に期待だ。

 

勝ち癖を持った龍

2020年の「ベスト・オブ・ザ・スーパージュニア」に鷹木信悟選手がエントリーした場合、前大会以上の結果を求めるとするならば「リーグ戦全勝の上での優勝」しかない。

そうなってくると実力差以上に“流れ”が必要になってくる。つまりは勝ち癖だ。

オカダ・カズチカ選手がなぜあそこまで「IWGPヘビー級選手権試合」で防衛できるのかと言えば、勝ち癖が付いているからである。

勝ち癖は白星をさらに増やす。いい意味で負けるイメージがないからこそ、連勝ロードが続いていくのだ。

鷹木信悟選手はウィル・オスプレイ選手に優勝決定戦で敗れるまで、新日本プロレスで負けたことがなかった。フォール負けもタップアウト負けもなし。

無敗の男というブランドが更に鷹木信悟選手を輝かせた。

「ストップ・ザ・鷹木信悟」のために己を磨き、いつかの再戦を誓っていたのがSHO選手だ。

無差別級であれば鷹木信悟選手へリベンジするチャンスがある。目の前で先輩を倒した男を解説席て見つけるSHO選手は周囲に伝わるほどの緊張感を放っていた。

目の前に迫ってきた「IWGPジュニアタッグ」のベルトを金丸義信選手、エル・デスペラード選手から守り抜く。そして、「ベスト・オブ・ザ・スーパージュニア」を制し、鷹木信悟選手にジャニアとして挑戦する。

あの瞬間、「挑戦させろ!」と言えば次の防衛戦で最有力候補になっただろう。ただし、分かった上で敢えてそのアクションをSHO選手は取らなかった。「SHOのしびれない話」を聴いている方は分かると思うが、SHO選手はプロレスラーという生き方をとても大切にしている。

あの瞬間は行くべき瞬間だ。ただ、ビビってるわけでもなく、気持ちを押さえ込んだ。

いつか「挑戦表明しなかった」ことが語られる時が来る。そんな気がしてならない。

 

これからの後藤洋央紀

まさか後藤洋央紀選手が一度も防衛することができずにベルトを手放すことになるとは思わなかった。また、戴冠期間も1ヶ月未満。超短期後藤政権となった。

ただし、ショックを受けて落ち込んでいてはならない。後藤洋央紀選手ファンとすれば、敗戦を引きずることなく次に向かって欲しいというのが本音である。

サッカーの本田圭佑選手よろしく成功に囚われるな、成長に囚われろという感じで、次の後藤洋央紀選手について少し考えてみたい。

2020年も2月に入った。後2ヶ月で新日本プロレス春の祭典がはじまる。おそらく今年の「ニュージャパンカップ」は例年通り、ベルトを懸けたチャレンジに戻るはずである。

2019年はマディソン・スクエアガーデンが決まっていたため、「IWGPヘビー級王者」ジェイ・ホワイト選手と戦うことが確定していたが、今年はそういった数年に一度のお祭りはない。

であれば、覇者が好きなベルトに挑戦するシリーズになる。

過去の実績がそのまま当てはまるわけではないのだが、新日本プロレスには「ニュージャパンカップ」にめっぽう強い“春男”が存在している。

現在の“二冠王”と春の頂上で争ったのが2016年。4年越しのリベンジを果たすことも、KENTAキラーとしての実力を発揮することも期待できる。

そう、新日本プロレスの“春男”がここで身軽になったことを逆に喜びたいと思うしかない。

「NEVER」に再びの別れを告げ目指すのは、オンリーワンではなくナンバーワンの価値を持つ「IWGPヘビー級ベルト」なのかもしれない。

 

二冠王となったドラゴン

鷹木信悟選手が「NEVER無差別王者」となったことで新しい物語が動きはじめた。

石井智宏選手やSHO選手、タイチ選手。そして、ウィル・オスプレイ選手。

鷹木信悟選手が目指すオンリーワンの世界がいよいよ幕を開けた。

「NEVER二冠王」として、次の戦いは「6人タッグマッチ。「CHAOS」の後藤洋央紀選手、石井智宏選手、ロビー・イーグルス選手と激突する。

勢いに乗った昇り龍を止められるのは一体誰か。長期政権の予感もあるだけに、2020年は鷹木信悟選手から目を離すことができない。

「今の気持ちわかる?最高の気分だぜ!」

★新着記事★

www.njpwfun.com

→【ランキング参加中】人気プロレスブログはここからチェック!【クリックで応援お願いします】

→NJPW FUNのTwitterフォローはこちら