田口隆祐がYOH&SHOと言い直した理由は一つしかない

田口隆祐がYOH&SHOと言い直した理由は一つしかない。

金丸義信選手とエル・デスペラード選手の挑戦を退け、「第61代IWGPジュニアタッグ王者」として初防衛を成し遂げた“ロッポンギ3K”のSHO選手とYOH選手の前に現れたのは、タグチジャパン監督こと“ファンキーウェポン” 田口隆祐選手だった。

バスケットボールを片手に「“セイシ(生死)”を懸けていて素晴らしい」と若き王者に労いの言葉をかけるとこう語った。

「SHO&YOH、いやYOH&SHO」と。セイシ(生死)と相手の名前を言い直す田口隆祐選手が最初に出たのは2017年2月11日のエディオンアリーナ大阪で高橋ヒロム選手がドラゴン・リー選手を破った時だった。

広夢、いや高橋ヒロム。田口隆祐選手は本気モードで冗談を言うからタチが悪い。

ヤングライオンの広夢ではなく、「IWGPジュニアヘビー級王者」となった高橋ヒロム選手へ挑む。

そんなメッセージがあの言葉には詰まっていたと僕は解釈している。では、なぜ今回“ロッポンギ3K”の名前順を逆にしたのだろうか。

考えてみたところ答えは2種類思いついた。まずは3年前のオマージュをやりたかっただけ。

もう一つがYOH選手への叱咤激励と期待だ。今回は後者で思考を進めていきたいと思う。

まずは、“ロッポンギ3K”が帰ってきたあの日まで話を遡ってみよう。

 

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あの日王座から転落した男

2017年、田口隆祐選手は最高のパートナーを迎え入れ「IWGPジュニアタッグ」戦線で躍動していた。

パートナーの名はリコシェ選手。タグチジャパン不動のメンバーと“ファンキー・フューチャー”を結成し、マット・ジャクソン選手&ニック・ジャクソン選手の“ヤングバックス”からベルトを奪取。

タイチ選手&金丸義信選手の「鈴木軍」ジュニア最強コンビからもベルトを防衛したタッグチームはセルリアンブルーのリングで輝きを放っていた。

リコシェ選手が躍動し、田口隆祐選手がキメる。

監督の采配が的中して手に入れたベルトを奪ったのはメキシコ、アメリカを経て新日本プロレスに戻ってきた“ロッポンギ3K”だったのだ。

王座から転落した“ザ・フューチャー・オブ・フライト”は日本武道館を名残惜しそうに見つめながら新日本プロレスを離れていった。

その後、リコシェ選手はWWEで「WWE US王座」、「NXT北米王座」に輝くなどメキメキと頭角を現した。

タグチジャパンからのアメリカ挑戦。プリンス・デヴィッド(現、フィン・ベイラー)選手に続き、田口隆祐選手のパートナーはあっちの団体でも輝きを放っている。

 

監督、コーチ、レスラー

と、リコシェ選手の思い出話になってしまったが、田口隆祐選手とリコシェ選手の“ファンキー・フューチャー”からベルトを奪ったのが“ロッポンギ3K”だった。

2人の若者を「CHAOS」に招いたのは“マネージャー”を務めるロッキー・ロメロ選手である。

マネージャーと監督がこのタイミングでタッグを組む。そこには色々な意味があると思うのだ。

まず、第28代から31代までの「IWGPジュニアタッグベルト」は田口隆祐選手&プリンス・デヴィッド選手の“Apollo 55”とデイビー・リチャーズ選手&ロッキー・ロメロ選手の間で動いている。

因縁の2人が手を組んで、新しい世代に挑む。色々な意味で見どころしかないのが今回、後楽園ホールで行われるタイトルマッチなのだ。

 

いい風吹かせるために

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今、“ロッポンギ3K”で勢いがあるのはSHO選手である。その理由の一つに壁として鷹木信悟選手が現れたことが大きい。

棚橋弘至選手は色々なレスラーと因縁を作っていくことが大切だと語っていた。

例えば、高橋ヒロム選手。ドラゴン・リー選手やKUSHIDA選手、エル・デスペラード選手、タイチ選手など多くのレスラーとストーリーを紡ぎ続けている。

プロレスが決して1人ではできないスポーツだとするのならば、組み合う相手レスラーとの物語が重要なものになってくる。

高橋ヒロム選手は若手や遠征時代を含めて、多くのライバルをつくってきた。その結果が今に結びついているのだ。

その点で言えば、SHO選手はYOH選手よりも物語を作っていっている。ただし、だ。ヤングライオン時代多くの期待を背負っていたのは小松洋平選手こと現在のYOH選手だったはずである。

先輩に混じっても物怖じしない度胸とタフな精神力。何か一つのピースがハマるだけでYOH選手は一気にスターダムへと駆け上がる気がしている。そんな噴火寸前のマグマへ期待を込め、ワインの栓を開けるために田口隆祐選手は現れたのではないだろうか。

名前の順番を入れ替えたのも、YOH選手が本来前に居るべきだという序列を明確にするための表現だったと僕は思っている。

一方で、この監督。後輩にエールを贈るだけではない。

 目指しているのは「NEVER」と「IWGP」の二冠王だ。

久しぶりに本気モードの田口隆祐選手が飛び出すのか。それとも普段通りの戦いで勝利を掴むのか。

田口隆祐選手VSYOH選手の戦いは2020年2月20日の後楽園ホールだ。

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