海外進出、新役員、買収、社名変更。今、日本のプロレス界は大きく動いている

海外進出、新役員、買収、社名変更。今、日本のプロレス界は大きく動いている。

大きくはいい意味でだが、時折ビックリするニュースも流れてくる。

少し前の話しにはなってしまうが、プロレス団体「FREEDOMS」のリングに酒気を帯びた観客が乱入したというツイートを見た。

あまりにも有り得ない光景に「関係者なのか?」という戸惑いもあった中で、無法者の狼藉だということが分かると、即座に摘み出されたという。

エンターテインメント界隈でも中々見ない由々しき事件だと思う。パッと思い浮かんだのが、海外サッカーのフーリガンである。

熱狂的に過ぎるサポーターと今回のケースを比較するのもどうかとは思うが、それほどに有りえない光景に面食らってしまった。

何でこの会場に足を踏み入れた方が、リングへ上がったのかはどうでもいい。正直、理性があればできる行動の範囲を超えているため、理解することはできない。

ただ、こうしたことが起きるとある程度自由な風潮から徐々に制約が入っていく可能性はあると思う。

今、日本プロレス界を取り巻く環境は大きく変わりつつある。

「新日本プロレス」は“ガイジンのプロ経営者”ハロルド・ジョージ・メイさんを召集し、2年連続となるマディソンスクエアガーデン大会へ踏み切った。

「全日本プロレス」の副社長には、横浜DeNAベイスターズで手腕を振るった五十嵐聡さんが就任。「プロレスリング・ノアーはサイバーエージェントグループ入りを果たし、「ドラゴンゲート」は株式会社ドラゴンゲートエンターテイメントからDRAGONGATE株式会社へと社名を変えた。

今、日本のプロレス界が大きく動き始めている。そこで重要になっていくのは一体何なのか。少し考えてみたい。

 

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観戦ルールの厳格化

新日本プロレスの「G1クライマックス」の両国国技館三連戦は館内で飲み物が販売されておらず、会場での飲食は禁止されていた(そもそもの会場ルール上のものである)。

会場での売上を考えれば飲食がそう簡単に無くならないとは思うが、何かのキッカケでどうなるか分かったものではない。

リアルのエンターテインメント市場はこれからも伸び続ける。そのためにファン側とどう向き合っていくのかが大切なのだ。

前述した通り「FREEDOMS」観戦していた男性がリングに入り込んできたり、「ドラゴンゲート」では特定のレスラーへ悪質なヤジが飛んだり、新日本プロレスではSNSでレスラーへ悪意のあるリプを飛んだりしている。

SNSは難しいとしても、試合会場では一定の対策は取れるようにも思う。ブシロード社の木谷オーナーが家虎根絶を発信したように、興行側が声明を発表すれば変化はあるはずだ。

ただし、プロレスとは本来そこまでお行儀のいいエンターテイメントなのか?という見方もある。

海外のプロレスと日本のプロレスが一線を画しているのは、力道山先生が作り上げた“喧嘩プロレス”という概念があることに他ならない。

“喧嘩プロレス”が発展したものが、“王道”と“ストロングスタイル”だと考えると、「色々なものと戦い続けるのが日本のプロレス」だという考え方にも辿りついてくる。

ここが今の課題なのかもしれない。

 

プロレス観戦

まずは新日本プロレスのV字回復。この裏側には、顧客の掘り起こしではなく、新規ファンの獲得があった。

格闘技としてのプロレスや戦いよりも、このレスラーがカッコいいだったり、ストーリーから興味を持った人も少なくないように思う。実際僕がそのタイプだ。

従来型のファンと新規ファンそれぞれが持つ価値観の違い。このギャップを埋めることはあまりにも難しい。

スポーツ報知の一文がまさにそれだった。

暴動になるんじゃないかという昭和のファンの変な期待に、令和のファンがこたえるはずもなく、入場時に物が投げ込まれることはなく、ブーイングという合法的なヒート。

出典:スポーツ報知

 

否定する訳でもないが、平成後期からのファンである僕は暴動など全く求めていない。ここが昭和と最近のファンの大きな違いなのかもしれない。

興行の性質上、プロ野球やサッカー、バスケットボールのように推しの球団で席を区分することも難しい。また、楽しみ方別で席を分けることは現実的ではない。

また、試合中に席を立たない(立てなくなった)から日本のプロレスはダメだという声もSNSで見かけた。

エンターテインメントという括りで見た場合、映画や舞台を見て立ち上がる人を僕は見たことがない。

ファンのマナー問題を含めてルールの整備あるいは、強行策は急務だと言える。

 

AbemaTV主催、夢の架け橋

2020年2月16日に開催したプロレスリング・ノアの後楽園ホール大会でとてつもない対戦カードが2つ発表された。まずは、グレート・ムタ選手と選手のタッグマッチ。もう一つが中嶋勝彦選手&谷口周平選手&宮脇純太選手VS“Evolution”諏訪魔選手&石川修司選手&岡田佑介選手だ。

プロレスリング・ノアがAbemaTVでこの発表をした意味はとてつもなく大きい。

オカダ・カズチカ選手はやはり天才だ。プロレス大賞の受賞式でオールスター構想をぶち上げた意味がここで生きてきた。

AbemaTV主催のプロレスオールスター戦が開催される可能性がある。それも国内団体とは、鎖国している“新日本プロレス抜き”で、だ。

日本プロレス界の中心に位置する新日本プロレス抜きでも資本力と圧倒的なマーケティング力を駆使すれば、とてつもないことができる。

この大会が開催されたとしたら、“プロレスラーファン”以外のプロレス好きは会場に足を運ぶ可能性が高い。一度会場に行けば、日常生活でも“視認”する確率はグッと高まる。

団体の垣根を越えつつ、オールスター戦を通じてファンの分散化とその後の集約を狙う。一年、2年ではなく5年後の団体を見据えた経営。優れたマーケターの仕事でプロレス界全体が更に元気になる未来が訪れようとしているのだ。

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