上村優也と石森太二のシングルマッチを見返して思ったこと

上村優也と石森太二のシングルマッチを見返して思ったことを書きたい。

2020年2月4日、10日ほど前に開催した新日本プロレス後楽園ホール大会の第二試合に思わず「なるほど」と広角の上がってしまうような対戦カードがあった。

“ヤングライオン”上村優也選手によるシングルマッチ。相手は獣神サンダー・ライガーさんに引退を決意させた男こと“ボーンソルジャー”石森太二選手だ。

以前から石森太二選手は上村優也選手に一目置いている印象があった。正確に言えば、新日本プロレスに所属するレスラーの多くから期待を込めたメッセージと熱視線が上村優也選手に向けられている。

あの金丸義信選手や柴田勝頼選手などの名レスラーが上村優也選手に対して前向きなコメントを残しているのだ。

「一番フレッシュ」、「気持ちが見える」。

トップレスラー側からの評価が表面化するにつれ、上村優也選手を期待するファンの数も増えた。

更に棚橋弘至選手のヤングライオン時代の身体付きに似ているとまでくれば、将来に期待せざるおえない。

そんな上村優也選手のシングルを改めてじっくり見てみたいと思った。相手は石森太二選手。上村優也選手を上村のお坊ちゃんと呼び、別ユニットという立ち位置ながら“可愛がっている”先輩の1人だ。

後楽園ホールは上村コール一色。足を運んだファンたちは、上村優也選手の善戦やそれ以上の結果を期待しているように見受けられた。

 

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倒す気満々のヤングライオン

ゴングが鳴る直前には「バレットクラブ」に所属し、ヒールという立場にある石森太二選手から握手を求めるパフォーマンスが。思いっきりその手を弾こうとする上村優也選手だったが、寸前で手を引く石森太二選手。

「胸を借りるではなく、倒す」

「遊んでやるよ、おぼっちゃん」

そんな2人の関係性が改めてインプットされる一コマだった。

と、その直後石森太二選手が一瞬背を向けた瞬間に上村優也選手のドロップキックが炸裂する。

追撃後にコーナーへ振るも、石森太二選手はリング外へエスケープし、不意打ちのダメージを抜きにかかる。

ヒールレスラーならではのインサイドワーク。むしろ、こういった試合の作り方もあるのだと上村優也選手に見せつけているようでもある。

相手に傾きそうな流れを壊す。それが伝わったのだろう。上村優也選手は石森太二選手がロープを跨ぐタイミングで再度強襲攻撃を仕掛けた。

上村優也選手はこの一戦に並々ならない気持ちを込めている。そのことが試合序盤から伝わってきた。

 

スーパー・ジュニアへのチャレンジマッチ

逆水平チョップ一つをとっても重みが違う。何発放ってもダウンしない石森太二選手と一発で背中をマットに打ち付ける上村優也選手との差はまだ明確に存在していた。

その後も上村優也選手は石森太二選手の首攻めに悶絶し続ける展開が続く。

だが、せっかくのこの試合で何も残せないまま終わらないと繰り出した反撃のドロップキックを皮切りに逆エビ固めでジワジワも石森太二選手の腰へダメージを蓄積させていく。

そして、得意のカンヌキスープレックスが石森太二選手に炸裂。ヤングライオン同士の試合はこの技で終っても、チャンピオンクラスとなると“技の重み”がまだ足りないのかカウント2で肩を上げられてしまう。

丸め込みを狙った上村優也選手へ「そろそろ終わり」と言わんばかりに「Yes Lock」が発動。

明日へ手を伸ばすようにサードロープを掴もうとする上村優也選手を尻目に、石森太二選手は腕のロックを外しつつリング中央に身体を戻す熟練のテクニックを魅せる。

これには思わず上村優也選手もタップ。若獅子によるチャレンジマッチは7分47秒で終了した。

 

バレットクラブの日本人

2014年に高橋裕二郎選手が加入して以降、新日本プロレスの“ガイジン”ユニット「バレットクラブ」は徐々に変化を遂げてきた。

現在のリーダーはジェイ・ホワイト選手。その参謀として「CHAOS」の外道選手が加わったのが2018年のこと。

また、石森太二選手が2018年。KENTA選手が2019年に加入するなど、年を追うごとにメンバーが増え、勢力を拡大し続けている。

分裂・合流を含めてここ数年で最も動きがあった「バレットクラブ」。更なるユニットの強化を狙うのであれば、ヤングライオンのうちから声を掛けるのも必要だろう。

 石森太二選手は上村優也選手にアイスクリームをプレゼントするならど明らかに好意的な態度を取っている。

試合後のコメントもそう。すぐにでも彼が欲しいと言わんばかりのメッセージを飛ばしている。

石森「上村の坊ちゃんは一生懸命で、本当、かわいいよ(笑)。でもさ、毎日お説教マスクの説経に耐えて、大したもんだよ! もしかしてドMなのかな?(笑) まぁ、また何か贈ってやるから。もっと強くなって、また俺にかかってこい! この言葉を贈るよ。It’s Reborn!」

未だ登場しない次世代のヤングライオンという問題もある中で、上村優也選手の才能が弾ける日を楽しみに待ちたいと思う。

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